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scribo ergo sum もの書き・八少女 夕のブログ Since March 2012


Posted by 八少女 夕

【小説】アダムと私の散々な休暇

scriviamo!


「scriviamo! 2020」の第二弾です。ポール・ブリッツさんは掌編でご参加くださいました。ありがとうございます!

 ポールブリッツさんの書いてくださった「わたしの五日間

皆勤してくださっているポール・ブリッツさんは、オリジナル小説と俳句、それに鋭い書評や愛に溢れた映画評論などを書いていらっしゃる創作系ブロガーさんです。お名前の通り、電光石火で掌編を書かれるすごい方です。毎年ポールさんのくださるお題は手加減なしで難しいんですけれど、今年はオーソドックスな難しさですね。

書いてくださった作品、舞台はどこと明記されていませんので、私も「なんとなく」を匂わせつつ、明記はしませんでした。そして、次の舞台にした場所も読む方が読めば「そこでしょ」なのですが、敢えてどことは書きませんでした。すみません、ポールさん、「わたし」の居住地、そんなところにしてしまいました。

この掌編、軽く説明はしていますが、ポールさんの作品と続けて読んでいただくことを想定して書いてあります。


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アダムと私の散々な休暇
——Special thanks to Paul Blitz-san


 荷物を運び込んだポーターが、物欲しげな瞳で微笑んだので、仕方なく一番安い額面のお札を握らせた。自分で持ち運べば、払わずに済んだかもしれないけれど、鳥籠と荷物の両方をもって初めてのホテルで部屋を見つけて、カードキーを上手に使うのは難しい。

 もらうものをもらったので、さっさと踵を返したポーターにアダムがろくでもないことを叫び出す前に、急いで部屋の扉を閉めた。鳥籠を覆っていた布カバーを外すと、彼は「低脳ノ守銭奴メ!」と得意そうに叫んだ。

 私がこのオウムの世話を隣人や友人に頼めないのは、ひとえにアダムの口の悪さが尋常でないからだ。どうやっているのかわからないが、相手をもっともひどくこき下ろす言葉を選んで罵倒する芸当を、この鳥はいつの間にか身につけた。私が教え込んだことがないといくら言っても、きっと誰も信じてくれないだろう。

 アダムは、四年ほど前に当時の恋人に押しつけられた。特別養護施設で大往生した女性が飼っていたとかで、十一歳のオウムが残されたと。施設はその引取り先に困り、とある職員がその弟に泣きついた。「私が飼ってあげたいけれど、鳥アレルギーなんですもの」

 その弟こそが私のかつての恋人で、自宅に引き取ったけれど全く世話はしなかった。それどころか、まもなく他に女を作って逃げていった。残された私は、確かに彼のことを罵っていたけれど、その時に使ったのよりもずっとひどい罵声をアダムがどこで憶えたのか、どう考えてもわからない。

 とはいえ、たかが鳥だ。そんなに長い間のはずはないから、命あるうちは世話をしよう。そう高潔なる決意をして優しく微笑んだらコイツはバタバタと羽ばたきながら甲高く叫んだ。
「生憎ダナ! おうむノ寿命、五十年!」

 一人暮らしの女がペットを飼いだしたらお嫁に行けないと言うけれど、アダムみたいな鳥を飼っていたら、間違いなく恋人なんてできない。部屋まで送ってきてくれた優男が、甘い台詞を囁きいいムードになるとすかさず「ソイツノ腕時計、偽物! 金ナンテナイ!」などと叫ぶのだ。いや、私、金目当てでつきあっているわけじゃないってば。でも、相手は真っ赤になって震え、私の性格と思考回路がどのようなものかを勝手に結論づけて、連絡が途絶えるのだ。

 もしかして、コイツがいる限り、私は独り者ってこと?
「生憎ダナ! おうむノ寿命、五十年!」

 OK、当面ボーイフレンドのゲットは諦めよう。でも、休暇は諦めたくない。誰かにアダムの世話を頼むのは問題がありすぎるので、連れ歩くことになるけれど、それでも自宅にずっといるよりはマシだ。あんなところに冬の間中こもるなんて、死んでも嫌。っていうか、死んじゃう。

