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scribo ergo sum もの書き・八少女 夕のブログ Since March 2012


Posted by 八少女 夕

バースのあれこれ

ちょうど今月と来月に「霧の彼方から」で主人公たちがバースに滞在しているので、本文と関係ないバースの思い出について少し話してみようと思います。

サリー・バンズ

以前も少しだけ書きましたが、バースに行ったのは二度目。そして、一度目の時はローマン・バスを見る時間しかなかったので、今回はもっと街を見ようと滞在時間の長いツアーを探しました。

もちろん泊まったり、個人的に電車で訪れることも出来たのですけれど、そうなるとあと二日くらい長くイギリス滞在することになりますし、いろいろな情報を自力で仕入れなくてはならないので、ちょっともったいない。ここは、ツアーでさくっと行くことにしました。

バース三時間自由時間つきというツアーがあったのですけれど、それにストーンヘンジ観光もついていたので、もちろん喜んで観てきました。それはともかく。

実際にツアーには、いろいろな新情報があって、描写の中に(一部はおそらく探してもなかなか見つからないほどひっそりと)埋め込んであるのですけれど、面白かった割にはわざとらしくて使えなかった情報もけっこうありました。

その一つが、上の写真。名物の一つである「サリー・ラン」というお店で売っているバンズです。なんでも1680年頃にフランスからやってきた女性が作り始めたレシピに則って作っているパンということで(眉唾という噂もある)、大きくてミルクと卵がたっぷり。バースに来たら必ず買えというのですけれど、旅行中でこんなに大きなパンを持って帰っても困ること間違いなし。

向かいに「元祖バースバンズ」という似たようなパンを売っているお店があり、やはりソフトタイプの丸形パンらしいのです。「サリー・ラン」のバンズに比べると「買ってもいいかな」と思えるぐらいの大きさだったらしいのですが、サイズに大きな差があることを知ったのは帰国後(笑)結局こちらも買いませんでした。次回があったら、トライしようかな。

バースの家

さて、バース観光の(ローマン・バス以外の)もっとも大きな目玉というと、ジョージアン様式の優雅な建物の数々。もともとはローマ時代(伝統としてはその前のドルイド信仰の頃からの聖地だった)の有名湯治場だったバースですが、しばらくは忘れられていたそうです。ところが、ジェームス一世の(ちょっと困った)王妃が湯治でやってきて以来、なぜかイギリス貴族たちの一番イケてるリゾートになってしまい、貴族たちがこぞってやってきたそうです。そのお陰で、次々に立派な建物が作られ、この近くにあるバースストーン(コッツウォルズ・ストーンとだいたい同じもの)を使った、クリーム色の美しい町並みが作られました。

写真の建物を見ると、所々、窓が潰れているところがありますよね。こちらは、当時の税金と関係があるのだそうです。家を持つと税金を取られたそうなのですけれど、窓の数によってそれが増えたそうなのですね。だから、建てる方もそれに対抗するように、窓の数をできる限り少なくし、さらに必要のないところは潰してしまい税金をかけられないようにしたということなのです。こんな立派な家を建てる人でも、節税に励んでいたのですね。

さて、建物前の交差点。こちらは変わった信号。歩行者用の信号なのですけれど、なんと青である時間が八秒しかないんです。わかっている人間が、はじめから小走りでようやく渡りきる程短い時間です。なぜこんな設定にしたのか不思議です。

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Category : 旅の話 / スイス・ヨーロッパ案内

Comment

says...
窓の数で税金が…
全体がガラス張りだったら大変なことになってしまう?
そしていつの時代もお金持ちはケチなんですね
2019.07.14 12:36 | URL | #- [edit]
says...
こんばんは。

全体がガラス張りだったら、窓はないってことになったりして。

窓の数を七つ以下にするために、二つの部屋にまたがる窓を作ったり(隣の住人と兼用?)、トンデモないケチぶりを発揮した建築もあるそうです。最終的に窓をつけない建物に住まわせた住人たちが日照不足で健康被害を受けることが続出したので、この法律は廃止されたとか。驚きますよね。

