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Posted by 八少女 夕

【小説】Filigrana 金細工の心(6)インファンテ -2-

『Filigrana 金細工の心』の6回目の後半です。主人公22が「できすぎ坊ちゃん」として生きることをやめ、引きこもりになってしまった日々のことを書いた章です。『Infante 323 黄金の枷 』の主人公23の視点で書かれた外伝『格子の向こうの響き』で、メチャクチャ感じ悪い態度で出てきた当時、彼はこんな状態でした。



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あらすじと登場人物





Filigrana 金細工の心(6)インファンテ -2-

 だが、理想と現実は同じではなかった。彼と入れ違いに居住区を出て、『ガレリア・ド・パリ通りの館』に遷されたインファンテ321とは、その後2度ほどしか会わなかったが、12歳のあの日に告げられたことは、何度も心をよぎった。自らの存在意義について。カルルシュとの立場の違いについて。

 彼は、高潔に、雄々しく生きようと努力した。何が起ころうと、カルルシュに当たったりするものかと。たとえ、やっていることが何の役に立たなくても、自暴自棄になったり、苛立ちを見せたりすることはすまいと。

 彼は、20歳になるまで、表向きはその態度を貫き、父親からも、カルルシュからも、召使いからも、尊敬と愛情を勝ち得たと信じ、心の中の虚しさを押し殺してしっかりと立っていた。その誇りと矜恃は、彼の表面に少しずつ漆喰のように層を作り、鎧となり彼自身を支えていた。

 音楽は、彼の心に翼を与えた。音色は、ドラガォンの宿命とは一切無縁なものとして彼の心を解放した。ピアノとヴァイオリンの音色は、彼の心の悩みや苦しみの細やかな襞までをも隠さずに、館の中を自由に駆け巡った。彼は、そうやって存在しない者として生きることを受け入れようとした。

 そして、彼はマヌエラに出会った。

 栗色に近い落ち着きのある金髪、明るい灰色の瞳、利発で優しい印象の微笑み。彼がそれまで夢想した、いかなる空想上の女神よりも美しい女性だった。そして、彼女は聡かった。その柔らかい印象に反して、自らの足で立ち人生の舵をとり、前進していくことを望む強い人だった。彼の魂に触れ、その高潔さをたたえ、さらに押さえつけている虚しさを理解し、彼の心の叫びである音色を聴き取る感性も持っていた。

 初めての恋に彼は夢中になった。そして、彼女と生きることが、理不尽な運命への埋め合わせとして天から与えられた人生の最後のピースなのだと思った。

 暖かい愛と知的な語らいのある生活、これまでに手にしたことのない満足があれば、彼は名もなく、名声も得られず、自らは何の決定も下すことのできない人生であっても、カルルシュのもとにあるドラガォンを支える存在しない1人として捧げることができると思った。もしかしたら、2人の愛の中で生まれてくる子供が、やがてドラガォンを率いていく存在になるのならば、その未来のために尽くすことも悪くないと思えた。それは、私情を滅しシステムのためにひたすら尽くす当主として生きる厳格な父親の意にも沿うのだと。

 だが、例の宣告が、全てを変えてしまった。彼を支え続けてきた理想のインファンテの石膏をも崩壊させてしまった。

 母親の体から出てくるまでの数日の違いで、彼の願う全てを手にしたカルルシュが、マヌエラをも横取りした。ドラガォンの掟を盾に、システムの厳格な運用を悪用して、彼女の心を得る努力もしないで。そのずるいやり方を、父親やシステムだけでなく、マヌエラ自身までが肯定した。

 憤りと嫉妬と憎しみに支配され、彼ではなくカルルシュに味方した全ての人間を恨み拒絶した。それは例外なく、彼の周りの全ての人間だった。『ドラガォンの館』には、システムよりも彼を優先してくれる、肉親も恋人も友人も、ただの一人もいなかったのだ。

