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scribo ergo sum もの書き・八少女 夕のブログ Since March 2012


Posted by 八少女 夕

【小説】Fiore di neve

scriviamo!


「scriviamo! 2020」の第八弾です。TOM-Fさんは、『花心一会』の登場人物と私のところのキャラクターとのコラボ作品で参加してくださいました。ありがとうございます!

 TOM−Fさんの書いてくださった『惜春の天花 《scriviamo! 2020》』

TOM-Fさんは、胸キュンのツイッター小説、日本古代史からハイファンタジーまで 幅広い小説を書かれるブログのお友だちです。現在連載中のフィジックス・エンターテイメント『エヴェレットの世界』では、難しい物理学の世界で真実を探るジャーナリストの奮闘を描いていらっしゃいます。

「scriviamo!」には皆勤してくださり、毎回趣向を凝らした名作でご参加くださっています。そして、毎回難しいんだ……。さて今回も名曲にちなんだ作品で、「なごり雪」をテーマにして書いてくださいました。(諸般の事情で、原曲が簡単に連想されないように改稿なさっています)で、私も雪にちなんだ名曲がいいかな……ということで中島美嘉の『雪の華』を選んでみました。ただし、もう一ひねり。イタリア語のカバー曲をモチーフにしたんですよ。

現実の北イタリアでは、現在こんなことはできないのですけれど、こちらは2020年の春ではないということで、ご理解くださいませ。


【参考】
世界が僕たちに不都合ならば
きみの笑顔がみたいから
その色鮮やかなひと口を -3 - 

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Fiore di neve
——Special thanks to Tom-F-san


 ふんわりと、よく見えないほど微かな白い粒が、ガラス窓の向こうに舞った。
「あ……」

 向かいに座るロメオも窓の外を見やる。湖の半ばに浮かぶサン・ジューリオ島が淡く霞んでいく。
「降り出したね」

 予報では昨夜から降るはずだったが、外れたと思っていた。二人とも傘は持っていないが、このくらいの雪ならホテルまで帰るのに問題はないだろう。

 夏には各地からの観光客で賑わうオルタ湖畔にも、この季節にはほとんど外国人の姿は見られない。珠理とロメオは、ミラノの喧噪から逃げだして穏やかな週末を過ごしていた。

 なごり雪……。珠理は、それに類するイタリア語はあったかしらと考えた。

 小さなカフェテリアで、二人はホットチョコレートの湯氣を挟んで座っていた。チョコレートをまるごと溶かしたような濃厚な飲み物を初めて見たとき、珠理は飲み終えられるのか不安になったが、いつの間にか冬になくてはならない風物詩になった。この飲み物もそろそろ季節はずれになる。

 店内には有線放送がかかっていて、一つの歌が終わったところだった。続けて流れてきたのは聞き覚えのある曲だ。イタリアンポップスでありながら、日本を思い出させる曲でもある。

 曲名は『Fiore di neve』。歌っているのはSonohraというグループ名の兄弟だが、中島美嘉の『雪の華』のカバーなのだ。

 ウインドウの向こうに舞っている雪片に合わせてかけたのではないだろうが、三月も半ば過ぎに雪の舞を眺めながらこれを聴くのは不思議な心地がする。

僕の腕の中で、君は花、雪の華のようだった

(Sonohra『Fiore di neve』より)



 おなじ「雪の華」について歌っていても、原曲と違ってこの歌は終わってしまった過去の愛について語りかける。

 イタリア語の言葉の選び方は日本語のそれとは違う。愛するという感情、言葉にするまでに胸の中で反芻する想いも、もしかしたら珠理の慣れているやり方とは違うのかもしれない。

僕らは魂の両輪、鷲の両翼、雪の涙だった。僕らは海の稲妻、二粒のアフリカの真珠、二滴の琥珀だった。僕らは剣のように四本の腕を絡ませた太陽の下に立つ木だった……

(Sonohra『Fiore di neve』より)



