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scribo ergo sum もの書き・八少女 夕のブログ Since March 2012


Posted by 八少女 夕

【小説】あなたを海に沈めたい

「十二ヶ月の歌」の九月分です。なぜ一ヶ月がこんなに早いんだろう……。

「十二ヶ月の歌」はそれぞれ対応する歌があり、それにインスパイアされた小説という形で書いています。九月は加藤登紀子の”難破船”にインスパイアされて書いた作品です。中森明菜が歌ってヒットしましたよね。私にとってもそのイメーシが強いのです。こちらは日本ではとても有名な曲ですので、聴いてみたい方、歌詞を知りたい方はWEBで検索してくださいね。

さて、もちろん原曲は、純粋な失恋の歌なのですけれど、私の中でこんなイメージがいつもつきまとっていました。


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あなたを海に沈めたい
Inspired from "難破船" by 加藤登紀子

 おかしな降り方の雨だった。
「今日降るなんて聞いていないよ!」「傘、もってこなかった」
人々は口々に文句を言いながら通り過ぎた。ぽつりほつりと降っていたのはほんのわずかの間だけで、すぐに熱帯雨林のスコールのような土砂降りになり、庇や地下鉄へと駆け込もうとする人々で街は急に騒がしくなった。

 唯依だけが、恨めしげに天を仰いだだけで、そのまま重い足取りで進んだ。何もかもが上手くいかなくなり、全てが裏目に出た。雨にひどく濡れるくらい、大して違いはない。むしろ、惨めなのは自分だけではないと思えて有難かった。

* * *


 マストはゆっくりと揺れていた。ほとんど無風だ。眩しい光と、たくさんの白が、勝の眼を射た。白い帆、白い船体、白いリクライニングチェア、そして、その上で背中を焼く茉莉奈の白いビキニ。彼は、船内に入り冷えたヴーヴ・クリコの瓶を冷蔵庫から取りだした。ポンと心地のいい音をさせて、コルクは青い大西洋に吸い込まれていった。

 セントジョージを目指すプライヴェート・セーリング。真の勝者だけがエンジョイできる娯楽だ。残業禁止だ、営業成績不振だと締め付けられながら、代わり映えのしない日々をあくせくと働く奴らが、生涯手にすることのできない時間をこうして楽しんでいる。彼は、ジャンペンを冷えたグラスに注ぎ、この幸福を彼にもたらした新妻に渡した。

「ああ、美味しい。ヴーヴ・クリコの味が一番好き。屋内のパーティで飲むのも悪くないけれど、こうして太陽の下で飲むのが一番よね」
茉莉奈は、にっこりと笑った。

「社の飲み会では、乾杯以外ほとんど口をつけなかったから、君はアルコールに弱いんだと思っていたよ」
「私、あの手の安っぽいビール、嫌いなの。そもそも、会社の飲み会なんて全く行きたくなかったわ」
「勤めも社長と会長に言われて、仕方なくだったのかい?」
「まあね」

 茉莉奈が社長の娘であることは、ずっと秘密にされていた。もちろん、どこかのお嬢様に違いないとは、入社してすぐから噂になったけれど。勝は、次期社長の座を狙って茉莉奈に近づいたわけではない。彼を振り向かせようと躍起になったのは彼女の方だった。華のある美人で、スタイルも抜群、しかも将来の出世が約束されているとわかっているのに袖にするほど勝も天邪鬼ではない。

 同期の佐藤が結婚したときにもらった休暇は二週間だった。ハネムーンはハワイで、芋洗いのような混雑したビーチでのスナップ写真を見せられた。勝と茉莉奈は、一ヶ月のハネムーン旅行を大いに楽しむことが出来る。大型セーリングヨットを貸し切り太陽を自分たちだけのものにするのだ。もちろん、帆を張ったり、航路を決めて安全に走行するのは二人のクルーの役目だが。

「経理課や総務課なんて、死んでもごめんよ。あんな地味な制服を着て週の大半を過ごすなんて。あんなつまらない仕事は、地味に働くほかない人がするものよ。……鈴木唯依さんとか」