 彼のそれまでの蓄積した想い、自分の中にあった不満と怒りは、溶岩のように流れ出て留まるところを知らなかった。

 彼は、それまで進んで被っていた全ての仮面を脱ぎ去った。彼はもう、理想のインファンテを演じることができなかった。システムへの復讐のため、システムにとって好ましくない態度をとり続けた。

 正餐には顔を出さず、父親やカルルシュ、そして《監視人たち》中枢部の黒服たちを無視し、誰かを選んで《星のある子供たち》の父親となることも拒んだ。文句を言われないよう、『バルセロスの雄鶏』を彩色する作業だけはこなし、居住区内に用意される食事を食べ、音楽を奏で、本を読み、ひとり日々を過ごした。

 そうやって月日が流れ、彼は結局思い知ることになった。彼が背を向けても、ドラガォンのシステムには何の影響もなかった。彼が支えなくても、父親ドン・ペドロの当主時代は当然のこと、その死後、カルルシュが当主になった後も、何ひとつ不都合がなかったのだ。

 カルルシュが当主になった時に、大きな混乱が起こるだろうと思っていた。無能で、優柔不断、虚弱なカルルシュに当主の役目がまともに務まるはずはないと、彼は思っていた。カルルシュを見下す母親ドンナ・ルシアに嫌悪感を持っていたはずなのに、彼自身が同じことを感じていたのだ。

 だが、ドラガォンは、ドン・ペドロがいた時と変わらずに存在した。以前から誰も彼には中枢で何が起こっているかを知らせてはくれなかったが、代替わりしてからもそれは同じだった。ひときわ優秀なマヌエラとアントニオ・メネゼスがカルルシュを助けていることは予想できた。それがわかっていても、何の問題も起こらないこと、「もし当主が彼でなければ」という反応が全く感じられないことに、密かに傷ついていた。

 時は過ぎた。もう誰も彼に何ひとつ期待をしなくなった。正餐のテーブルにつかなくなった彼の存在は、やがて忘れ去られた。ドン・ペドロの空いた席にはカルルシュが座り、やがて当主夫妻の4人の子供たちがそのテーブルを埋めた。新しく勤め始めた召使いたちは、かつての『理想的なインファンテ』を知らない。無表情に彼の居住区の掃除をし、1人で食べるテーブルの用意と給仕だけをする存在になった。

 彼は、自分で閉じこもったとはいえ、ひどい疎外感に苦しんだ。父親も、他の誰もが、背を向けた彼を責めもしなければ、困った様子もなく、何ひとつ彼に願ってこなかった。虚弱体質のはずのカルルシュが、当主としての務めを果たしただけでなく、4人もの子供をこの世に送り出したからだ。彼は、インファンテ321が言った「たった1つの存在意義」すら放棄した。それが、彼自身を蝕むとも思い至らずに。

 彼は、彼自身の行為で、当主のスペアから、生まれてくる必要すらなかった者に成り下がってしまった。

 瞳を閉じて、彼はひとり言をつぶやいた。カルルシュに全てを奪われたわけではない。初めから、彼など存在してもしなくても同じだったのだと。
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Category : 小説・Filigrana 金細工の心
Tag : 小説 連載小説

Comment

says...
更新、お疲れさまでした。

そっか、いい子でいようと無理を重ねた反動が、どかんと出てしまったというわけですか。しかも、すべてを否定する方向に、全力で突っ走ってしまったんですね。
たらればを言ってもしかたないけど、マヌエラと一緒になれていたら、22が思っているように、すべてを諦めて穏やかな暮らしができていたんでしょうかねぇ。むしろ、現状への不満が爆発して、マヌエラを巻き込んで大事件になっていたんじゃないかと想像してしまいました。
後半の様子を見るに、22は、拗ねて閉じこもったら、もしかしたら誰かが救いの手を差し伸べてくれるか、逆に助けを求めてくるとでも思っていたんですかね。でも結局、それも裏目に出てしまって、いまさら振り上げた拳は下ろせないし、拗ね続けるしかないみたいな感じになってますね。もともと評価の高かった人だから、適当に遊んで鬱憤をはらすとかして、自分の評価も下げたくないんだろうし。
ここから22がどんな変遷をたどっていくのか、次話以降が楽しみになってきました。
2020.11.04 07:32 | URL | #V5TnqLKM [edit]
says...
こんにちは。