 私の住んでいる村は、そびえる雪山の麓にある。夏は涼しく爽やかで、早番の仕事が終わった後にテラスのリクライニングチェアでのんびり日光を楽しむことができる。自転車で森をめぐり辺りの村にいったり、緩やかな山を越えるハイキングも楽しい。肩に載せたアダムが、放牧されている牛や羊、それにリスやイタチに喧嘩を売るのを見るのも微笑ましい。夏は、村そのものがリゾートみたいなものだと思い込むこともできる。

 でも、冬は最悪。日は短いし、暗いし、寒いし、道はツルツルに凍るし。子供の頃に事故を起こしてから、ウィンタースポーツを禁じられてしまった私には、いい事なんて何もない。田舎過ぎてショッピングも楽しめないし。

 スキーリフトもない谷なので、冬は閑古鳥の村で、夜になると通りはゴーストタウンみたいに誰もいなくなる。そんな寒村だから、村で唯一のちゃんとしたホテルは、二ヶ月の長期休暇にして閉めてしまう。私が勤めている安宿は、隙間で稼ぐいい機会だからと開けているけれど、光熱費の無駄だと思う。

 でも、そんな宿にも常連がいる。その一人が、毎年この時期にやってくる外国人で、五泊して行く。村に店はないし、隣村にもスーパーや衣料品店、ガソリンスタンドくらいしかない。面白いものなんて何もないけれど、その客ときたら外出することもなく、部屋でパンとチーズをプランデーで流しこんでいるらしい。ワインじゃないのはなんだと思うけれど、その辺は好き好きだから別にいい。

 ルームサービスで、追加のパンとチーズを持って行くと、とろんとした目で顔を上げる。ブツブツ言っていて、妻がどうとか、終末期医療の看護がこうとか、論文がああとか、私には理解できないことばかり。

 私なら、こんな村、寒くて暗い冬の安宿なんて、一度来れば十分だと思うけれど、なぜかこの客は十五年も通っているらしい。私は去年の夏から雇われているので、この客に逢ったのは初めてだけど。

 十五年って、アダムと一緒、私がアダムと暮らした日々の三倍だ。そんなに長く冬のこんな村に通うなんて、本当にどうかしている。どうかしているといえば、我が家のアダムもその客がいた五日間は、いつもにましてけたたましかった。

 ドクターのくせに教授職に就かないのはいかがなものかとか、著作が一冊もないなんて恥ずかしいとか、意味不明なことをギャーギャーと騒ぐのだ。

「うるさいわね。私は博士号なんて持っていないし、持つつもりもないわよ! 本を書くとしたらイケメン俳優と結婚して、離婚して回想録を書くくらいでしょ。アンタがいたらどうせイケメン俳優と結婚なんてできないんだから、黙りなさいよ!」
仕事から帰って疲れているのに、オウムに理不尽なことで責められるのは勘弁ならない。

「これ以上、意味不明なことをいうと、フライドチキンにしちゃうわよ!」
そういうとアダムはキッと睨み言った。
「オレサマ、鶏ジャナイ!  フライドパロット!」
仰有るとおり。って、オウムに言い負かされてどうする。

 そんなこともあり、イライラと、冬由来の欲求不満が積み重なっていたが、その客がようやく帰ったので、私は休暇を取ることができた。

 もちろん、太陽を求めて南へと旅立つのだ。青い海、白い建物、地中海料理が私を待っている。あ、私とアダムを。

 荷物を解いて、一息ついてから、私はバーでウェルカムドリンクを飲むことにした。ほら、映画ではそういう所にハンサムな御曹司かなんかがいて、恋が始まったりするし。部屋に放置するのもなんなので、アダムの入った鳥籠をもって私はバーに向かった。

 鳥籠を置けるカウンターの一番端に陣取ると、バーテンダーにダイキリを頼んでバーの中を見回した。イチャイチャするハネムーンカップルや、ケチそうな観光客はいるものの、御曹司タイプはみかけない。そうはいかないか。がっかりしていると、アダムがバタバタと羽を動かした。
「犯罪者メ! かくてるニでーとどらっぐ入レタナ!」

 振り向くと、バーテンダーがダイキリのグラスを差し出そうとしているところだった。
「ちょっと! そんな言いがかりをつけるのは止めなさいよ!」

 そして、バーテンダーに「ごめんなさい」と謝って、グラス手を伸ばそうとすると、バーテンダーは少し慌ててグラスを引っ込めた。
「申し訳ありません。今、ハエが飛び込んでしまって、取り替えます」

