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scribo ergo sum もの書き・八少女 夕のブログ Since March 2012


Posted by 八少女 夕

【小説】豪華客船やりたい放題 - 2 -

大海彩洋さんと、ちゃとら猫マコト幹事で開催中の「【2019オリキャラオフ会】豪華客船の旅」の参加作品の第二回目です。

ようやく本題に入った。こんな感じでストーリーが進みます。というわけで、うちのキャラを書こうとしているみなさま、中身が入れ替わっておりますので、ご注意ください。


オリキャラのオフ会


【2019オリキャラオフ会】豪華客船の旅の募集要項記事(大海彩洋さんのブログ)
私のところのチームの詳細設定/この話をはじめから読む



目が合ったそのときには 3
豪華客船やりたい放題 - 2 -


 俺がお茶会に紛れ込んで美味いものを食うにはどうしたらいいかを考えていると、ドアの前に来ていたブルネットの少女が「ところで」と唐突に話しかけた。げっ。いつの間に。

「あなたは一体だれ? その耳と尻尾は仮装なの?」
どっかで見たような顔の少女だった。俺は、アイドルや二次元の方が好みだったのでガイジンには詳しくないが、この顔にそっくりな女は何度も見たことがある。スーパーモデルってやつ? 名前までは知らないけれど。が、この子は大人びてはいるけれど、絶対に本人じゃないだろう、若すぎる。

 俺がこの妖狐スタイルになって実にラッキーだと思うことの一つに、語学問題がある。学校に通っていたときから、勉強は苦手で英語なんて平均点以上採ったことがない俺だが、この狐耳から聞こえてくる言葉は、全部日本語と同様にわかるのだ。テレビの会話を理解していただけだから、俺が話す言葉もガイジンに通じるかどうかはわからないけれど。

「仮装じゃないさ。本当の耳と尻尾」
言ってみたら、少女は目を丸くした。
「触ってみてもいい?」

 ってことは、俺の言葉も通じているって事だ。へえ、びっくり。
「触ってもいいけどさ、あんた、怖くないのか? 俺が妖怪だったらどうするんだよ」

 少女は首を振った。
「全然怖くないわよ。だって、カーニバルで仮装の子供たちが着るみたいな、ペラペラの服着ているお化けなんているわけないもの。なぜセーラー服にミニスカートを合わせているの? 狐の世界での流行?」

 俺はがっかりした。日本でも放映が始まったばかりの『魔法少女♡ワルキューレ』をガイジンが知っているとは思わないけれど、アニメコスプレについては、海外でももっと市民権を得ていると思ったのにな。でも、確かにこの子が着ている服、めちゃくちゃ高価そうだもんな、化繊の安物コスチュームに憧れるわけないか。

「狐の流行じゃなくて『魔法少女♡ワルキューレ』のコスチュームだよ。あんた、ジャパニーズ・アニメは観ないのか。どこの国から来たんだ? 俺は、日本人で山内拓也って言うんだけどさ」
俺が訊くと、少女はにっこりと笑って握手の手を差し出した。

「はじめまして。私、アンジェリカ・ダ・シウバ。アメリカ人よ。マッテオ伯父さんと一緒に来たの。タクヤは、日本の狐なの? 招待されて一人で来たの?」
「いや。京極髙志っていうヤツが招待状をもらったんだ。俺は面白そうだから来ただけ。俺、どこにでも行けるんだぜ。四角い枠からは出られないんだけどさ」
「ふーん。便利なんだか不便なんだかわからないわね。ところで、どうして男の人みたいな声なの?」
「俺、もともとは男だったんだもの。身体をだれかに取られちゃってさ。まあ、この身体のままでも、そんなに悪くないけどね。お茶会に行けないのが、目下の悩み」

