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scribo ergo sum もの書き・八少女 夕のブログ Since March 2012


Posted by 八少女 夕

【小説】Usurpador 簒奪者(2)囚われ人の忠告

『Usurpador 簒奪者』の続きです。とはいうものの、前回のシーンからは一度18年先の時点に飛んでいます。前作『Infante 323 黄金の枷 』の主人公だった23が16歳、その弟の24が14歳の時の話です。前作で登場したメネゼス、ジョアナ、アマリアなどの名前が出てきますが、もちろんヒロインのマイアはまだ子供で23との再会は十年後までお預けです。

後半は、前回のシーンよりもさらに過去に遡ります。普段なら二回に分ける長さなのですけれど、この「Usurpador 簒奪者」に関しては長々と連載するつもりはないので、まとめて発表してしまいます。



『Usurpador 簒奪者』を読む「Usurpador 簒奪者」をはじめから読む
あらすじと登場人物





Usurpador 簒奪者(2)囚われ人の忠告

 館の執事であるアントニオ・メネゼスは、珍しく厳しい表情を見せていた。それでも、共に少年を扉の向こうに押し込めたクラウディオのように乱れた服装のまま息をついていたりはしなかった。

 半月ほど前に、ドン・カルルシュとドンナ・マヌエラの三男であるインファンテ324に第二次性徴が認められた。ドラガォンの掟に従い、これまで館の三階、両親の部屋の向かいに自室を持っていた少年は、館の北西翼に位置する特殊居住区に移されることとなった。その居住区は一階から三階までの空間を持ち立派な調度を備えた贅沢な空間だが、二階にある出入り口には鉄製の頑丈な格子が備えられ、一日一度の午餐の時間以外はそこから出ることも許されない幽閉空間だった。

 全ての準備が整い、今日の午餐が終わった時、彼は自室へ戻ることは許されず居住区へと案内された。兄であるインファンテ323は、慣れた様子で自らの居住区へと戻ったが、24はおなじ事を自分も求められていることを理解できなかった。即座に拒否し、丁寧ながらもメネゼスが引かないのを見て取ると、いつもの愛らしい様子で母親に助けを求めた。母親にはどうすることも出来ないことを知ると、当主である父親に涙を流して懇願した。最後は半ば引きずられるように格子の向こうへと連れて行かれた。

 それから、数時間にわたり懇願と、それから怒りの罵声を続けたが、誰も助けに現れることはなかった。500年以上にわたるドラガォンの掟。少なくとも323人の少年たちの懇願が受け入れられたことがないのに、彼だけ例外となることなど、不可能だった。彼は、夕食の用意に入ってこようとした召使いに体当たりをしてその隙に居住区から出ようと試み、アントニオとクラウディオがかなりの力を使って留めなくてはならなかった。

 これまで両親の愛情を受け、どんな我が儘にも耳を傾けてもらえた少年が、突然檻の中に押し込められる立場となったのだ。二年ほど前に既におなじ立場になっていた兄23のことを馬鹿にしてはやし立てていた彼は、時期が来れば自らもおなじ立場になることを知らされていなかった。長兄ドン・アルフォンソが、檻の中に入ることがなかったように、自分もまた常に屋敷の中で王子のごとく扱われて生きるものだと信じ切っていた。

 アントニオは、もう一度格子の出入り口を確かめ、しっかりと鍵がかかっていることを確認した。就寝準備のために三階へと向かうジョアナが静かに通った。彼女と目が合うと、アントニオは呼び止めるように手を挙げた。
「セニョール324の居住区へ明朝の掃除に入るのは?」