 私の方からは、ハエは見えなかったけれど、親切な申し出に感謝した。これ以上アダムがろくでもないことを言わないことを祈りつつ。新しく作ってもらったダイキリは美味しかったけれど、周りの観光客に見られているのが恥ずかしくて、まだ見ぬ御曹司の登場を待つこともなくレストランに移動した。

 レストランでは、鳥を連れていることに難色を示されたけれど、交渉してテラス席ならいてもいいと許可をもらった。海に沈む夕陽の見える素晴らしい席で、ラッキーだと思った。ここまで来たんだから、地中海料理を堪能しないと。

 前菜は魚卵をペーストにしたタラモサラダ。羊の内臓などを煮込んだスープ、パツァス。スパイスのきいたミートボールのケフテデス。もうお腹いっぱいだけれど、どうしても食べ高かったブドウの葉っぱでご飯と挽肉を巻いたドルマデス。デザートは胡麻や果物を固めたハルヴァ。アシルティコの白ワインも美味しかったし、ヴィンサントのデザートワインもいい感じ!

「ソンナニ食ウナンテ正氣ノ沙汰ジャナイ!」
アダムの毒舌に「失礼ね、このくらい普通でしょ」と言おうとしたのだけれど、言えなかった。食べ過ぎのせいか、お腹が痛い。っていうか、激痛……。えー、なんで。あまりの痛さに汗が出てきて目の前が暗くなった。

* * *


 目が覚めたら、ベッドの上にいた、白衣の人たちが歩き回っている。首から提げた聴診器を見て、ああ、病院にいるのかと思った。記憶を辿って、あのレストランでお腹が痛くなり、そのまま倒れてしまったのかと思う。

 ここは旅先だったっけと思うと同時に、アダムはどうしたんだろうと考えたが、長く思案する必要はなかった。視界にはいないがけたたましい声が聞こえたからだ。
「イツマデ寝テイルンダ!」

「大丈夫ですか? わたしがわかりますか?」
視線を声のする方に向けると、男がのぞき込んでいた。服装から見ると看護師のようだ。どこかで聴いたような声だ、どこでだったかしら。

「どくたーナラ、本ヲ沢山出版シナサイヨ! 教授二ナリナサイヨ!」
ちょっと待って。またあの戯言が始まった。

「私は博士号なんて持っていないと、言ったでしょう、アダム!」
私が叫び返すと、目の前の看護師は静かに答えた。
「わたしは持っていますよ。あなたは宿屋でも同じ事を訊きましたよね」

 私は、ぼーっとした頭の奥で脳細胞に仕事をしろと叱咤激励し、ようやくこの男が数日前に職場の宿に滞在していたあのブランデーを飲んだくれていた男であることを思い出した。

 それから、別の事も思い出した。専門は終末医療だって答えたよね、この人!
「えええええっ。私、死ぬんですか?」

「人生百年時代! デモ、必ズ百歳ニナルトハ限ラナイ!」
アダム、黙って!

「ご心配なく。人間は例外なくみな死にますから」
淡々と男が答える横から、聴診器をつけた別の男性が遮った。
「こらこら、そんな答え方をしないように。心配しないでください。ここは救急病棟です。氣分はいかがですか」

 どうやら、救急病棟の当番でこの看護師がここにいるらしいとわかったので、ずいぶんと氣分がよくなった。もちろん、すぐには死なないと太鼓判を押してもらったわけではないのだけれど。

「古イおりーぶおいるニアタッタ、間抜ケ。寝テテモ治ルケレド、ココデハ高イ医療費フンダクラレル!」
アダムが、期待を裏切らぬ無礼さで騒ぎ出すと、親切そうな医者の額がひくついた。

「私たちは、医療はビジネスではなく、尊い仕事だと思っていますので、ご心配なく」
そう断言する隣で、看護師の顔が奇妙な具合に歪んだ。

 忙しそうに、医者が退室すると、看護師はかがみ込んで小さな声で言った。
「命拾いしたかもしれないな。ああ言われても不必要な処置をして高額請求できるような、肝っ玉は据わっていないんだ、あのセンセイは」

 私は、ギョッとしてつい数日前まで客だった看護師の顔を見た。
「本当……だったの?」

 彼はウィンクした。
「旅行健康保険は入っている?」
「ええ。っていうか、クレジットカードに付いているの」
「ならいい。確実に払えってもらえると確認できない旅行者は退院させてもらえないしね。ところで……」