 アンジェリカは、少し思案をしていた。
「お茶会に行けなくて悩んでいるのって、みんなとお茶が飲みたいの?」

「いや、美味いものさえ食えれば、それでいいんだけどさ。でも、ビュッフェのところにいって好きなものを取りに行くとか、そういうことはできないんだ。京極の野郎は、社交で忙しくて、エビピラフとグラタンを取ってきてくれとか、言っても聞いていないと思うし」

 アンジェリカは、頷いた。
「せっかくどこにでも行けるのに、簡単じゃないのね。私はエビピラフなんか食べられなくてもいいから、ちょっとだけでもどこにでも行ける能力が欲しいな。この船の地下に、いろいろと秘密があるんですって。でも、どこにも通路がないんだもの」

 で、俺はひらめいた。
「まじか? だったら、しばらく身体を交換しないか?」
「交換? そんなことできるの?」
「ああ。俺がこの服を脱いで、あんたと目を合わせれば、入れ替わる」

「でも、それで元に戻れなくなったら困るもの」
「この身体になったら四角いところのどこへでも行けるんだぜ。つまり好きなときに俺の前に出てきて目を合わせれば戻れるんだ。もっとも俺、明後日の朝十時までにはどうしてもこの身体に戻って『魔法少女♡ワルキューレ』の第二回放送を観たいんだ。遅くともそれまでにしてくれよ」

 アンジェリカは、少し考えていたが頷いた。
「わかったわ。そうしましょう。でも、私の格好をして、品位の下がるようなことしないでよ」

 俺は、情けなくなった。京極にもいつも叱られっぱなしだけど、こんなガキにまで信用ないなんて。まあ、無理ないけど。

 そういうわけで、俺とアンジェリカは、身体を交換した。アンジェリカに教えてもらった彼女の船室に戻り、お茶会に相応しい服を選ぶことにする。いま着ているクリーム色のワンピースを見るだけで、大金持ちの娘なのは丸わかり。俺、ロリコン趣味はないけど、これだけの美少女の身体でコスプレ、もといファッションショーごっこをするのは悪くない。明後日の十時までの四十時間、楽しく遊ばせてもらうぜ。ついでに好きな食い物たらふく食べるぞ!
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Tag : 小説 連載小説 コラボ オリキャラのオフ会

Comment

says...
更新、おつかれさまでした。

ええ、ええ~っ。
これはまさかの展開。アンジェリカの中身は山内氏ですかぁ。てことは、四角い枠の中に出没する妖狐が、アンジェリカなんですね。
ぐうう、明後日の10時以降に、からませていただくか……。

冗談はさておき、コスプレと食い意地に走りそうな山内氏、アンジェリカの忠告どおり、彼女の品位をだだ下げにしそうな予感。これはひと騒動ありそうですね。マッテオと京極氏が巻き込まれて右往左往させられそうで、わくわくします。

次話を楽しみにしています。
2019.10.06 15:19 | URL | #V5TnqLKM [edit]
says...
更新お疲れ様です。
戻った後に絡ませていただきました。事後報告ですね。
いや、山内さんとは安全面で絡めない。絶対噛み付く。
それはさておき、アンジェリカちゃんが戻ったら、
今度はマッテオさんと入れ替わったりしそうで、
こちらも先が読めない展開ですね。
今回、該当者が若干名いそうですが、山内氏は人間以外とも入れ替われるのでしょうか…

続きを楽しみにさせていただきます。
2019.10.06 16:40 | URL | #yl2HcnkM [edit]
says...
こんばんは。

大丈夫です、皆さんを困らせないように四十時間限定の入り替わりですから。
妖狐、アンジェリカが中身であるときには、かなりマシな服を着て、山内が戻るとまたしょーもないコスプレになる。
声と言語は、双方とも中に入っている人のものになるという設定があります。
つまり、四十時間だけアンジェリカは山内の話す男声の日本語でしゃべります。品位も落としまくるだろうなあ。まだ書いていないけれど。

絡むのは四十時間以内でも、それ以降でも、お好きなようにどうぞ〜。

今回の作品は、この二人の身体交換を軸に書こうと思っています。
ただのお遊び作品なので、まじめに設定を調べたりしなくて大丈夫ですよ!