「アマリアが当番です」
ジョアナは、答えた。彼は頷いた。若いが落ち着いた娘だ。セニョール324の罵声を聞きながらでも掃除は出来るだろう。

「セニョール324は、納得しておられない。一人で入れば危険を伴うかもしれない。当分クラウディオを連れ、二人で行くように」
ジョアナは黙って頷いた。

 頭を下げてその場を去る時、ジョアナは階段の端に当主ドン・カルルシュが立っているのに氣がついた。彼の顔には苦しみがにじみ出ていた。嫌がる愛しい我が子を、無理に檻の向こうに押し込めなくてはならない自らの立場、何も出来ぬ無力さに苦しんでいることは間違いなかった。

 ジョアナとその後ろに立つアントニオを見るその目は、絶対権力者としての当主のそれではなく、助けを懇願する弱々しいものだ。ここ数年、ようやく当主らしい立ち居振る舞いをするようになった彼が封印したはずの迷いがその視線に見える。ジョアナは、振り返ってアントニオを見た。彼はいつものようにほとんど表情を変えずに佇んでいた。彼女はもう一度頷くと、軽く頭を下げながら当主の横を通り過ぎた。

「セニョール324の居住区への引越は完了しました。現在は、三階でお休みです。お氣持ちを鑑み、セニョール323の時と同様にしばらくは二十四時間体制をとります」

 アントニオ・メネゼスは、感情を排した声色でドン・カルルシュに報告した。ルイスに報告に行かせたのだから、ここでおなじ事を繰り返す必要はなかった。だが、メネゼスの言葉は、当主に決して覆らぬドラガォンの掟を思い起こさせた。彼は恥じたように瞳を落し、低く「ご苦労だった。引き続き頼む」とつぶやき、踵を返した。

* * *


 取り乱してはならない。カルルシュは、自室へと戻りながら考えた。二年前と同じだ。24にも、23と同様に諦めてもらう以外の選択はないのだ。二人を救ってやりたい、あの居住区から出してやりたいという願いを口にすることは、彼には許されていなかった。当主ですらドラガォンの掟からは自由になれないのだ。

 動揺を見せてはいけない。無力な姿を晒し監視人たちと問題を起こせば、黙って全てに耐えているマヌエラをいま以上に苦しめることになる。我が子が苦しみ、歪み、怒りと恨みを募らせていく姿を、見なくてはならない立場に彼女を追い込んだのは自分だ。誰よりも彼女の幸せを願っていたはずなのに。すべての恩讐を越え味方になってくれたたった一人のひとなのに。

 当主の座など欲しくなかった。愛する妻や我が子を苦しめる立場になどなりたくなかった。……それに、ドイスを苦しめたい、出し抜きたいなどと願ったことも一度もなかった。

 彼の心は、四半世紀前に戻っていた。ドイスが、今日閉じ込められた我が子と奇妙なほどよく似た少年が閉じ込められたあの忘れられない年に。

* * *


 前の週におこった騒ぎは、カルルシュをひどく不安にした。親しみを込めてドイスと呼ばれていたインファンテ322に第二次性徴が訪れ、母親である当主夫人ドンナ・ルシアが取り乱して館に緊張が走っていた。何が起こっているのか理解できずに戸惑うカルルシュを、これまでほとんど口をきいたことのなかった男が呼び止めた。その男は、居住区に隔離されていたインファンテだった。

「おい。何をメソメソしてんだ」
インファンテ321、自分の本当の父親だと言われたことがあるが、とてもそんな風には思えなかった。その日も彼は昼間だというのに酔っていた。

「いえ。なんでも……」
彼は足早に通り過ぎようとしたが、21はそれを許さなかった。
「待て。こっちに来い」

「なんでしょうか」
「どうせあのヒステリー女に恨み言でも言われたんだろう。メソメソするな。嘲笑ってやればいいんだ」

「でも、いったい……」
21は、弱々しくみじめで覇氣のない我が子を、淀んだ目で見下ろすと、ろれつの回らない口調で言った。

「いいか。おそらくお前と話すのはこれが最後になるだろう。俺は直にここから移されるんだからな」
「移される?」

「そうだ。インファンテは代替わりし、俺はもう用なしってことさ。だが、俺にはもう一つ大事な役目が残っている。……お前に忠告をすることだ」
「忠告?」

「そうだ。俺は、ペドロとあの女を出し抜いて、俺の種であるお前をプリンシペにした。だが、これで勝負がついた訳じゃないんだ。お前みたいなメソメソしてのっそりした奴なんぞ、あいつらの子は簡単に出し抜ける。いいか。氣を抜くな」

