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scribo ergo sum もの書き・八少女 夕のブログ Since March 2012


Posted by 八少女 夕

醤油麹入りかえし

今週も食いしん坊の話です。

醤油麹とかえし、作成中

美味しい料理を作る秘訣って、腕ももちろん関係しているのですけれど、食材もとても大事な要素だと思うのですよ。でも、何をどう買うのかはポリシーやら、家計やらとの兼ね合で、いつでも最高のものが手に入るとは限りません。

たとえば私は、食肉、卵、乳性などは極力スイス産のものを買います。EU産の方が安いんですけれど、生産方法が若干動物虐待に近かったり、食の安全性が調べきれなかったりするので、とりあえずスイス産を大前提にしています。すると、とくに肉は、メチャクチャ高くなるんですよ。なので、ステーキやらフィレ肉などはめったに買えない……つまり調理方法での工夫が試されるというわけです。

もともと肉の(野菜もだけれど)味や食感は、日本の企業努力には遠く及ばないので、下処理に時間を掛けます。筋切りしたり、塩や白ワインを揉み込んで寝かせたり、というような一連の手順です。

そして、調味料の方にもけっこう手を掛けて、でも普段の調理には時間がかからないように工夫しているのです。

食材も大事だけれど、調味料の良し悪しって、料理のできにものすごく影響するので、ヨーロッパ産の調味料は可能な限りいいものを用意しています。もちろん、最高級オリーブオイルで揚げ物なんてできないので、使い分けますよ。でも、たとえばお酢などは通常は大量に使うものでもないので、汎用性がありさらにとても美味しくなるホワイトバルサミコ酢を普段使いにしています。

さて、アジア系の味付け(ヨーロッパ風の味付けの隠し味も)で不可欠なのがお醤油なのですけれど、これが問題です。ごま油は、機会があったら都会でお高いのを購入することもしますけれど、お醤油くらいよく使う調味料はそういうわけにはいきません。日本のようにワンランク上のお醤油でもそこら辺のスーパーで手に入る、もしくは通販で買えるならいいのですけれど、ここではそういうわけにはいかないのです。

で、私は、「醤油麹入りかえし」を作って対応しています。やっと本題にたどり着いた……。

「かえし」はご存じのように、「麺つゆのもと」みたいなものです。「かえし」1に対して出汁を3〜4入れると麺つゆになるそうで。で、かえしの原料となる醤油は、スイスのどこでも買えるキッコーマンのごく普通のお醤油でもいいのですけれど、私はもう少し旨味がほしいので醤油麹を混ぜているのです。

醤油麹ももちろん自分で作ります。乾燥麹を一時帰国の時に持ち帰ります。そして、1年に1度くらい仕込むのです。ひたひたになる状態で常温に置き、毎日かき混ぜながら1週間くらい経つと、とてもいい香りがしてきます。もろみのような状態になるのですが、それだと使いにくいので、私は最後にブレンダーで滑らかな半液体ペーストにして保存します。この醤油麹を、かえしづくりで利用するのですね。

かえしを作るには、本来は日本酒やみりんが必要なのですけれど、醤油、白ワイン、砂糖、メープルシロップを混ぜて作ることができます。醤油130cc、醤油麹70cc、白ワイン100cc、メープルシロップ大さじ2、砂糖(私はきび砂糖)大さじ1を中火くらいで熱し、沸騰寸前で止め、瓶に詰めます。上の写真のメープルシロップの空き瓶にちょうどおさまる量になります。埃や虫が入らないようにお茶パックなどでカバーして、1週間くらい寝かせます。それで出来上がり。その後は、普通に蓋をして冷蔵します。

かえしも、醤油麹も、日本だと作成中の腐敗に氣をつけなくてはならないので冷蔵庫で作るもののようですが、私はよくチェックをしながら涼しい時期に常温で作成します。

基本的にレシピに「醤油」だけがあるときも、「醤油とみりん」とあるときも、このかえしで代用します。その他、肉を焼いて、バターとかえしで味付けしても美味しいし、たとえばブラウンソースなどの旨味を増すのにも使います。醤油だけだと、少し塩けが尖っているのですけれど、このかえしだととてもまろやかな味わいになるのです。