また次の日曜日に、アップしまーす。
TOM−Fさんの作品も楽しみにしていますね。

コメントありがとうござました。
2019.10.06 17:54 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんばんは。

お、了解しました。
報告は事前にする必要は皆無なので、大丈夫ですよ。

さて、来週の日曜日にアップしますが、アンジェリカはちゃんと保護者マッテオに報告に行きますのであまり混乱は起きない予定です。ご安心くださいませ。

もうひとつ、山内がアンジェリカと入れ替わったことは、真面目な京極を激怒させて締め付けが厳しくなりますので、これからは入れ替わりは起こさなくなると思います。
この設定、妖狐の方が「入り替わろう」と主体的に決めない限りは入れ替わらないのです。
お遊び作品の設定ですので、設定のご都合主義ついてはご理解のほどよろしくお願いします。

そちらの作品もさっそく拝見させていただきますね。

コメントありがとうございました。
2019.10.06 18:43 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
これは… 先が読めない。
中身が変わることにより 声や雰囲気まで変わってしまうのですね うちの方の人形は大混乱かな。
という事は… 日本語を話すアンジェリカ… うちの方の人形 大混乱…
アンジェリカと人形との小さな友情モノを書こうと考えていたのですが これは人形とアンジェリカ
中身山内との お笑いに変更かなぁーー 
次の日曜日に続き更新なのですね 楽しみにしています。
2019.10.07 01:42 | URL | #- [edit]
says...
この状態だと、アンジェリカ(妖狐の)は見ることはできても、干渉することはできないということですよね。
妖狐の優雅なスタイリングも気になりますが、豪華客船の謎がどんなものになるのか楽しみになってきました。
そして山内(アンジェリカの)の、きっととんちんかんな言動に皆が振り回される様子も浮かんできます。
設定もよく考えられていて、入れ替わりに関してはアンジェリカ(妖狐の)がコントロールを握っていますから、アンジェリカが元に戻れなくなるという心配はなさそうですし。
参加されている皆さんそうですが、夕さんもノリノリで書いておられるのが伝わってきますよ。
皆さん勝手にどんどん書いておられますが、いくらなんでもありとはいえ、上手く収まるのかな?
こっちの方も心配(楽しみ!!)になってきました。
2019.10.07 11:32 | URL | #0t8Ai07g [edit]
says...
こんばんは。

大丈夫です、四十時間限定なので、翌々日のお茶会には元に戻っています。
入れ替わっている間には、もしかして妖狐の姿で人形の前に現れているかも。でも、きっと人形やワタリガラスの男にはわかるだろうな。
私の方は、その辺の詳細は書きませんので、どうぞご自由に。

ウゾさんの方も、探偵もどきたちと、人形たちと、両方の動向楽しみにしています。

コメントありがとうございました。
2019.10.07 19:54 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんばんは。

その通りです。アンジェリカにしろ、山内にしろ、妖狐は枠の中から出られないし、さらにいうと子供のアンジェリカは当然ながら、怠惰な山内も豪華客船の謎なんて大きな問題に首を突っ込むことはないです。山内は美味しいものを食べて、さらにいうとちゃんとアニメの放映を観ることができればそっちの方がいいわけですから。

今回のオフ会、謎解きや格好いい展開は、他の皆さんにお任せして、私は徹頭徹尾しょうもないおちゃらけで乗り切る予定です。
事態を収めるつもりも皆無(笑)

そういうわけで、のんびり書いてみたいと思います。って、ちゃんとしたプロットもないんですけれど。
そんなの私だけかしら。

コメントありがとうございました。
2019.10.07 20:17 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
すでに下品になりつつあるけど、大丈夫かな。
ぜったい、マッテオはすぐに気がつくと思うんだけれど、まさか変なのと入れ替わってるとは思わないだろうから、病気かと思っちゃいますよね。でも、これでやりたい放題の舞台は整いましたね~