「氣を抜くなって、何に対して?」
「閉じこめられたインファンテは、存在意義を求めてあがくものだ。そして、いずれは俺と同じ結論に辿りつく。自分の遺伝子をドラガォンの五つ星にするのが一番だってな。お前は、プリンシペだが王冠が約束されたわけではない。いいか、油断するな。あいつに王冠を渡してはならない」

「ドイスと僕は何かを奪いあったりしない。彼はいつも親切だ」
「どうかな。これからは違う。違いはどんどん出てくる。そうなったら、お前は俺の言葉を思いだすだろう。お前は愚鈍で体も弱い。だが、お前がすべきことは本来たった一つだ。お前の血脈を繋げ。一刻も早く始めるのだ。あいつが女に興味を持ち出す前に。あの坊やがスマートに求愛をしている間に。女に命令し、寝室に引きずり込め。システムがお前の行動を後押ししてくれる。迷うな。そして、躊躇するな」

 カルルシュは、実父の言葉に嫌悪感を持った。血脈をつなぐと言うことが、具体的に何を意味するのかはよくわかっていないけれど、どんなことであれ誰かに乱暴をしたり、プリンシペの立場を利用して何かを強要したりするようなことをするものかと心の中で呟いた。

* * *


 それなのに、僕は本当に彼のいう通りにしてしまったのだ。ドイスの希望と歓びを横取りし、明るくまっすぐだった彼の瞳の輝きを奪ってしまった。

 カルルシュは、重い足を引きずるように階段を昇る。

 22は閉じ込められることがわかった日に、今日の24のように抵抗したりはしなかった。賢い彼は自分に名前がないことと同じ連番の呼称を持つ21との境遇から既に覚悟していたのだろう。その現実に向き合えなかったのは、むしろ22の実母であるドンナ・ルシアの方だった。

 22に第二次性徴が認められた日から、居住区の準備が整い移されるまでの間にやはり二週間ほどあったが、彼女はヒステリーを起こしたかと思うと、それまではあからさまにしなかったひどい憎しみをカルルシュに向けてきた。カルルシュ自身は、急に口撃されることの意味がわからず戸惑っていたが、22の方は、それで自分の運命がこれまで双子のように過ごしてきたカルルシュと分かたれることを悟ったのだろう。

 ドンナ・ルシアは、ついに踏み越えてはならない線を越えてしまった。誰もが望む結末をもたらすのだという確信に基づき、彼女は彼女にとっての正義を実行しようとした。それを望まないのはインファンテ321とその愚鈍な息子の二人だけのはずだった。けれど、すでに二十四時間の監視が実行されていた館の中で、彼女は計画を成し遂げることができなかった。

 ドンナ・ルシアは、愛する我が子に別れを告げることすら許されなかった。そのまま「ドラガォンの館」から姿を消した。

 母親が急にいなくなってしまった理由を知っていたにもかかわらず、22は決してカルルシュに恨みじみたことを言わなかったし、当主の実子であるにも関わらず檻の中に押し込められることへの不満をカルルシュにぶつけることもなかった。彼は、ただ運命を受け入れ、自分の足で居住区に入り、召使いたちが施錠するのを見つめた。

 以前のようにともに学び、余暇時間を過ごすことはなくなり、午餐や礼拝の時に顔を合わせるだけになったが、22は彼に対する態度を変えなかった。それは、周りの期待に応えられずドン・ペドロの叱責に項垂れる他はないカルルシュにとって、ずっとほぼ唯一の慰めだった。当主にも、《監視人たち》にも、召使いたちにも、助けと慰めと優しさを求められなかったカルルシュにとって、22は唯一の家族であり、友であり、助け手だった。……ずっと後にやってきたマヌエラが22以外にはじめて手を差し伸べてくれるまで。