 勝は眉を寄せた。
「……彼女と知り合いなのか?」

 茉莉奈は意味ありげに笑った。
「知り合いってほどじゃないわ。でも、狙った相手にアタックする前に恋人がいるかリサーチぐらい、誰だってするわよ。もしかして、知られていないと思ってた?」

 勝は、少し慌てた。
「君と二股をかけていたわけじゃない。その……フェードアウトしていた時に、君と知り合ったんだ」

 茉莉奈は、シャンパングラスを傾けて、答えた。
「知ってるわよ。彼女の担当の仕事が忙しくて、ずっと逢えなかったんでしょう? だって、そうなるように板東のおじさまにお願いしたんだもの」
「経理部長に? まさか」

「柿本英子って知ってる? 私の同期。板東のおじさまとつきあっているの。それをパパに告げ口されたら大変だと思ったんじゃないかしら、ちょっと冗談っぽくお願いしただけで、何も訊かずにあの子を仕事漬けにしてくれたわ。でも、誓ってもいいけれど、それ以上のことは何もしていないわよ。だって、一緒にいる時間さえあれば、あなたが私を選んでくれることはわかっていたもの」

 勝は取ってつけたように笑った。
「まったく君には勝てないな。言うとおりさ。僕は君の魅力に抗えなかった」

 油断していたと思った。唯依とつきあっていたことを茉莉奈に知られていたなんて。茉莉奈との二度目のデートにこぎ着け、自分の人生に新たなチャンスが巡ってきたことを確信してすぐに、唯依にメールで別れを告げた。彼女が納得せず大騒ぎになることを怖れていたが、物わかりのいいことが一番の美点だと常々思っていた通り、一度会ってできるだけ誠実に見えるように振る舞ったら、なんとかこじれずに別れることが出来た。

* * *


 熱帯雨林のように不快な湿氣を恨めしく思った。纏わり付き、この身を雁字がらめに捕らえているのは、勝への妄執なのだと思った。忘れることも出来ず、憎むことも出来ず、まだ、どうしようもなく彼を望む心を持て余していた。
 
 だが、今さら何が出来るというのだろう。加藤勝に捨てられてからもう半年以上が経っていたし、彼は会社中の祝福の中で社長令嬢と華燭の宴をあげてしまった。唯依とつきあっていたことすら、会社ではほとんど誰も知らず、興味も持っていない。彼の心も未来も彼女のものなのだ。それを納得できないでいるのは唯依たった一人なのだ。

 二人の女を天秤にかけ自分を捨てていった勝への怒りは、どこかへと押し込められていた。それ以上に、ただ、彼の元へ行き、泣きすがり、抱き留めてもらいたいという願いに支配されていた。

 二人がセーリングヨットを貸し切りにしてハネムーンを過ごしていると聞いたフロリダの海を心に描いた。自分とのハネムーンだったらどんなに素晴らしいことだろう。空を駈け、彼を探して飛び回った。白い大きな帆船。三角の二つのマスト。シャンペングラスを持った勝の姿を目にしたように思った。

 突然立ちくらみがして、唯依はその場にしゃがみ込んだ。

* * *


 突然、バンっという大きな音が頭上から聞こえた。間髪入れずに「きゃっ!」と茉莉奈が叫んだ。リクライニングチェアのすぐ脇に、落ちてきた何かが大きな音を立てた。
「やだっ。何?」

 勝が近寄ると、それは白い鳥だった。わずかにオレンジがかった顔と黒い羽根の先、ピンクのくちばしでびっくりするほど大きい。カモメってこんなに大きかったんだと驚いた。マストにぶつかったのだろうか。片方の翼だけをはためかせて暴れている。茉莉奈が怯えるので、とにかく抑えようと側に寄った。鳥の方は、捕まらないように、もっと大きな音を立てた。

「どうしました」
機関室の裏側で作業をしていたクルー、ラモン・アルバが寄ってきた。

「落ちてきたんだ。マストにぶつかったんじゃないかな」
勝は肩をすくめた。

「あっ。そ、その鳥は……怪我をしているのでは?」
「ああ、片方の翼を動かせないみたいだね。折れちゃったんじゃないかな」

「嫌だわ。早くどけてよ」
茉莉奈は、眉をひそめた。東京でも感染症を引き起こす菌が多いからと鳩の側に行くのを異様に嫌がる彼女が、こんな近くで暴れる野鳥に我慢できるはずはない。