コメントありがとうございました。
2019.07.14 21:24 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
ああっーーー 法律と言えば 一度八少女さんに聞いてみたかったのですが スイスの飼い猫の法律。
あの飼い猫は外に遊びに行けるようにしなければいけない 室内だけで飼うのであれば 二匹以上で。
スイスの写真では 建物の窓に猫用の階段がついていたり 外を眺められるようになっていたり。
あの法律って 実際に守られているの それとも形骸化しているのか…
まったく記事と関係ない質問で ごめんね。
2019.07.15 07:24 | URL | #- [edit]
says...
やはり、現地を取材してから書く事ができるなら、それに超したことはないと思いました。
もちろん小説の描写に現れる部分はほんの僅かであったり、全くない場合もあるのでしょうが、物語に見えない重みのような物を与えるような気がします。
あ、わざとらしくて使えないのはわかるような気もします。
自分にとって心躍るドラマチックな経験は自己中すぎるのか、実際に起こった事でも物語のリアリティーを壊してしまう場合もあるようです。
その辺の選択は大切だと思っています。

夕さんらしくお菓子が登場していますが、あれ?試されなかったのですね。
写真だけでは味がわからないのですが、お茶文化のイギリスのお菓子は美味しいと考えていいのかな?

窓の件は納得です。
日本でも間口の広さで税金を取ったという話は有名ですし、京都の町家は間口がとても狭くて、奥行きが鰻の寝床ですものね。
徴税者は簡単な方法で税金をたくさん取ろうとしますし、納税者は工夫を凝らして節税しようとするのは当然ですもの・・・
でも、自力で取材旅行ができる夕さんがとっても羨ましいです。
2019.07.15 14:56 | URL | #0t8Ai07g [edit]
says...
こんばんは。

確認できなかったので「たぶん」ですけれど、猫に関しては、そういう法律はないと思います。
法律で決まっていて二匹以上で買わなくちゃいけないのは、ウサギとかモルモットなどの「社会的動物」で、要するに「寂しいと死んでしまう(?)」動物。でも、猫を一匹飼いしている人は多いし、例えば老いや病気や怪我などで外に出さないで飼っていることも普通にあります。

ただ、日本みたいに、狭い住居に一日中締め切って放置する形で飼う人はあまりいないし、それをやると場合によっては「動物虐待」で通報されてしまう可能性があります。動物虐待にはうるさいし、それに「外に出さない方が安全で猫のため」というような観念が少ないように思います。外に出したら数分で轢かれて死んでしまうような所に住んでいる人は、そもそも猫を飼わないような。(そもそもそういう所が少ない)

猫の戸口&階段は、どこでも普通にありますその戸口からよその猫が入ってきてご飯を食べていくことも普通にある模様。。あと、普通のドアに来て「出たいの」「入りたいの」と意思表示をする子もいます。近所に「食事付きの別荘」を持っている猫もいますよ。

いろいろな人が(民族的にも)いますけれど、去勢と予防接種をちゃんとする飼い主が多いので、外に出したり、よその子が入ってきても、誰もあまり大騒ぎしないですね。まあ、狂犬病の狐に噛まれてしまったり轢かれちゃう子ももちろんいるんですけれど。

さすがにチューリヒのど真ん中ともなると、そんなこともないでしょうけれど、うちの辺りだと、猫だけでなく、犬も、牛も、馬も、羊も、山羊も、みな外にいるので「家の中に入れておかないと」という発想がないのでしょうね。

これでお役に立ちましたでしょうか。また来てね。
コメントありがとうございました。
2019.07.15 19:50 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんばんは。

あ、おこもりさんは終了かな?

実際に行ってみると、「別に行かなくてもあまり変わらんかったかな」と思うことも多いんですよ。サキさんもポルトにいらっしゃって、きっとそう思ったこともあるんじゃないかしら。でも、発表するときの「突っ込まれたらどうしよう」の心許なさは明らかに減りましたね。

この記事で紹介した内容は、どれも「えー、これは使えないわ」と思った件ばかりです。
たとえば、この「サリー・ランズ」のお店の近くで二つほど使った件があるのですけれど、一番有名なこれはさすがに「う〜ん」でした。そもそもこんな巨大なパンを二人が買って食べるという場面設定が(あの心理的状況では)できなかったのですよ。そこまでして書きたいことでもないし。

この日は、ストーンヘンジで美味しい三角サンドを食べて、ジョルジアとグレッグも入った設定のとあるティールームにも入り、夜は以前ご紹介したロンドンのパブにも入っているのですよ。胃袋が一つしかないのであれこれは試せないので、「グレッグとジョルジアが入ったという記述の裏を取れそうな所」を選んで食べていました。それはそれで、普段とは違うグルメが堪能できたのでラッキーでした。