 少なくともロメオは、もう少し珠理にとって心地のいい、すなわち、もう少し日常生活に近い言葉を使う人だ。そのことを珠理は強く感じた。

 珠理は、ミラノに住んでいる。ロッコ・ソヴィーノ照明事務所でデザイナーとして働き始めて五年が経っていた。その前にいたドイツでも、そして、ソヴィーノの下で働き始めてからも、決して順調にキャリアを積んだとは言えなかったけれど、なんとかこの地に根を下ろし始めていると感じている。

 そう思えるようになったのは、ロメオがいてくれたからだ。イタリア人男性のイメージからはかけ離れている無口な彼だが、とても細やかに敬意をもって彼女を愛してくれる。珠理はかつて恋人だったオットーの、言動の一致しない不実な態度に傷つき恋愛関係を築くことに絶望していた。その彼女を職業的なコンプレックスも含めてすくい上げてくれたのは、ロメオの口数は少なくとも誠実で芯の通った愛し方だった。

 オットーがしょっちゅう投げてよこした愛の言葉は、ティッシュペーパーを丸めたように身がないものだった。だから、珠理は愛情表現と愛情は比例しないし、たとえ自分の中に確かな想いがあってもそれを表現することが必要だと思えなかった。

 けれど、口数が少ないのと、何も伝えないのは違う。珠理は、ロメオからそれを習った。

 夢破れてイタリアを去った珠理を、ロメオは日本まで追いかけてきてくれた。控えめで無口な彼が、行動だけで伝えてくれた大きなメッセージ。それは、何億もの言葉に勝った。一緒に朝食をとるだけの仲だった二人が、人生のパートナーという別の次元へ移るきっかけとなった出来事だ。

 彼は、それからも空虚な言葉を並べるようなことは決してしなかったけれど、静かに、でも確実に、珠理を大切に思っていることを表現した。言葉ではなくて態度で示すことの方が多かったけれど、その一つ一つが珠理にとっては、命の宿った本当の花のようだった。朝露の中で輝く薔薇のように。それとも真冬に艶やかに花開く椿のように。初夏の訪れに身を震わす花水木のように。

 口にしなければ、身をもって示さなければ、決して伝わらない想いを珠理は少しずつ表現するようになった。それは、彼女がこだわり続けてきた色の重なり、ほんのわずかの違いで表現する色の競演にとても似ていた。絵の具で色を重ねれば、濃くなりやがて黒くなってしまう。けれども、光は重ねれば重ねるほどに明るくなり、やがて白く昇華されていく。この雪片のように。お互いに重ねた愛情が、優しく明るさを増し、やがて純白になるのだ。その考え方は、珠理をとても幸福にした。

 はじめて『Fiore di neve』を聴いて違和感を感じたのは、甘い言葉にむしろ傷つけられていた時期だったからだ。だから彼女は歌詞を素直に受け入れることができなかった。舞台の台詞のように、心とは裏腹の演じられた文言に感じられたのだ。

 けれども、いま耳にする同じ歌をあの頃よりもずっと心地よく感じるのは、寡黙で温かいロメオから贈られた愛情のお陰だ。一つ一つの小さな愛の光線が重なり白く輝いていることを確信できるようになって、珠理は慣れなかった言葉の花束に、素直に耳を傾けられるようになったのだ。

 その一方で、原曲に歌われている素朴な幸福は、向かい合う二人の間にあるホットチョコレートの湯氣のようだ。掴むことは難しいけれど、そこに確実に存在している。温かく懐かしい。こうして眺める雪片は、なんと美しく優しいものなんだろう。

 舞う優しい雪片を眺めながら、何か大切なことを忘れているように思った。この温もりの向こうに、ガラスで隔てられた寒空に何かを置き忘れている。嗚咽を堪えているような、喉に何かが引っかかっているような感覚がする。それはとても遠くて、何がそんな感覚を引き起こすのか、珠理はどうしても思い出せなかった。

「雪に、インスピレーションを刺激された?」
その声に前を見ると、ロメオが優しく笑っていた。それで珠理は、またやってしまったのかと思った。何かを考えていると、つい他のことを忘れてしまうのだ。