 けれど、22にとって彼はその様な存在ではなかったのだ。彼は簒奪者で、裏切り者だった。絶望の中でようやく見つけたたった一つの小さな蕾を無残に踏みにじった。誰からも愛され、才能あふれ、高潔な魂を持った一人の男の人生をめちゃくちゃにしてしまった悪魔でしかなかった。

 十三歳だったあの夜に姿を消したドンナ・ルシアの行方をカルルシュが知ったのは、彼女の夫であるドン・ペドロが亡くなり、正式にドラガォンの当主となってからだ。22に既に二十年近く会っていなかった母親と面会させてやりたいというのは、カルルシュらしい甘く感傷的なアイデアだったが、ソアレスはひと言で済ました。
「ドン・ペドロは、あの方の腕輪を外されました」

 カルルシュは項垂れた。彼女は生涯インファンテと会う機会を失っていたのだ。

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Category : 小説・Usurpador 簒奪者
Tag : 小説 連載小説

Comment

says...
更新、お疲れさまでした。

なつかしのレギュラー陣やら、先代にあたる人たちが次々に出てきて、なかなか楽しい回でした。
24の反抗(?)と23の恭順は、らしいなぁという感じですが、22の態度は不気味ですらありますね。彼にとっては、理不尽このうえないことばかりで、とても21やカルルシュを許せないはずなのに。大人しくしているぶんだけ、ダークなものが心の底にどんどん蓄積しているような気がします。
そしてルシアがやろうとしたこと、はっきりとは書かれていませんが、なんとなく想像はできます。そしておそらく21がやったことも。これはとんでもないドロドロ劇ですねぇ。まあ、読者としては、そこが面白いんですけどね(笑)
いろいろ楽しみにしながら、次話をお待ちします。
2020.01.29 13:24 | URL | #V5TnqLKM [edit]
says...
こんばんは。

『Infante 323 黄金の枷 』で、マイアがやって来た頃には、24もすっかり諦めてああなっていましたが、最初の反応はだいたいこんな感じでしょうか。

23も最初はわけがわからなくてショックを受け、自分が嫌われているからだと誤解して落ち込んでいましたよね。で、その頃にマイアと出会い、自分の行動が原因でマイアの家族がひどい目に遭ったとわかってから、大人しくなりました。で、24は自分もそうなるとは夢にも思っていなくて(周りも面倒なことになるのでわざといわなかったのですが)、むしろ23のことを意地悪く囃していたりしたのですが、自分の番になって大ショック、という話でした。

22の方は、この時点ではまだ「よくできた子」でした。
もちろん、思うことはいろいろあっただろうけれど、自分で自分を納得させて、誇り高く立派に振る舞い、カルルシュのことも憎んだり反感を持つこともありませんでした。むしろカルルシュにはどうしようもないことなのに実子でないからと差別する大人げない母親のことを「困った人だ」ぐらいに感じていたフシがあります。それが、あの感じの悪い叔父さんになってしまうまでの事情が、この『Usurpador 簒奪者』のメインストーリーになります。

21が「やった」と自分で言っていることは、本当にそのつもりでやったかどうかは藪の中です。どちらかというといつも酔っ払っていて、一緒にいる女性(アナという名前で『Filigrana 金細工の心』に出てきます)を手荒に扱ったので早めに生まれてしまった……的な。でも、とにかく早い者勝ちなので、この赤ん坊が五つ星になりカルルシュと名付けられたというわけです。

この話、こういう具合であっちでもこっちでもドロドロです。これを読んでから『Infante 323 黄金の枷 』を読むと、マイアのお花畑脳がくっきりとしてきます(笑)