私が一日ツアーをよく利用するのは、時間を節約する、移動が楽、という理由もあるのですけれど、この窓の件のように自分の知識では知り得ないことを教えてもらえるからなのですね。こうして簡単な知識が出来てからネットで調べると、ちゃんと日本語でも情報が得られるのですけれど、そのきっかけの部分に行き当たるのが、偶然に頼っていると遠回りになるのですよね。だから、ツアーも悪いことばかりではないのです。

ただ、私は、ずっと黙って人についていくことが苦手なので、やはり基本は個人で行きたいのですよね。ロンドンでは日本語の一日ツアーもたくさんあるのですけれど、割高なのと、至れり尽くせりすぎなのと、それと日本人同士で固まるのが苦痛なので、みなが放置してくれる英語の一日ツアーに交じって行っています。

コメントありがとうございました。
2019.07.15 20:17 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
わぁーーー ありがとう わざわざ調べていただいたのですね。
新チューリッヒ新聞の 2008年執行の動物保護に関する記事にそれっぽいモノがあったので気になっていたのですよ。
うん 読み間違ってしまったかな 集団生活をする動物について… うん 助かりました ありがとね。
2019.07.16 00:23 | URL | #- [edit]
says...
私もよくロケハンに行きますが、使えるネタは多くないですね。
キャラをここに立たせようとか、この店でこれを食べたり飲んだりさせよう、とか。いろいろ考えて、実際にその場所に行ったり、店で飲食をしたりしますが、そのままお蔵入りというケースがほとんど。って、それ、ただの観光じゃん(笑)

とはいえ、現地に行って実際に目で見たり、五感で感じたことというのは、やはり自信をもって書くことができるので、描写のリアリティには貢献してくれると思いますが。実際には行っていないところを書くのは、そこが難しいですよね。

そして、山西サキさんへのコメ返で触れられていた、ガイドさんからの情報収集の件、まさにおっしゃる通り。バスガイドさんもそうですけど、ほんと、ああいう人たちはいろんな知識や情報を提供してくれますよね。自分で調べたら気づけたかどうか、というものがいっぱいあるので助かりますよね。
2019.07.16 11:18 | URL | #V5TnqLKM [edit]
says...
こんばんは。

調べたといっても徹底的に調べたわけではないので。
https://www.blv.admin.ch/blv/en/home/tiere/tierschutz.html
このサイトが連邦の動物保護に関する記事なので、ここをざっと見ただけです。
ロブスターの屠り方なんてことはあっても、「猫が窓から他の猫を見られるようにすべし」的な記述は見つかりませんでした。
ま、あまり時間をかけていないので、丁寧に探したらあるかもしれません。

このサイトからは法律そのものへのリンクもあるので、探してみたらいかがでしょうか。
私は猫を飼う予定は皆無ですし、そこまでの興味と時間がないのでウゾさんに丸投げです。
NZZを読めるドイツ語力があれば、法律文も楽勝ですよね。私には無理(笑)

再コメントありがとうございました。
2019.07.16 17:55 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんばんは。

そうそう。なんだかんだ言って、最後は観光になってしまうあたり(笑)
たとえばキャラが「はじめて●●へ行った日本人」という設定の場合は、お上りさん丸出しの内容を書いてもいいんですけれど、例えば綾乃にとってのウィーンと、泉美にとってのウィーン、同じようには書けませんよね。でも、ウィーンに行ったらザッハートルテをとりあえず食べてみるロケハン。ロケハンという名の「自分を甘やかす言い訳」だったりして。

今回、バースを舞台にして書いていたときは、さほど不安はなかったんですけれど(少なくとも一度は行ったことがあったし)、やはりオックスフォードがものすごく不安で、それで「行っちゃえ!」と向かったんですよね。実際には「これでロケハンかよ」というぐらいの記述しかないんですけれど、本人にとっての安心感はやはりありますね。

そしてガイドさんの話。
以前は、ゾロゾロついていく観光客に交じるのが嫌いで避けていたのですけれど、国内でも国外でも、やはりガイドさんから得る情報の尊さを知ってからは、頑なになりすぎずに時おり活用させてもらっています。はとバスも、一度乗ったんですけれど「東京にいながらはじめて知ったわ」なんてことも多くて感心しました。それに、プロのガイドさんだけでなく、音声ガイドのついているバスとか、オフ会で某幹事さんが地元民でないと知らないところにご案内くださったりというようなことも、本当にありがたいです。

コメントありがとうございました。
2019.07.16 18:10 | URL | #9yMhI49k [edit]

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