 彼は、鳥籠の中のアダムを見て訊いた。
「この鳥は、エスパーかなにかかい?」

 私は、首を傾げた。
「ひどく口の悪いオウムですけれど、エスパーなんてことはないかと……」

 彼は、首を傾げたままだ。
「さっきの言葉、とても偶然と思えなくてね」
「さっきのって、ドクターや教授がどうのこうのって、アレですか?」
「ああ」

 それで思い出した。
「そういえば、我が家で同じようなことを言っていたのは、あなたの滞在中でしたね。でも、勤務先には連れて行きませんでしたから、あなたの言葉をおぼえたってことはあり得ないと思いますけれど」
「それじゃあ、ますます……不思議だな」

 無事に食あたりもおさまり、救急搬送や深夜医療の代金を保険が払うことを確約してくれたので、私とアダムは翌朝にはホテルに戻ってもいいと許可をもらえた。

 私の休暇は一晩を無駄にしただけで済んだし、親切な看護師……不思議な縁もあるお客さんでもある人と知り合えたし、そんなに悪い経験じゃなかったかも。

 私は、鳥籠をもって終末医療セクションに向かい、彼に美辞麗句を尽くしてお礼の言葉を述べた。こういう時に印象をよくしておくと、次に繋がるはずでしょう。毎年あの宿に泊まるくらいだから、私の住む村のことは結構好きなはずだし、これって運命かも。

 そう思っているのに、アダムはあいもかわらず看護師に向かって謎の非難を繰り返している。ちょっと、なんなのよ!

「十五年も聴かずに済んだのに、またこれを繰り返されるのはたまらないな」
小さな声で、看護師は呟いた。

 それで、私は納得した。これって、私のボーイフレンド未満の男性陣を追い払った罵声と同じなんだ。なんなのよ、こんなところに来てまで邪魔するとは。これじゃ、いつになったらボーイフレンドができるやら。

 アダムは、得意げに宣言した。
「生憎ダナ! おうむノ寿命、五十年!」

(初出:2020年2月 書き下ろし)
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Category : scriviamo! 2020
Tag : 小説 読み切り小説 コラボ

Comment

says...
執筆、お疲れさまでした。

ポール・ブリッツさんの作品を先に読んできましたが、例年どおりの難題ですね。あの先どうにもならないじゃん、という状態ですが、八少女夕さんがどのように応えるのかも楽しみながら読ませていただきました。

なるほど、あの人物がこちらのヒロインなんですね。
雪深く娯楽もない山村を抜け出して、南国にバカンスに行きたいというの、うなずけますね。
ポールさんの作品と全然接点がないけど、どうするのかなぁと思ったら、なかなかの力技でした。とはいえ、彼は設定では五十台なかばですから、お相手にはちょっとどうかなぁ……まあ、好みは人それぞれだし、いいか。
で、おうむのアダム。これはなんとも鮮烈なデビューですねぇ。なんだかレギュラー化しそうな存在感です。もはや超能力のレベルですけど、たしかにこんな奴とあと四十年ちかくも一緒にいたら、結婚どころか恋人もできなさそうですね。
2020.02.05 09:14 | URL | #V5TnqLKM [edit]
says...
オウムのアダム、いいキャラですな。長生きしそうだし、どんな所へ持っていってもいい味のバイプレーヤーになりそうで。

それはそうと、なるほど、こういう視点もあったのか、と思いました。わたしがあの話の続きを書くと、閉塞するしかないですが、オウム一匹で変われば変わるものですねえ。

あの男、奥さんが元気で正気なうちに「あなた、大学教授のほうがステキよ」ってひとこといってさえいたら、天職を捨てても大学教授になってたでしょうなあ。奥さんも奥さんで、「こんな素敵な人が顧みられないなんて、くやしい! くやしい!」って思いを黙って十年抱え続けてあんな病気になっちゃったんだと。

ラブラブ夫婦になるしかないようなカップルでもこうなっちゃうんだから、世の中は無常であります。
2020.02.05 10:29 | URL | #0MyT0dLg [edit]
says...
こんばんは。