そうなんです。
そもそも、完璧ないい子なんているわけないし、胡散臭いですよね。
この人の場合は、けっこう理想主義な子供でしたが、実際に体験してみたらキツかった……というところでしょうか。
で、それでも無理してやせ我慢をしていた時に、カルルシュがあんなことをしてしまったので激おこになったのですね。
でも、きっとそれだけだったなら、こじれ具合ももう少し少なかったと思うのです。
でも、この状況になって、ようやく自分には誰もいないということに直面させられてしまったのですね。

館から一歩も出たことがないので、友だちなんていません。
下々の召使いにとっては、もちろん当主や中枢部の意向に反してまで彼の味方をしてくれる人なんていませんし、上の方はドラガォンの掟に反するようなことは誰もしません。しかも、当事者のマヌエラだって、無理矢理ではなくて進んであっち方に与しているわけですから。

たぶん、彼は、誰かが状況を変えてくれるなんてことまでは期待していなかったと思います。ドラガォンの掟はずっとたたき込まれてきていますし。ただ、たったひとりでも心情的に彼に寄り添ってくれる人間がいたら、彼があそこまで意固地になることはなかったのかも、という話ですよね。それと、せめて誰かが自分を必要としているということを感じられたら、それでプライドが救われたのかもしれません。でも、そもそもドラガォンって、ヘボ当主でもなんとかなるように《監視人たち》中枢組織がガッチリ固めているんで、引きこもりインファンテの出る幕なんか全くないんですよね。

適当に鬱憤を晴らそうにも、カルルシュの父親21みたいにはなるものかとずっと思ってきたせいで、そちらもできない。結局、ピアノとヴァイオリン弾きまくるくらいしかやることがなかったという。

TOM−Fさんがおっしゃるように、マヌエラと一緒になって、大人しくしていたかどうかも、わかりません。ただ、先にこっちに子供ができていたら、喜んで英才教育に手を貸したりして、我が子を自分の理想の傀儡に……みたいな展開はあったかも。それはそれで、そうは問屋が卸さないみたいなストーリーもありそうですけれど。きっと過去には、そういうインファンテのカップルもいたと思うんですよね。

さて、次回以降は、ようやく現実の話に戻ってきます。っていうか、次回の話が本来の第1話だったんですけれど。前置きがこんなに長くなってしまいました。

コメントありがとうございました。
2020.11.04 11:37 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
理不尽な運命を感じている時ほど
恋愛や音楽に重みを増す・・・ような感じもします。
まあ、私はこの物語ほど理不尽な運命を過ごしてないですが(笑)。
それでも、職場で働いていると、
理不尽な運命を過ごされた患者はやっぱりいるわけで。
そういう人にとってはやはり音楽や恋愛は代えがたい救いになるのでしょうね。


読んでいて思い出したのは。
暴力を受けていた旦那から逃げ出して、
そのまま一人で過ごしていた御婆ちゃんでしたね。
その患者さんは旦那から着の身着のまま逃げたので、
子どもたちとも40年以上出会ってなくて、
旦那から逃げた後はずっと一人で身よりもなく過ごしていたんですよね。
保証人もいない、家族もいない。
運ばれてきたときには結構末期。どうするんだよ。。。
って感じから始まったんですけど。
病院と警察という公権力を使って、40年以上会ってなかった子どもを見つけ、
なんとか御婆ちゃんと面会させることが出来て、とても喜んでいて、気が抜けたのか、
その1週間後に亡くなったのですが。。。
理不尽な運命でも救いはある・・・ということですかね。

変なお話すいません。
こういう話を読むと、色々な境遇の患者さん(特に理不尽に過ごされた人)を
思い出しますね。
2020.11.05 01:55 | URL | #- [edit]
says...
こんばんは。