そうそう、やりたい放題ですから、事態は誰も収拾しないという^^;
今回は、私も浦河の時みたいに丸く収める準備がありませんので、基本は放置プレーです。皆さん、お好きにどうぞ!ってことで……まぁ、船の中にはえらいこっちゃな物や人が乗ってるみたいですが、思い切り遊んでくださって大丈夫なんですよ。
最後の最後に御大には登場頂きますけれど、収まるのかどうなのか。

恐竜のいるところは四角いものはなさそうだけれど、シュレディンガー博士の実験室?は四角いもの、ありそうだなぁ。でも、意識しないと行けないんでしたっけ? 知らぬ間に知らぬところへ行っちゃうってことにはならないのか。それより、この船には放送局もあるのよ。四角いものあるある。

マコトが狐のしっぽ遊びをするにはどうしたらいいのかなぁ。それこそ、シュレディンガー博士が、ねこが鏡の中に入れる装置とか、作ってくれないかな。
2019.10.08 16:26 | URL | #nLQskDKw [edit]
says...
こちらにもありがとうございます。

そうなんですよ、まったく大丈夫じゃありません(笑)

とはいえ、皆さんのところと違って、うちの参加者は全員小人物なんで、たとえ滅茶苦茶やっても被害は大したことないかと。

恐竜のいるところは、あるとしたら入り口のドアくらいかな?
博士のところは猫箱?

しかし、なんかよその方の作品ではどんどんすごいことになっているようですので、御大は眉をしかめていらっしゃるのか、それとも面白がって手を叩いていらっしゃるのか。

さて、次回の更新分にヒントがありますが、マコトが飛びかかりたいなら鏡かな。
ドアはリアルで飛びかかれますが、マコトがあっという間に向こう側に着地して触れないかも。
鏡は、本体ではなくて鏡に映ったマコトがタッチできますね。
でも、山内が戻って化繊を着ているときにして欲しいかも(笑) 
昨日、我が家の近くで猫と遊んでいたら、私の絹のストールをおもちゃと思われてもう少しで大変なとことになるところでした。

コメントありがとうございました。
2019.10.09 20:15 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
そうだった、そう言う登場人物たちだったと思い出しながら楽しんでいます。
もう、設定自体が面白いから、にまにましっぱなしです。
ジョルジアたちの続き読みに来て、こちらに先に感想書いちゃいました。
なんと、こんどはアンジェリカ譲の体を借りちゃったのですね。
拓哉にロリコン趣味がなくてちょっとホッ(笑)
これから何が起こるのか、楽しみです♪
2019.10.10 02:01 | URL | #GCA3nAmE [edit]
says...
こんばんは。

今回もイラスト、お借りしました!
あいかわらず、しょーもない山内と、振り回されている京極が語り手です。

「霧の彼方から」は他のこのシリーズのストーリーと同じく、真面目な筋運びに終始していて、大して「面白い」と思うような要素がないので、こっちではひたすら「くだらないおちゃらけ」で展開して、差をつけられたらなと思っています。

拓也は、オタク全開でしょーもないヤツですが、「ロリコンで悪戯をする」みたいな展開は嫌なので、ファッションショーやコスプレは好きだけれどそれ以上のことはしない、という設定にしてあります。そして、私が食い意地が張っているので、どうしてもそっちに寄ってしまう(笑)

他の方たちの作品のように、ちゃんとした起承転結も立派な設定もありませんので、「しょーがないな」と笑いながらお付き合いくださいませ。(大事なイラストをこんな話にしてしまい、すみません!)

コメントありがとうございました。
2019.10.10 19:36 | URL | #9yMhI49k [edit]

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