写真は、同時に作っていますが、最後の醤油麹をかえし作成で使ったので、同時に醤油麹を仕込んでいる状態で、ふだんは醤油麹が切れたら、それだけ作るんです。
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Comment

says...
わたし、このところ、加工品とかはともかく、自宅で食べるのは国産肉ばかりです。良いですよ、国産肉。まぁ、国産肉とはいっても鹿のジビエなんですがね。よく煮込んでトロトロになった筋肉が好きなので脛とネック、たまに芯玉。害獣駆除の産物なのでお安いです。ネットでグラム100円前後。下手な豚肉牛肉買うより遥かにお安いし、野生の肉は油まみれの養殖肉より健康的です。あとは腕です(笑
2020.09.27 10:50 | URL | #eRuZ.D2c [edit]
says...
こんにちは。

おお、奇遇ですね。うちもつい一昨日鹿肉食べたところですよ。
ただいま、こちらは狩猟シーズンです。
ただ、残念ながら、こちらでは鹿肉はみな食べたいので、日本のようにお買い得な値段では食べられません。
でも、年に1度は旬の味として食べたいです。

コメントありがとうございました。
2020.09.27 17:25 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
基本的にお肉は国産を使ってますけどね。
まあ、味の問題が一番なのですが。
しっかし、スイスだとお醤油は大変なのですね。
こちらだと、麹もお醤油も簡単に手に入りますけど。。。
日本の味を再現する苦労が垣間見えます。

2020.09.28 11:51 | URL | #- [edit]
says...
醤油と白ワインとメープルシロップ
なんだか味の想像ができません
お醤油ケーキみたいな感じがするけど
料理に使うんですね
こっちだとメープルシロップの方が高いので
気にはなったけど真似はできないかもでした
2020.09.28 12:28 | URL | #- [edit]
says...
こんばんは。

日本のお肉は、どれも美味しいですよね。

スイス事情ですが、醤油そのものはどこでも手に入るのです。単に本当に美味しい醤油、製造法にこだわったお醤油などこだわるとなかなか手に入らないと言うだけで。

麹は数年に1度日本で入手して、持ち帰るか送ってもらえばいいだけなので、あまり大変ではないかも。むしろお米などにこだわったりすると大変ですよね。かさばりますしねぇ。

コメントありがとうございました。
2020.09.29 21:57 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんばんは。
お返事遅くなってごめんなさい。

いわゆる日本の味つけって、かなりたくさんの糖分が入っているのですよ。
麺つゆにもお砂糖が入っていますし、お砂糖のほかにみりんも入っています。みりんそのものに甘みがありますからね。

メープルシロップを入れているのはみりんの代用で「お酒と甘み」というパターンがあるからなんです。
白砂糖などだと甘みが鋭りすぎ、反対に黒糖などだと黒蜜っぽい主張が出てきてしまうのですけれど、メーブルシロップだと複雑な感じのまろやかな甘みがいい感じに出るのです。ちなみに私はずっと料理酒の代わりに白ワインで代用していますが、変な味になったことはないです。

日本で作る場合は、「醤油400ml、みりん80ml、砂糖80g」で、できますよ。普通に麺つゆの素です(笑)

コメントありがとうございました。
2020.09.29 22:20 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
インスタントのスパゲティとレトルトカレーで何ら問題なく過ごしている自分には、八少女さんがまぶしくてみていられない(汗)

まあいざとなったらすぐにしょうゆを使った料理に手が届く日本で生活してるからかもしれませんがねえ……。
2020.10.03 04:27 | URL | #0MyT0dLg [edit]
says...
こんにちは。

日本にいたら外食で「美味しくてリーズナブルな和食」にたどり着けますしね。
私も日本にいた頃は、こんなことはしていませんでしたよ、もちろん。
スイスの庶民的なスーパーで入手できる和食は、どう考えても日本人が作っていない感じの製品で、私のようにほぼ洋食で生きている人間はともかく「和食を毎日食べないと死んでしまう」タイプの邦人はかなり苦労しているみたいです。

あと、日本の完成度の高いレトルトカレーは、私にとってはとっておきのご馳走です(笑)
あれは一時帰国の度に買い込み、年に数回、自分の魂を満足させるために1人厳かに食するものです。普段の食事になんて、とんでもない。

コメントありがとうございました。
2020.10.03 10:36 | URL | #9yMhI49k [edit]

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