とてもお気の毒な方で、お話を聞くだけでも心が痛みます。
もちろん医療機関の方としては、治療に力をお尽くしになったでしょうが、できるのはそこまでで、その方の不幸をどうにかして差し上げることは難しいことですし。
でも、お子さんたちと再会できたのは、みなさんのご助力があってのことだから、何かはできたってことなんでしょうね。

大変な一生だったでしょうけれど、せめてお子さんたちとの再会が、少しでも救いとなったことを願っています。

コメントありがとうございました。
2020.11.05 22:18 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
箱入り坊ちゃんの初恋、だったのかぁ。そうですよね、それまで外の世界を全く知らずにピュアに生きてきたんですよね。ピュアというのは、別の方向から見たら頑なだったりするし、自分以外の人間に対してもそのピュアさとか厳格さを求めてしまいますよね。自分がこうなのだから、当然、他人も、特に自分の身近な人間も同じであるべきだって。
そうそう、この回を読んで、もし、マヌエラともしも上手くいっていたとしても、いつか破綻したかもって思えてしまいました。マヌエラの方は人間も社会もそんなにパキパキと割り切れる物じゃないと分かっていると思いますし。

でも、だんだんひねくれていく彼の気持ちも分かるような気がします。というのか、自分がどんなに頑張っていても、その人でなければ出来ないなんて仕事も立場も、本当のところはないんですよね。かけがえのない自分でいたいってオンリーワンを目指しても、実はたいしたことは無くて。
器・システムじゃなくて、ソフトや人が大事と言いたいところですが、そうでも無いんだなぁって、この頃しみじみ思います。若いときはオンリーワン目指して頑張る。その理想は大事で、実際に「もともと特別なオンリーワン」って面もあるんだけれど、結果的には、年取って、自分って所詮こんなものだったのね、私の代わりなんていくらでもいる、でも、世の中それでいいんだって開き直れるようになっていく。でも、それは色々変化に富んだ経験を積み重ねるからこそ、「こんな程度の自分」に気がついて納得がいくようになるんだけれど、このがんじがらめの変化のない環境では自分の考えを変えていく経験は積めそうにないですものね。

ただ、同じ環境下であっても、長い歴史の中では、色んな反応をするインファンテがいたんでしょうね。ハッピーに生きることが出来るかどうか、ありきたりだけど、考え方ひとつ、なんでしょうかね。21には申し訳ないけれど、興味深いなぁと思ったのでした。
続き、楽しみに待っています(*^_^*)
2020.11.06 15:57 | URL | #nLQskDKw [edit]
says...
こんばんは。

そうです。この設定でなければ、さすがに初恋やら恋愛経歴などはもう少し豊かに設定しますが、友だちすらいない設定ですから。23もそうでしたけれど、堅物ほど「下手に手を出すとどうなるか」も知っているだけ自制してしまうでしょうし、だいたい22は理想主義なので、要するに頭でっかちでまともな恋もしたことがなかったという設定です。ま、カルルシュも同じでしたけれど。

実際に、そんな高潔になんて生きられるはずはないんですよ。21や、それから彩洋さんもご存じのナンバリング・ピアニストみたいなのは特殊ですけれど、多少ちゃらんぽらんの方が人生は折れずに進んでいきますよね。

それに、「自分がいなければどうにもならない世界」なんてものはどこにもないのですよね。
だって、自分が生まれてくる前も、死んだ後も世界は普通に存在するわけですし。「オンリーワン」でありたかったのに、「スペア」ですらなかったことに、傷ついていたんですけれど、じつは腫れ物に触っている周りは、そこまでは分かっていなかったのかも。ま、分かっていてもどうしようもなかったというのもありますよね。

22はおバカではないので、途中でそれに氣がついたのでしょうけれど、その時にはもう遅くて結局ひとりで引きこもる他はなくなってしまったという感じでしょうか。

ただ、やはり人間にとって、最重要でないにしても、何らかの形で必要とされていると感じられることって、大きな生きる力になるんじゃないかなと思うんですよね。彼が後々、ライサの治療に「渋々」というポーズを見せつつも、けっこう簡単に協力したのは、その辺をこの辺りの経験でよく分かっていたからというのもあるかもしれません。