コメントありがとうございました。
2020.01.29 20:57 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
掟、慣習というのですかね。
可愛い子には旅をさせよ~~という言葉もありますが。
そういうことでもないような感じですね。
簒奪者シリーズはいつも読ませていただいてはいるのですが、
どのように解釈してコメントすれば良いか困惑します。
いや、良い意味で。

話がズレますが。
実習で精神科の病棟に行ったことがあります。
隔離病棟もあって、
隔離のドアを開けると襲われそうになったこともありました。
宇宙人に命令されて母親を殺害した~~という精神疾患の患者さんは
50年も隔離病棟にいたのですが、そういう人はどうしたら心が休まるのか。
真面目に考えながら実習をしたことを思い出しました。

2020.01.30 12:40 | URL | #- [edit]
says...
こんばんは。

この話では、絶対に変えられない掟で、慣習というような緩いものではないですね。
この「黄金の枷」シリーズの設定は、完全な私の創作ですが、現実世界にもこういった「なぜだかはわからないけれど、絶対に変えられないこと」があって、その制約の中で苦しんだり希望を見いだしたりする人々のドラマが生まれているものだと思います。
LandMさん の今回の作品の中に出てきた「この仕事では上司の命令が絶対」という話も、「ちょっとぐらい変えてもいいじゃん」と現場ごとに変えられない事ですよね。
私は、現実で実現できないことを、魔法で自由に変えてしまう「こうだといいな」系の小説よりも、現実と同じ限界のある枠組みの中で苦悩したり何かを考えたりするタイプの小説を書きたいので、こういう話が多くなりますね。

さて、事情は違いますけれど、隔離されていた方の話、閉じ込めた方にどんな理由があるにしても、ご本人にとっては理不尽で耐えがたいことでしょうからお氣の毒だと思います。治療によって治る方もいらっしゃいますからメソッドが間違っているということはできないですけれど、五十年もその苦しみから逃れられなかったという話は、本当に痛ましいですよね。

その方に今からでも心の平安があるようにお祈りします。

コメントありがとうございました。
2020.01.31 21:01 | URL | #- [edit]
says...
このドラガォンシステムのせいでいったいどれほどの人が人生を狂わされ、犠牲になってきたのでしょう。このシステムにいったいどれほどの意味があるのかわかりませんが(何かとても高貴な血筋を絶やさないためのシステムということはわかりますが)、このシリーズでこのシステムの無情さが徐々に姿を現し始めたと思います。ある程度はわかっていたつもりだったのですが、あらためて厳しいです。。
いったいどうやってこれだけの組織を運営する資金を調達しているのかわからないのですが、なんだか凄い仕組みが隠れていそうです。
もう誰かが止めようと思ってもシステムが止まることはないのでしょう。おそらく永遠に・・・。
マイアがいかに能天気だったか、今さらながら思います。システムに上手に適応できた珍しい人だったんですね。そして23にとってそれはとっても幸運なことだったと思います。
あ、まだ10年も先のことでしたね。
え?次回は前回よりもっと遡るの?もっとドロドロ?付いていきますとも。
2020.02.01 11:47 | URL | #0t8Ai07g [edit]
says...
こんばんは。

日本は中国近いし、いいマスクを売っているから余計に飛ぶように売れるんでしょうね。
こちらはド田舎なので、アジア人の顔をしていても病原菌扱いされずに普通に暮らせています。都会だと大変な所もあるみたいです。

さて。
このシステムの内容は、『Infante 323 黄金の枷 』または既出の外伝に書いてあった内容以上の新事実はとくにないですけれど、前作ではよくわかっていないマイア視点だったので、こちらの作品で読む方が「厳しいシステムだ」と感じるかもしれませんね。