「ごめんなさい。この曲や、色の重なりのことを考えていたの」
ロメオは頷いた。

 雪が少し小降りになったので、二人はホテルに戻ることにした。カフェテリアを出る時に、彼がガラス戸を引いて珠理を通してくれながら話を続けた。
「考えていたのは、前に話してくれた、千年前の服のルールのこと?」

 それを聴いて、珠理は驚いた。いつだったか平安時代の襲のことをロメオに説明したのだが、それを憶えていてくれたとは夢にも思わなかった。
「ロメオ、すごいわ。襲の話は、一度しかしなかったわよね」

「うん。でも、君が図鑑で見せてくれたその色の組み合わせ、とても印象に残っているんだ。自然の言葉との組み合わせや、僕たちの慣れている色使いと違う感覚に、君の色使いの原点を見たように感じたから」

 そういえば。珠理は脱いでいるコートを見た。ほとんど白に近い薄ベージュに純白の雪の結晶がふんわりと舞い落ちる。
「これは……『雪の襲』だわ」

 ロメオは首を傾げた。
「うん。雪だね……?」

「ごめんなさい。わかりにくいわよね。白と白を重ねる組み合わせのことを『雪の襲』または『氷の襲』って言うの。平安時代に書かれた長編小説『源氏物語』の中で、我が子の将来を思って別れることになった母親が、悲しみの中でこの組み合わせの衣装を纏っていた印象的なシーンもあるのよ」

「白と白の組み合わせ?」
ロメオは少し驚いたようだった。彼の感覚ではそれは「色の組み合わせ」とは言わないのだろう。単なる同色だから。白だけを纏うのは、イタリア人の彼にとってはおそらくローマ教皇の装いだ。冬や高潔さを伴う母の悲しみとは無縁だろう。親しんできた文化の違いは時に違う感覚を生み出す。

 珠理は、その時ようやく思い出した。色の襲について、こんな風に隣で話を聞いてくれた故郷の青年のことを。あれもまた春、この季節だった。呼び戻せずにもどかしい思いをした記憶が、屏風が開いていくように、鮮やかに珠理の前に現れた。

「雨宮くん……。『紅梅匂』の襲……。雪降る駅……」
何かを告げたがっていた青年の瞳が蘇る。ドイツへの移住を相談したときの彼の答え。いつも優しかった友人が、不意に見せた苛立ち。あれは……なんだったのだろう。

「わからないよ、僕には。どうして、ここではだめなのか。言葉も生活も、なにもかも違うのに、どうしてそんな遠い国に行くのか……」
彼の言葉が心に鮮やかに蘇る。

 珠理は、その青年との思い出をロメオに説明した。
「そんなことを軽々しく相談されても、困らせるだけよね。申し訳のないことをしたわ」

 ロメオは微かに笑って首を振った。
「違うと思うよ、それは」
「違うって?」
「彼は、ただ君に遠くへ行って欲しくなかったんだ、きっと。あの時の僕と同じに」

 珠理は驚いて彼を見た。雨宮君が? そんなこと、あるだろうか。大学の研究室でいつも一緒にいたのに、彼はそんな素振りを全く見せなかった。

 それから、彼の瞳の光を思い出した。珠理が自然の魅せる色の妙に我を忘れてしまった時、彼はいつも珠理を待ってくれていた。我に返り横を見ると、彼は珠理を見ていた。瞳に光を宿して。

 瞳は心を映す窓だ。……それをのぞき込む用意のある者には。あの日、珠理は彼の語らなかった言葉を読み取ることができなかった。今、ロメオの瞳を見つめて彼の想いを理解し、彼の温かい掌に彼女のそれを重ねられるようには。

 彼は、あれからどんな時間を過ごしたのだろうか。彼の心の言葉に応えることのできる誰かと出会い、幸せになったであろうか。そうであって欲しいと、心から願った。

 オルタ・サンジュリオ街の石畳に雪片が舞降り、静かに消えていく。積もることなく、冬は去っていくようだった。

(初出:2020年3月 書き下ろし)

追記



Fiore di neve - Sonohra


雪の華 - 中島美嘉
関連記事 (Category: scriviamo! 2020)
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Category : scriviamo! 2020
Tag : 小説 読み切り小説 コラボ