この作品の設定を考えた時に、最初に作り上げたインファンテが23、それから対比として24ができたのですけれど、「きっとそういうのだけじゃなくて、ちゃらんぽらんもいただろうし、ヤな方に暴走したのもいただろうし、やせ我慢もいただろうな」といろいろと想像をめぐらしていました。もっと上の代もいろいろと考えたらおもしろいだろうなと思っています。ま、またそのうちに(笑)

コメントありがとうございました。
2020.11.07 00:15 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
存在していない人に存在意義を持たせる行為というのは、所詮意味のないことだったということなのでしょうか。
彼がこれにこだわっているうちに、問題を抱えながらも、本命が着々と任務をこなしてしまえば、それはいっそう意味のない行為になってしまうんですもの・・・。
考えてみれば彼がグズグズしているうちに、カルルシュは最短距離で最適のパートナーを手に入れ、着々と実績をあげてしまったんですものね。
彼のシステムに対する最大限の抵抗すらも、彼の存在意義をいっそう無くしてしまう行為になってしまったりして・・・。ちゃんと21がアドバイスしていたのに・・・。
そりゃ、壊れるくらい落ちこんでしまってもしょうがないです。
代わりの効かない人間なんて居ないといいます。
どんなに優秀な人間が突然居なくなっても、何処かから誰かが現れてその穴は埋まってしまうのです。
彼がどういう行動を取れば正解だったのか、サキにはわかりません。
彼は自分の人生に意義を持たせようと足掻きましたが、普通の人の人生にどれだけの意義があるのか、超優秀な人にどれだけの意義があるのか、そして普通の人と超優秀な人の間にどれだけどれだけの差があるのか、いろいろ考えていたらよく分からなくなってきました。
でも、サキは彼がライサに対して行った行為、それだけにも彼の存在意義、この世に与えた彼の影響、を感じています。まだ彼は生きています。これからも彼に与えられた環境の範囲の中で、何らかの意義が生まれていくのだろうと思っています。そしてすべての人についても同じ事が言えるんじゃないかなぁ・・・。
あ、ごめんなさい。しっちゃかめっちゃかになってますね。
こんなグタグタ意見、夕さんにはバッサリと切られてしまいそうです。
でも、このお話、彼が主人公の1人でしたよね。彼の行動(足掻き)を楽しみに待っています。
2020.11.07 11:53 | URL | #0t8Ai07g [edit]
says...
こんばんは。

元々が非人間的なシステムだから、「人生の意義を」なんていうのは無駄かもしれませんけれど。とはいえ、やはり何もしていないと腐るという理由で、1つには目立たない手に職をつけさせている(23でいえば靴作り)というのがありますし、氣に入った女の子がいれば1年間は一緒に居ることを強制できるルールもある……ということになっているんですけれど。でも、22の場合は、21のようにそれだけで生きることをプライドが許せなくて、かえって自分のハードルを上げてしまったのでしょうかね。

カルルシュは、自分自身はダメなヤツだと思っていて、実際に大したことのない小市民でしたが、それでも特別な高みではなくてできる範囲でやることをやって、結局誰からも文句を言われない存在になってしまったのですね。もちろんマヌエラやアントニオ・メネゼスたちが目一杯サポートしたし、そもそもそういうシステムですし。

サキさんのご意見がグタグタなんて、そんなことはありません。もっともなご意見だと思います。
ま、この設定ですし、22にとって「正解」や「普通」なんてなかったと思うんですよ。
彼の運命は、やはり理不尽なことは間違いありませんし。
その中で、彼は彼なりに折り合いをつけていきいてかなくてはならなくて、まあ、それがこのストーリーの根幹というわけなのです。

次からは、もう少し丸くなっている(かな?)現時点の彼が登場します。
続けて読んでいただけると嬉しいです。

コメントありがとうございました。
2020.11.07 19:37 | URL | #9yMhI49k [edit]

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