ポールさんの作品、私、どうやら例の夫婦のお互いへの感情を読み違えていたみたいですが、そうであろうとなかろうと、看護師さんは奥さんの呪縛から自由になるつもりは一向にないようですし、手のつけ用ないですよね。

ということで、こちらは反対にジタバタするキャラクターを書いてみました。
反対ベクトルであることを示すために、わざわざ地中海リゾートに。365日のうち7日しか休まないという、労働基準法を無視しまくった働き方をしている人が、とっくに国家財政破綻しているにもかかわらず多くの国民が50歳定年を要求する「働かない国民」満載の国にいるという皮肉な状態にしてみました。

で、うちの「私」は相手を選んでいる余裕なんてないので、年の差なんて考慮しません(笑)
それに、過去の恋愛相手や、相手の職業などにもこだわらない、ということも大事な要素でした。
いくら愛が燃え上がったとか、イケメンとか、年齢とか、学歴とか、趣味が一致するとか、条件が釣り合っても「これだけは譲れない」ことが合わないと、カップルは上手くいかないというのが私の持論でして、私の読解では、ポールさんのところの二人は「それぞれの譲れないところが絶対に一致しないのだから、さっさと永別できてラッキーのはずなんだけれど、そう簡単に割り切れなくて苦しんでいる主人公」だったんですよね。

その象徴が、「のんびり暮らせるのに、定休も取らずに仕事に明け暮れ、せっかくの休みにつまんない山の中で飲んだくれる、自分自身へのドSが過ぎる十五年」。その正反対のやる氣ゼロの娘を目の前にウロチョロ登場させてみましたが、まあ、目もくれないだろうなと(笑)

一方で、言いたいこともいわずに耐えていて壊れてしまった奥さんや、自責の念やその他の感情を全部自分に向けている看護師と対局の場所にいる存在としてアダムを登場させました。これ、人間のキャラだとシャレになりませんが、何を言ってもオウムですからねぇ。なんだかんだ言って「私」(おそらく名前はエーファだな)も受け入れていますし。

彼女は、おそらくずっと独り者でしょう。でも、合わない相手と暮らすよりは、アダムの方がいいかも。

コメントありがとうございました。
2020.02.05 21:13 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんばんは。

ポールさんのコメントを読んでいて、どうも私はご夫婦の関係を読み違えていたようだなと反省しました。
私の経験や周りの夫婦の観察から日頃思っていることなのですが、相手の職業への不満ばかり言う人は、そもそも相手の本質よりもレッテルを重視しているわけで、認知障害が出たときにはむしろ本人の隠していた本心が出る、つまり奥さんは看護師さんの心よりもレッテルの方を重視する人だった……というように読んだわけです。

一方、看護師さんも、奥さんの本音を知った後も「自分の天職は看護師だ」と断固とした想いを持っていますし、奥さんに言われて大学教授の道を目指したとしても、おそらく後で「私は天職を失ってしまった」と不満を抱えたことと思います。つまり、めくるめく愛があろうと、お互いへの思いやりがあろうと、この二人が一緒にいる限りどちらかが不幸を抱えることになったのだから、早くに永別できたことはラッキー……と思えるようなタイプだったら、あんな極端な生活になったりはしませんよね。

きっと奥さんの不幸な最後ではなく、看護師さんの思考回路そのものが、この方をある種の牢獄に閉じ込めているんだろうなと思います。

私が書いた女は、たぶん、そうした真面目で内側に向いた繊細な感情とはとことん無縁の、適当で図太いタイプです。それに、トラブルメーカーで人の言えないことを言いまくっても誰からも責められない無敵なアダムのコンビ。この女は、懲りないし、一方でずっと独り身確定みたいなものですが、それでいながら結構しあわせな模様。人間はある程度鈍い方が生きやすい……と思いませんか?