Comment

says...
執筆、お疲れさまでした。

冒頭やラストが私の作品とお揃いになっていて、ちょっと胸キュンです。
珠理とロメオがカフェから眺める風景の描写、連れ立って歩く街の様子、雪が舞って寒々しいはずなのに、なんだか暖かく感じます。お互いに理解しあっている恋人同士というのは、いいですねぇ。

楽曲の『Fiore di neve』ですが、これはもうカバーじゃなくて、替え歌ですよね。終わってしまった愛ですら、この熱さ。雪も溶けちゃいそうです。
マッテオを見ていてもわかりますけど、イタリアだと愛情表現は盛るのが当たり前って感じなんですね(いや、盛ってなくて、あれで普通なのか?)。日本の男性は、ヤツのみならず、どうもそういうことが苦手ですよね。
ロメオは無口だけど、ちゃんと言うことは言うし、やることはやる(変な意味じゃなく)珠理が鈍感というより、ヤツがふがいないだけですな。
『雪の華』の男性も、ただいっしょにいられたら、みたいなことを思っていますが、思っているだけじゃ伝わりませんよね。

じつはあのお話は、『思いを伝えないとどうなるか』がテーマでした。それにばっちり答えていただき、嬉しいです。
ロメオという理想的なパートナーを得て、幸せな生活と、夢を叶えられる場所をつかんだ珠理。だからこそ、思い出せることもある。ご安心ください、ヤツは某お家元の助言で立ち直って、ささやかに幸せに余生を送る(?)ことになっていますので。

素敵なお返しの掌編を書いて下さって、ありがとうございます。
今年もscriviamo! 楽しませていただきました。また来年も、よろしくお願いします!
2020.03.18 09:42 | URL | #V5TnqLKM [edit]
says...
こんばんは。

そうなんですよ。何年経ってもおんなじこと言ってんのか、この女は! みたいなのを狙ってみました。
そして、ラストもお揃いに。

今回は、歌手繋がりではなくて、雪繋がりで探してみたんですけれど、この歌だけが日本語版とイタリア語版を見つけたのでちょうどいいかなと。でも、本当におっしゃるとおりで、カバーしているのはメロディと題名だけで、後は全くの別物です。
もっとも、あの原曲の詩の世界、たぶんイタリア人には理解できないのかもって思いました。「雪降んないと近づけないってどんな愛よ!」みたいな。

欧米にも口からの出任せみたいな腹立つチャラ男はもちろんいますし、雨宮君も真っ青な「何やってんの」な晩熟男性もいますので、単純な文化の違いだけではないと思うんです。でも、「ペラペラ口にするより黙っている男の方がマシ」的な扱いはないのかなと。どんな形にせよ、伝えないのはしょうがないだろうということですよね。イタリアでも、日本でも。

ロメオはかなり晩熟で、どちらかというとダメなタイプでしたが、マッテオタイプが苦手な珠理だからこそ上手くいったのでしょうね。
そして、おそらく雨宮君とのたった一つの違いは、「伝えないのはダメだ」と理解していた、これに尽きるのかなと思います。
雨宮君は、後には変わったでしょうけれど、珠理といた頃はどちらかというと「悟ってくれ」だと思うんですよね。悟ってくれる女性ならいいのですけれど、珠理みたいな鈍い女性には難易度が高かったということで。珠理は、今ごろ理解しました。

雨宮君、無事に立ち直られるのですね。
あとでお家元のハートをゲット、みたいな三塁サヨナラホームランだといいでしょうけれど、まあ、それはなさそうですよね。
でも、きっと幸せになったということで、よかったよかった。

ことしも素敵な作品でのご参加、ありがとうございました。
来年も(またやる場合は、ですが)どうぞよろしくお願いします!
2020.03.18 21:17 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
>夢破れてイタリアを去った珠理を、ロメオは日本まで追いかけてきてくれた
ありゃりゃ…
ここが雨宮さんとロメオさんの違いなんですね
というか雨宮さんのことは気付いてもいなかっただなんて
二人で研究室に並んでても全然違うこと考えてたんだなあ…
2020.03.21 13:35 | URL | #- [edit]
says...
こんばんは。