 勝は側にあったクッションを手に取ると、叩くようにしてカモメを船首の脇に追いやった。

「おい! 何をするんだ!」
水夫が怒鳴ったので、勝はむしろ驚いて振り向いた。その勢いで暴れていた哀れな鳥は柵を越えて海へと姿を消してしまった。

 駆け寄ってきたラモンと共に首を伸ばすと、ロープにかろうじて引っかかっていた鳥は次の瞬間に海へと落ちていった。勝は腹に苦い思いがしたが、あえて平静を保って言った。
「かわいそうだが、どっちにしても長くは生きられないさ」

「かわいそうで済むか! 不吉極まりないことをするな」
「なんだって?」

 この男は、やたらと迷信深くて困ると彼は腹の中で呟いた。茉莉奈が船内にバナナを持ち込もうとしたときも「不吉だ」と怒ったし、勝が口笛を吹いたときにもすぐにやめさせた。

「どうしたんですか?!」
機関室から船長デニス・ザルツマンが顔を出した。

「なんでもないよ。カモメが落っこちてきて暴れたから、どけただけさ。海に落っこちてしまったみたいだな。どっちにしても折れた翼じゃ長生きできないだろう」

 ラモン・アルバは青ざめて首を振った。
「違います、船長。あれはカモメなんかじゃない。俺はこの目で見たんだ。アルバロトロスだったんだ!」

 アルバロトロス? なんだ? どの鳥だって、この際どうでもいいだろうに。勝は首を傾げた。

 デニスは、眉をひそめた。
「落ち着くんだ、ラモン。そんなわけないだろう。北大西洋にアホウドリアルバロトロス は生息していない」

「だから、こっちも慌てているんですよ。この俺が、アホウドリがわからないとでも?」
「そうは思わないが……ミスター・カトウ。カモメっておっしゃいましたが、どんな鳥でした?」

「白くて、このくらいの大きさで、顔がオレンジっぽくって、くちばしは淡いピンクだったかな……わざと殺したわけじゃない」
勝が言うと、あきらかに船長の顔色が変わった。
「まさか。……よりにもよって、アホウドリを殺したっていうのか?」

 勝と茉莉奈には、何が何だかわからなかった。まるで死んだのがカモメなら問題ないみたいな言い方だ。まあ、この辺りに生息していない鳥が現れたのは奇妙かもしれないが、たまたま飛んできただけかもしれないのに。

 ラモン・アルバは、震えて今にも泣き出しそうだ。船長は、そんなスペイン人に「しっかりしろ」と言って船内の用事を言いつけた。

 それから小さな声で勝に言った。
「帆船時代、船乗りたちはアホウドリを海で死んだ仲間の生まれ変わりと考え、殺せば呪いがかかると信じていたんですよ。今でももちろんアホウドリを殺すのはタブーです」

 勝はため息をついた。
「時代錯誤な迷信だ。今は、二十一世紀だというのに。大体他にもあの男は、バナナがとうとか、口笛がどうとか……」

 船長は、厳しい目を向けていった。
「つまり、あなたは船に乗るときのタブーをことごとく破り続けているというわけですね。ご自分の国でもそんなことばかりなさっていらっしゃるんですか?」

 勝は、居心地悪そうに視線を落とした。茉莉奈との結婚式は、もちろん大安だったし、スタッフや会社からの参列者にも服装や忌み言葉に氣を付けるよう徹底させた。茉莉奈にとって最高のウェディングになるように心を配ったのだ。

 デニスは、苦々しそうに言った。
「ここバミューダ海域が、他の海よりも危険だという噂は事実ではありません。いわゆるバミューダ・トライアングルで忽然と消えたと喧伝されている幽霊船ストーリーの多くはねつ造です。だが、海そのものが100%安全なわけではありません。私たち船の上で働くものは、常に最善を尽くし安全に旅が終わるように心がけています。その姿勢を馬鹿にするような態度は改めていただきたい」