もちろん、看護師さんにちょっかいを出しても全く相手にしてもらえないのは、不思議でも何でもありませんよね。

今回も非常に手の出しにくい、難しいお題でしたが、全力でお返しさせていただきました。至らないところがあったかもしれませんが、ご笑納くださいませ。

素晴らしい作品でのご参加、ありがとうございました。

2020.02.05 21:45 | URL | #- [edit]
says...
う~ん、こういう方向へ持って行きますか。
かなりの力技ですが、さすがだなぁ。ポールさんもびっくりされていると思います。
あの閉塞感満載のお話が、彼女とアダムを登場させることによってまったく別世界へ引き込まれ、能天気気味にコミカルに変わっています。2人、いや1人と1羽は名コンビです。
彼女のキャラクターも素敵ですが、アダムのハチャメチャキャラがいいですね。ここでオウムを登場させるとは・・・。好き勝手に喚いてますが、いちいち的を射ていて面白かったです。
彼も状況は変わっていませんが、ちゃんと仕事に復帰しているみたいだし。
サキだったら出口を見つけられず、物語として展開させるのは難しそうです。

夕さんは、ああ仰っているけれど、アダム、ただ単に嫌がらせをしているんじゃなくて、特別な能力で彼女を守っているんじゃないかなぁ・・・なんて思ってしまいました。デートドラッグの件とか・・・。
ほら、口の悪い奴に本当に悪い奴はいないなんて、言ったような言ってないような。
きっと悪い虫が付かないように、彼女に害が及ばないように、彼女を守っているんですよ。
山篭り5日間を15年でしょ?そんなに引きずる彼とのカップリングにも問題があるように思えるし。
きっと、そのうちにアダムがこれまでと違った反応を示す男が現れると思います。それがきっとパートナーです。
グレッグみたいに・・・。
夕さんはきっとスパッと否定されるのでしょうけれど。
2020.02.06 11:14 | URL | #0t8Ai07g [edit]
says...
こんばんは。

というか、こういう風におちゃらける以外にどうしようもないというか……。相変わらずの難問です。

アダムを登場させたのは、的確に話すし、メチャクチャにしてくれるけれと、人間ではないので責任はない、誰も責められないというところでしょうか。「私」は「口の悪いオウム」としか言っていませんが、私が想定しているのはやはりただのオウムではありません。サキさんのご指摘くださったデートドラッグの件や、必要のない高額治療を回避してくれた件なども、単なるペットではなくて人間よりもずっとデキる存在ですね。虫が付かないようにしてくれているのか、それとも個人的に理由があって邪魔しているのか、とくに設定はないのですけれど。

ポールさんのところの看護師さんは、うちの娘などには目もくれないでしょう。なんだか自己完結しているみたいですしね。
奥さんが好きで引きずっているのか、単にそういう性格なのかはあれだけだとちょっとわかりませんが。

うちの「私」にステキな彼が待っていますかねぇ。ジョルジアとグレッグみたいなのもいますけれど、セレスティンみたいに無駄なところを探し回っているのも多いですし。ま、もう出てこないだろうなあ、この一人と一羽(笑)

コメントありがとうございました。

2020.02.06 22:54 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
オウムがエスパーだったなんて
ってことはバーでは危なかったんですね><
そんなことをされるってことは見た目はすごい美人とか
なんでしょうか?

新しい出会いが…でもあったとしても死んだ妻にに申し訳ない
みたいなことになりそうな気もしました
2020.02.07 13:01 | URL | #- [edit]
says...
オウムって結構乱暴で手も早いですよね。爪が痛いし、嘴も鋭いし。
罵るだけで済ませているアダムちゃんは、流石のエスパーとってもお利口!
…ではないですね。

方向の切替がお見事なのは、既に皆様仰っているとおりで、
私から敢えて申し上げることはないのですが。
看護師さんが結構淡々と普通に働いているのが、なんだか凄く腑に落ちました。
どんなに辛くても、苦しいことが有っても、時間はどんどん過ぎていき、
一度日常の波に飲まれてしまうと、結構普通に生活してしまいますね。
勿論、そうは行かないことも多いですが。
15年続けて毎年山に籠もり、過去を見つめる看護師さんは、
何のためにそんなことをしているのか。
色々予想してしまいますが、どの様な理由でもお相手にはお勧めできないのは間違いないと思います。忘れないための純愛でも、割り切れない後悔でも、きっと大変。
そう考えると、邪魔したアダムちゃんはやはり出来るお利口なオウムですね。
ヒロインのお嬢さんも本気で困っていないようですし、ボディーガードにもなるし。
でも、絶対飼いたくない。
たいへん面白かったです。執筆お疲れさまでした。
2020.02.07 20:05 | URL | #yl2HcnkM [edit]
says...
こんばんは。