あははは、えーと、もともとのカップルオリキャラとゲストキャラって違いかも(笑)

しかし、あれですね。
日本では察しのいい人の方が重宝されるようです。
口下手にもチャンスが回ってくるという意味ではありがたいのですけれど
鈍感だと、話が進まないという弊害はあるみたいですね。

きめ細やかなダメ子さんなら珠理みたいなことはないかもしれませんが
意外なところに「察してくれ」ビームを出している殿方がいるかもしれませんよ。

コメントありがとうございました。
2020.03.21 17:48 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
ロメオ、メディアでみるイタリア人男性のイメージとはちょっと異なる男性ですね。
物静かで誠実で、とっても素敵です。
でも、日本のどこかの雨宮君と違ってちゃんと伝えるべき事を伝えるのは、やはりイタリア人だからなのかな。でもね、いくら伝えようとしてもオットーのようにティッシュペーパーを丸めたような愛の言葉ではねぇ。やっぱり人柄かな。
ロメオの場合、言葉ではなく態度でしたけれどね・・・。でもああいう思い切った行動は度胸が必要なんですよ。もしも・・・とか、ひょっとしたら・・・なんてウジウジしていたらこの展開は全く存在しなかったわけですから。
イタリア人だから、日本人だから、ということではなく、どの民族にも奥手な人は居ると思うんだけど、日本人って男女問わず特に奥ゆかしい人の割合が多いように思います。そして以心伝心に頼りがちです。
でもやはり、どんなに親しくても伝えないと伝わらない。人間エスパーじゃないんだから。これはサキも肝に銘じなければ・・・と思いました。
男と女って想像以上に違っているのですね。民族の違いを越えてロメオに伝わった雨宮の気持ちが、珠理には伝わっていない・・・。最も伝わらないのは異性間の気持ち?
これでなくちゃ物語は始まらないんですけど・・・。

この2人のように穏やかな週末が過ごせる環境が一刻も早く戻ってきますように、サキは祈っています。
2020.03.22 10:34 | URL | #0t8Ai07g [edit]
says...
こんばんは。

そうですね。
日本人にも静かな人もいれば、口から生まれたような人もいるように、イタリア人にもいろいろといるのは確かなのですよ。
実際に、本当に無口なイタリア人、知っていますし。
スイス人でも、女性に上手く近づけなくてずっと独り身という人もいますので、どの国にもいろいろな人がいます。

ただ、日本と一つ大きく違うのは、伝わらなかったとしたら伝えなかった方の問題だってことでしょうね。「察しなかった方に問題がある」という捉え方をするのは日本に特有だと思います。ほら、日本ではいうじゃないですか「KYだよね」みたいに。
「世界が僕たちに不都合ならば」でのロメオは珠理になかなか想いを伝えられませんでしたが、それは伝える努力をしていないからだという自覚を常に持っていたと思います。

しかし、ロメオにわかって珠理にわからなかった、雨宮青年のことは、男女差ではなくて、まあ珠理がいかに鈍いかってことだと思います。
それと同時に、日本って「告白文化」ってものがあるじゃないですか。
「告白をしてOKをもらったら恋人同士」って、あれです。
あれは日本特有の文化なんですよ。欧米系だと「デートのお誘い」→「スキンシップ」→「キス」的に進んでステディになると「家族や友人とお引き合わせ」になるんですけれど、その間に「告白してOKもらう」的なことはある必要がないんですね。もちろん結婚は別です。
で、ロメオとしては「デートのお誘い」をどうしようとグルグルしていた自分の経験から雨宮青年の発言の意図がわかったのですけれど、珠理にしてみれば「あんなに長くいたのに、告白もされなかったけれど?」的な感覚があるのかなと。

現在の北イタリアは週末旅行どころではない行動制限がされていますけれど、この騒ぎが早く終息して、皆が外に出られる幸せを噛みしめられる日々を願っています。

コメントありがとうございました。
2020.03.22 21:25 | URL | #9yMhI49k [edit]

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