「ねえ、勝。鳥のことなんかよりも、私、きもち悪い。もっと静かに走るように言ってよ」
茉莉奈の不機嫌な声が聞こえた。船酔いしがちなのだ。

 心なしか先ほどよりも船が大きく揺れている。勝は手すりにつかまった。船長は厳しい顔をして機関室に向かおうとした。

「何か、おかしいのか?」
勝の問いに、彼は行き先を指さした。

 地平線の彼方に、恐ろしい勢いで黒雲が広がっているのが見えた。勝は思わず叫んだ。
「チクショウ! 嵐になりそうじゃないか」
「いい加減にしろ! 海で悪態をつくな! まだわからないのか?!」

「いい加減にするのはどっちだ。こっちは客だぞ。そんなことを言っているヒマがあったら、嵐になる前にセントジョージに到着してみろ」

 デニスは、勝をにらみつけ叫んだ。
「お前らみたいなとことん不吉な客だと知っていたら、載せなかったよ。まさか、この上、誰かの恨みでも買っているんじゃないだろうな。つべこべ言わずに、あの金のかかりそうな女と船室で震えていろ。どんなに立派な船だろうと、どれだけ技術があろうと、嵐が直撃したらこの程度の船はひとたまりもないんだ!」

 おかしな降り方の雨だった。ぽつりほつりと降っていたのはほんのわずかの間だけで、すぐに熱帯雨林のスコールのような土砂降りになった。波はひどく高くなり、80メートルもある船が、木の葉のように上下に揺れた。

 デニスと、船室から出てきて青ざめながら作業をはじめたラモンの様子から、近づいてくる嵐は生命の危険すらある深刻なものだと勝にもわかった。船の揺れはもう立っているのが精一杯になってきた。とにかく茉莉奈を落ち着かせなくては。不安で泣き叫ぶ新妻の腕を取り、這うような形で彼は船室を目指した。

* * *


「どうしました? 大丈夫ですか?」
遠くから声が聞こえる。唯依は、それが自分にかけられていることを認識した。瞼を開けると、数人の親切そうな人たちが囲んでいた。心配そうにのぞき込んでいる。

 唯依は、目を上げた。いつもの通勤路だ。先ほどの雨が嘘のように、雲が消え去り強い陽光が濡れた服をじりじりと温めた。

「なんでもありません。少し立ちくらみがしたんです」
彼女は立ち上がった。

 ここは東京だ。心だけでも大西洋にいる彼を追いかけていけるなんて、そんなことがあるはずはない。彼と一緒に二人でバミューダ海の底へ沈んでしまいたいだなんて、馬鹿げた願いだ。

 思い惑い、半年以上も進む道を見つけられない自分は、難破船のようだと思った。

 だれにも顧みられない、ひとりぼっちの自分でも、人生はまだ続いていく。経理課の仕事は、自分に向いている。彼と社長令嬢の幸せな話を聞くのはつらいけれど、生活のためには黙って働き続けるしかない。もしかしたら、その平凡な日常こそが、自分をどこかの岸辺に連れて行ってくれるのかもしれないと願った。

(初出:2019年9月 書き下ろし)
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Category : 短編小説集・十二ヶ月の歌 2
Tag : 小説 読み切り小説

Comment

says...
夕さんの「そうは問屋が卸さない」が来た~と思っていたら、予想を超えて「せっかく卸してもらった商品、全品返品の憂き目」状態に……と、それはともかく、うううむ。あの唄は、私も中森明菜が歌っている雰囲気が好きでしたので、イメージは彼女の方です。でも、加藤登紀子が歌うのも好き。おときさんの歌う、ちょっとアンニュイな、でも上品なイメージも棄てがたい。でも、これは恨み節になってるから、やっぱり明菜ちゃんに歌ってもらいましょう。

死んだら魂は鳥になって思う人のところに行くといいますが、まさに、一瞬仮死状態になって六条御息所化しちゃったんですかね~。彼女が正気に戻ったから、船は悪夢から解放されるのか、それともこのまま奈落のバミューダの底へ……これを書かないところも夕さんだなぁ。
船乗りが迷信深いというのもあるあるで納得です。常に生死と関わっている人たちは迷信深いんですよね。そして、まぁ、あんまりろくな新婚夫婦でもなさそうなので(あるあるかも)、どっちになっていても仕方がないかぁと言う気もしますが、少なくとも関わりにならずに別の人生を歩いて行って欲しいですね。しかし、ニュースで「行方不明」って聴いたらびびるだろうなぁ。
2019.09.25 09:20 | URL | #nLQskDKw [edit]
says...
執筆、お疲れさまでした。