オウムに関しては、ラッキーなのかアンラッキーなのかは微妙なところですが、少なくとも本人はわかっていないだけで、かなり護ってもらっているみたいですね。

ただし、ぼられたり欺されたりするのは美人とは限りません。むしろ大したことのない人の方が、甘いことを言われ慣れていない分ひっかかるのかも。私のキャラですからね、意味もなく美人設定はないです(笑)

ポールさんとの頃のあの方は、全く周りに目を向ける予定はなさそうですので、ましてやモブキャラとどうにかなるなんてことはないかと。

コメントありがとうございました。
2020.02.07 23:18 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんばんは。

アダムは、頭はいいでしょうね。
でも、それが飼い主にとって幸いかどうかは、この場合微妙です。
でも、いないよりはいた方がいいのかな、きっと。
口は悪いのには辟易しているけれど、それなりにかわいがっているようです。

看護師さん、尋常じゃないなと思うのは、普通の人は週に一度は休むじゃないですか。
ポールさんの記述によると、この人、年に七日しか休んでいないんですよ。
ってことは、つまんない雪山に行く以外はずーっと働いている?!

でも、飲んだくれるのは五日間だけと言うことは、残りの日々は真面目に働いていて、しかも天職だと誇りを持って日々を過ごしているんですよね。だから、働いている間は、すくなくともグルグル考えているのではなく、仕事に集中しているんだと思います。
看護師というのは、対人の仕事ですので、シャットアウトはできないですよね。だから、普通に働いているんだと結論づけてみました。

アダムが邪魔をしなくても、看護師さんにとってのうちの娘はもともと論外、視界にも入っていませんが、まあ、そうでなくても相手は選んでアタックした方がいいですよね。やはり、後々一緒に暮らすことを考えると、繊細なタイプとガサツなタイプは、いろいろと大変でしょうから。

アダム、読んでいるだけならいいけれど、確かに飼うのは絶対に嫌ですよね(笑)

コメントありがとうございました。
2020.02.07 23:28 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
また新たな癖のある生き物が登場しましたね。
最初は、ポールさんの「私」の奥さんが飼っていたオウムだったとか言う落ちが来るのかと思っていたら、他のことにも反応しているので、やっぱり皆さんの仰るとおりエスパー説が有力そうですね。実際になんかすごいことしゃべってるぞっていう鳥がテレビに出てたりしますが、割と脈絡なくしゃべっている印象で、そこを行くとこのアダムは状況把握もできるので、やっぱり亡くなったじいちゃんの化身とか、彼女を守っているように見えておりました。あるいはオウム型AIかもしれませんね。未来からやってきた鳥?
夕さんの「私」のほうも、なんだかんだといいつつ楽しんでいるように見えるのは気のせいかな。というよりも、ま、しょうがないか、ってのを受け入れちゃうタイプでしょうか。

ポールさんの変化球に対しては変化球で返す。これがもう定番になっていますね。
オレ様猫とオレ様オウムの共演が見れる日も近い……かな?
2020.02.12 09:53 | URL | #nLQskDKw [edit]
says...
こんばんは。

人間の発言だと角が立つことでも、オウムなら仕方ない……を狙ってみました。
なんか、私の書くペット類って、ことごとくかわいげがない。なぜだろう(笑)

最初のアイデアでは、奥さんの生まれ変わり的に、奥さんの台詞だけを語る……みたいな感じで、それでアダムは十五歳、ということにしたのですが、それだけだとコメディ色を出すのが難しいので、こうなりました。なんか、邪魔しているようで彼女のためにいい影響を与えているオウム、って感じですかね。AIは考えなかったけれど、それも面白いですね。

うちの、この手の作品のキャラクターは、基本的に「ま、いっか」です。
あまり深く考えていませんね。
ポールさんのところの看護師さんは、おそらく深〜く考えるタイプで、それで生きにくい事に繋がっていると思うんですが、うちのはその正反対で、考えなさすぎ。これまた、アレです。アダムがいなかったら、きっともっと痛い目に遭っています。

ポールさんの作品は、毎年難しいのですけれど、まあ、それは皆さん同じかなあ。別の意味で「どうしたらいいのよ……」な作品をいただきますしねえ。今年のポールさんのは、とっかかりを掴むのが困難でした。

アダムは苦し紛れで作り出したキャラですし、もうでてこないんじゃないでしょうか(笑)

コメントありがとうございました。
2020.02.12 21:42 | URL | #9yMhI49k [edit]

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