マイアはシステムに上手に適応したというより、よくわかっていないだけですね。
《星のある子供たち》にももともとドラガォンに近い家柄(たとえばマヌエラの実家)だと、親がそういう教育をしますが、マイアはどちらかというと「ドラガォンの館は、偉い人のいるところで私らシモジモは関係ないし」的な家庭、しかも母親が早くに亡くなってしまったので何も知らない例外的な子でした。
これから、もっといろいろなことを実感することになりますが、そもそもああいう性格なので意外とすんなり受け入れるかもしれません。

今後の話は、マヌエラがドラガォンに勤め始めた頃からをメインに展開します。
そして次に連載予定の『Filigrana 金細工の心』は、『Infante 323 黄金の枷 』の直後くらいの話です。

ドロドロ、今回の二回の話でおそらく予想できる展開ですが、『Filigrana 金細工の心』のドロドロを理解するために、書いておいた方がいいなと思ったストーリーなので、しばらくお付き合いください。

コメントありがとうございました。
2020.02.01 21:08 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
あ~、なるほど。なんかマイアのエピソードでは、このお話の面白いところというのか、勘所が、彼女の性格などに惑わされてぼやけてたんだと、今、納得しました。まぁ、あれは素直に恋愛ものとして読んでも面白かったのですが、あくまでもマイア視点であって、ところどころに大変なエピソードがあっても薄まっていたかもですね。23の方は、おもいおこせば、複雑な感情があれこれ書かれていましたものね。今回は、背景はもっとドロドロである、という部分、夕さんが、がっしり書かれるのか、楽しみになっています。

このお話は、設定ありきなタイプのストーリーなので(私の中では『ダヴィンチコード』か『私を離さないで』と同列)、システムについて云々言うものではないと考えていますが、これが実践されるとなるとやっぱりなかなか厳しい話ですね。もちろん、物語としては、この設定が厳しければ厳しいほど、書き手がどこへ落とすのか、楽しみになるのですけれど😁
実際には何十年前から継ぎ足しで使われてる秘伝のたれの内容はほとんど新しいって話と同様、2000年以上前の血統が純然と維持される訳はないのですけど、そういう科学的なことは、システムを動かす側にはどうでもいいことで、これが維持される事がなによりも優先されるって部分が、ことの大小は別にして、どこにでも転がっているから、おっかなくて身につまされるなぁと思います。
でも、そんな中で、良くも悪くも、みんなそれぞれの立場で必死だったんだろうな。
お花畑脳(失礼😓)のマイアの平和さが、なんか懐かしい😅

電車のなかで慣れないスマホで書いているので、なんか意味不明だったら済みません~!
2020.02.02 08:07 | URL | #nLQskDKw [edit]
says...
こんばんは。

『Infante 323 黄金の枷 』では、設定はあくまで最終シーンを書くための長い前置きみたいなものでしたが、『Usurpador 簒奪者』と『Filigrana 金細工の心』は、お花畑脳のマイアがグルグル、ルンルンしていた裏で、他の人たちが何を考えていたかの開示になります。マイアはわかっていないのでああだったのですが、他の全員はみなわかっているゆえに、もう少し重い感じの話になっています。

このシステムについては「そんなのありえない」とか「止めちゃえばいいのに」とか言っても意味のない話ですね。ムスリムに「豚やワインって美味しいのに」とかユダヤ教の方に「神様何人いてもいいじゃん」と言わないのと同じと言うことで。

でも、記録が残っていないので、彩洋さんが仰有るように、五百年前のインファンテの扱いが今と同じかどうかなんて誰も知らないのですよ。でも、それを証明しても何にもならないですよね。単純に現在の縛りの中で、物語が進んでいくというだけで。竹流が「ごめん、トンズラする」と言えなかったのと同じかも?

電車のスマホで、これだけのコメント、ありがとうございます。書きにくいですよね。
自宅やホテルだったら、音声入力でだーっと書けるけれど、電車は無理(笑)
お忙しいでしょうけれど、ご無理なさらないでくださいね。

コメントありがとうございました。

2020.02.02 20:06 | URL | #9yMhI49k [edit]

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