なんか微妙にタイムリーなタイトルに、イベントコラボ作品かと思ってしまいましたが、『十二か月の歌』シリーズでしたか。ちょっと安心。

さて。
ものわかりがいい人って、じつはそういうふりをしているだけ、ということありますよね。周囲と衝突したくなくて、自分が折れるあるいは身を引くというタイプ。唯依はまさにそういう女性ですが、それだけに内に秘めた情念は強い。
彼女がアルバトロスの姿で遠いバミューダ海まで行ったかどうかはわかりませんが、なにやら源氏物語の六条の御息所をほうふつとさせますね。がまんしてその職場にとどまるより、転職したほうがいいよ。

勝と茉莉奈のクルーザーが、遭難したのか、なんとか港にたどり着いたのか、結末はわかりませんが、あの二人の会話を読むとまったく同情の余地はないですね。まあ、巻き添えをくった二人のクルーが気の毒なので、無事に港に着いていてほしいですが。

ところで、ちかごろ出港した超豪華客船V号は、だれかが起こしたつむじ風で難破したりはしませんよね(笑)
2019.09.25 14:03 | URL | #V5TnqLKM [edit]
says...
こんばんは。

いやあ、これは「問屋が卸ちゃった」ら、まずいでしょう、後味として。全品返品(笑)
そうなんですよね。やはり明菜のイメージ、強いですよね。薄幸感が半端ないというか。
「そんな男、早く忘れちゃいなよ」と言うのは簡単ですけれど、出来ない場合もあるんですよね。

で。これは生霊かもしれないし、全然関係ないただの偶然かもしれない。ただの嵐かもしれないし、アホウドリの呪いかもしれない。
どうとでも取れる書き方にしました。

書き始めたときに、最初は舞台を南アフリカにしようかと思ったんですよ、ほら「さまよえるオランダ人」っぽく。
でも、それだと顧みられない女の情念とはあまり関係のない話になってしまうので、バミューダトライアングルにしよっかな、という安易な設定です。そちらの方が新婚旅行っぽいですしね。

水夫とアホウドリの呪いの話は、最近知ったコールリッジの「老水夫行」から辿って知ったタブーです。それにバナナがダメというのは、命に関わる蜘蛛が隠れていたからみたい。口笛を吹くなとか、聖書の一節を唱えるなとか、いろいろとタブーがあるようですね。

新婚夫婦の方は、助かっても別に心を入れ替えることもないでしょうし、唯依が報われることもとくに想定していないのですけれど、まあ、本当に遭難しちゃったら、後味悪いでしょうね。

コメントありがとうございました。
2019.09.25 20:49 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんばんは。

これ、不可抗力なんですよ。まさかこのタイミングでオフ会豪華客船が出航するとは思わないで、九月分を用意していたんですもの。でも、他のものを書き直す時間もないし、まあ、いいかと。

唯依のような「物わかりのいい女」は、本当に納得しているのではなくて、「よく思ってもらいたい」か「惨めな姿を見せたくない」か、いずれにしても無理をしている事が多いですよね。しかも、私のキャラに多い、「友達と大騒ぎして飲んで忘れちゃうなんて事の出来ない」タイプでした。生き霊か、ただの偶然かはさておき、船が沈んじゃったら彼女にとっても後味悪いでしょうね。

本当にTOM−Fさんの仰る通り、ここは転職が正解でしょう。

二人のクルーは、頑張るでしょうが、さてどうなることやら。
生き残ったら生き残ったで、呪いとタブーの話が船乗りコミュニティで広まりそうですよね。

あ、超豪華客船V号の方は、すごい人たちがバックについているので、生き霊くらいはどってことないでしょうが、なんかアルバート兄ちゃんが乗っていて、あそこで実験しているとか。それはヤバいのでは(笑)

コメントありがとうございました。
2019.09.25 21:07 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
あの二人の不運の続きがもっと見たい欲求に駆られますが、す~っとしました。
別の場所で、雨に濡れる唯依が登場した時には、どう繋がるんだろうと興味深かったです。
いいですね、あの展開大好き。場面が脳内で絵になる。
海の男って本当に縁起担ぎを大事にしますよね。きっと迷信とかそう言うのじゃなくて、海の怖さを誰よりも知ってるから、あらゆることに神経を過敏にしとかなきゃって思いもあるんでしょうね。神への敬意も、その中の大事な要素で。
そこへきてこの罪深い夫婦はそのタブーに触れ、そして蔑ろにしちゃったんだ。
もう、このあとはたっぷり海神の怒りに触れて、一週間は寝込むほどの船酔いをすればいいですw←軽い?
船乗り仲間のTwitterなんかでこの2人の事が悪い意味で話題になって、そのリプライなんかを読みながら、唯依が、あのあと出会った好青年とお茶しながら、眺める……なんてのが、いいなあ。
今回も、楽しかったです。
2019.09.27 03:36 | URL | #GCA3nAmE [edit]
says...
ああ、まあ、なんだろう。
不吉なことってありますよね。
私も職場で3日連続で患者を看取ったら、
神社に行くようにしてます。
別に私のせいで患者が亡くなったわけではないですが。
そういうときは神頼みってことにしておきます。
ゲン担ぎ・・・ではないですが。
そういうのは信じる。
信じる者は救われるってことですね。
2019.09.27 11:39 | URL | #- [edit]
says...
あ~ちょっと茉莉奈の方を心配しちゃいますね。
こんなことを勝ち誇ったように勝に話してしまって、大丈夫かなと・・・。
勝はよくありがちな選択をし、一応悪いとは思いながらなんとか自分を納得させているところに、そのかさぶたををあえて剥がすような言動は止めておいた方がいいと思うんだけどなぁ。
たとえ無事この嵐を乗り切っても上手くいくかどうか・・・。
唯依の打ちひしがれた心の負の領域と、勝の心の中に浮かんでしまった黒い領域が自分達の制御を離れて大きくなり、現実を歪め、思いもよらない不穏な展開を招いてしまっているように思えます。
唯依には立ち直ってほしいと思いますが、この後もたらされるであろう不幸なニュースからは逃れられそうにありません。
不幸の連鎖ってやつですね。

でも一方、勝と茉莉奈はなんとか嵐を逃れて無事港にたどり着き「ひどい嵐だったわ」と嘆きながらも、楽しく新婚旅行を続け、唯依にも新しい恋人が現れ、(例えば親切に声をかけてくれた人たちの中の1人とか)励まされながら徐々に立ち直っていく。というパターンも十分に「あり」と思います。
でもまず転職かな?
唯依はなにも悪くないのに理不尽だとは思いますけれど。
サキはこっちの方を希望しますが、物語としては面白くもなんとも無いなぁ。

落ちてきたアルバトロスがなんとも不気味でした。

あ、ちょっと気になった点を1つだけ「スペイン生まれのこの俺が、アホウドリがわからないとでも?」と言っていますがスペインや欧州にはアホウドリは生息していないんですよね?
2019.09.27 11:41 | URL | #0t8Ai07g [edit]
says...
ひえっ唯依さんの生霊?
それともアホウドリの呪い?
それか読者(作者にも?)好かれてるとは思えないので
そっちの呪いかもです
でもバナナを食べたり口笛を吹いたりは普通にしてしまいそう

生霊だとしたらそれだけ思ってたってことなのかな…
こんな男の人相手に><
2019.09.27 12:39 | URL | #- [edit]
says...
こんばんは。

こんな不誠実な男を想定して作詞したかどうかはわかりませんけれど、私の中ではこんな男のイメージが強いです。
で、別に本当に沈んでくれとは思いませんければ、まあ、勝ち組を誇られたりするとムッとしますよね。他人事にしても。

最初のイメージは折れた翼を広げて落ちていく鳥と、「あなたを海に沈めたい」という歌詞なんですけれど、途中から呪われた難破船のイメージが強くなってしまいました。

「ただの偶然」「呪いなんて迷信」でも片付けられる話ではありますけれど、(もしくは唯依に予知能力みたいなのがあっただけという可能性も)、構成上二つの全く別の場所で起きていることの統合性を出すために「おかしな降り方の雨」を合わせてみました。

いわゆるタブーといわれているものは、本当に根拠のないものもありますけれど、中にはちゃんとした背景があって言い伝えになっている事もあるのですよね。海に「バナナを持ち込むな」なんて「無意味でしょ」と思うけれど、バナナの実によく隠れているという毒蜘蛛のことを、正体は知らないまでも避けるための知恵でもあったといわれると納得します。陸地と違って、ほんのわずかなミスで全滅の危機が簡単に身近になる船上生活は、言い伝えルールを守ることも危機管理なのですよね。

そして自分たちの縁起担ぎには大騒ぎするけれど、他の文化のタブーには無遠慮なタイプは、やはり怒鳴られて当然。引っ込んでいろって事ですよね。まあ、船酔い程度で済めばいいけれど、それだけだったらきっと態度を改めたりしないだろうなあ。残念ながら。

でも、limeさんの発想がいい意味で現代的でにっこりしました。船乗りがTwitterか。うん、今時ならするかもしれないな。船に乗っているときは圏外かもしれませんが。豪華客船のような船ならきっとWifi完備だろうからリアルタイムでTwitterするかも(笑)

コメントありがとうございました。
2019.09.28 10:45 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
おはようございます。

ああ、三日続けてってことも、そりゃありますよね。
想像もしていなかったけれど。
そして、神社に行くのわかります。お祓いというわけでもないでしょうけれど、ご加護が欲しいと思いますものね。

その点は普段は「無神論」と豪語している方でもどこかで何かを信じているのかなとよく思う私です。

コメントありがとうございました。
2019.09.28 10:48 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
おはようございます。

ああ、茉莉奈ですか。この人は上から目線ですから、勝にお灸を据えている感覚でしょう。
どっちにしてもこういうタイプの夫婦は、本当の意味でお互いを思いやるいい夫婦にはならないでしょうね。
どちらも自分にとっての利するもののことしか考えていませんから。
かならずっていうわけではないのですけれど、私の経験上「人も羨むような超豪華で目立つ披露宴」をした夫婦というのはかなりの確率で離婚しています。だから、この件があろうとなかろうと、この夫婦も本当の意味でのハッピーエンドは考えていませんね、私は。

他人事として眺めてみれば、唯依は要するに「男を見る目が皆無」で、さっさと勝なんか忘れるのがベストですけれど、半年も経っているのにまだここまで執着しているということは、転職も含めてさくっと忘れて未来に向かっていけるタイプではないようです。まあ、歌詞を下敷きにしたキャラクターなので私の性質とは違って書くのも若干もどかしかったですが、こうした人間の悲しい性を嗤ったりせずに心を向けていきたいと、常々思っています。

アホウドリが落ちてくる話は、歌詞からの引用です。単に比喩なんでしょうが、それを強引にアホウドリにしたのは嵐と結びつけるためです。本当はただの偶然かもしれませんが。

> あ、ちょっと気になった点を1つだけ「スペイン生まれのこの俺が、アホウドリがわからないとでも?」と言っていますがスペインや欧州にはアホウドリは生息していないんですよね?

あ〜、おっしゃることはもっともですね。
実は、もともとは「世界中の海を航ってきた」が入っていたのですけれど、長くて説明っぽいので最後に切り捨てたんですよ。更にいうと「アホウドリを殺すと呪われる」はもともとヨーロッパ出身船乗りの言い伝えなのです。大航海時代にあちこち航海しているうちに広まったんでしょうね。でも、この台詞をここだけ残すとたしかに論理的ではなかったですね。修正しました。

コメントとご指摘ありがとうございました。
2019.09.28 11:05 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんばんは。

誰かの呪いか、それともただの偶然と自然現象に翻弄されている話なのか……。
その辺の解釈はお任せです!

> でもバナナを食べたり口笛を吹いたりは普通にしてしまいそう

バナナの危険は、今時は少なくなっていると思います。
南米産の毒蜘蛛の危険を避けるための知恵みたいですから。
口笛は、なぜなんでしょうね。

そして、世の中には端から見ると「何でこんなやつを」と呆れるような人が、むしろモテているようです。
なぜなんでしょうね。

わからないことがいっぱいだ。

コメントありがとうございました。
2019.09.28 11:09 | URL | #9yMhI49k [edit]

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