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scribo ergo sum もの書き・八少女 夕のブログ Since March 2012


Posted by 八少女 夕

サン=サーンス 交響曲第3番『オルガンつき』

久しぶりにクラシック音楽の話でも。

Nadar, Public domain, via Wikimedia Commons
Nadar, Public domain, via Wikimedia Commons

毎年3月になるとひたすらリピートする交響曲があります。カミーユ・サン=サーンスの交響曲第3番『オルガンつき』です。クラシック音楽をめったに聴かない方でも、もしかすると第4楽章だけは聞き覚えがあるかもしれません。子豚が大活躍する映画『ベイブ』でテーマ曲になっていましたから。

私がこの曲を3月限定で聴くのは、20年以上前に鬼籍に入った父が亡くなる少し前に聴きまくっていたからです。父が急逝したのは3月の終わりでした。彼はコントラバス奏者だったのですが、どういうわけかオルガンも大好きで日本にはないような文献も集めているのでオルガン研究者が資料を借りに来るくらいのマニアでした。そして、凝り性で、その時に好きな曲はエンドレスリピートをする人でした。音楽の才能は全く受け継がなかった私ですが、このエンドレスリピートだけは、父譲りなのかもしれません。

さて、そんなわけで3月に入ると(のこりの11か月間はすっかり忘れているくせに)追悼と称してこの曲を聴くわけです。でも、それ以外の時期は全然聴かないので実はサン=サーンスについてあまりよく知りませんでした。

調べてみたら、去年が没後100周年だったようですね。どうやらダ=ヴィンチばりの多角的な天才だったようで、2歳半で作曲をはじめたたクラシック音楽だけでなく、詩人戯曲作家、天文学者、哲学者、考古学者、民族学者、ジャーナリストとどこまで手を出すんだというものすごい活躍ぶりで、そのうちの多くで成功しているのです。

エスプリの効いていた人らしく、私の大好きなもう1つの作品である『動物の謝肉祭』では、キレッキレのジョーク精神も発揮しています。じつは、この中の『象』は、裏方にされがちなコントラバスがメインで活躍できる貴重な作品で、父が家で練習していたのを今でもよく思い出します。それで彼はさらにサン=サーンスびいきになったのかもしれませんね。本当のところは知りませんが。

前回小説で題材としたシューベルトにしろサン=サーンスにしろ、こういう名曲をプライヴェートのコンサート用にサラッと書いてしまうのはすごいなあと思います。

さて、『オルガンつき』に話を戻しますけれど、私はこの曲を生では聴いたことがありません。 スイスに来てからは田舎に引っ込んでいるので演奏会そのものもほとんど行かないのですけれど、日本にいたときにも全然聴かなかったのは、たぶんこの曲が父親追悼の専用曲になってしまっているからでしょうね。

それに、そもそも、日本ではあまり演奏されませんよね? パイプオルガンがないと演奏できないので、ホールが限られるせいかもしれません。


追記

カミーユ・サン=サーンス 交響曲第3番『オルガンつき』
父の聴いていたミュンシュとボストン交響楽団のバージョンで。

Saint-Saens Symphony No 3 / Munch, Boston Symphony (JMCXR-002) 1959/2009

カミーユ・サン=サーンス 動物の謝肉祭

El Carnaval de los animales - Camille Saint-Saëns
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Comment

says...
その月だけ聞く曲。
そこまでの思い入れがあると良いですね。
私は無節操に聞きますね。
あ、けど、日本でも12月にはクリスマスソングがやたら流れまくりますよ!!
夏には夏ソングが流れるし。
今だと、桜関連の曲が流れまくりですね。
人それぞれで思い出の音楽があるというのはとても素晴らしいことですね。
2022.03.26 07:13 | URL | #- [edit]
says...
こんばんは。

我が家はキリスト教徒なので、いわゆるお盆のお墓参りとか、そういう行事がないのです。
なので、基本的には命日に個人的に何かをする、もしくは11月1日にちょっと憶う、みたいな感じになります。
3月にこれを聴きまくるのは、クリスマスソングのような社会的に認知されるタイプのことではなく、とても個人的なことなので、ほかの人が耳にしたら「なんだ?」と思うんじゃないですかね。

日本では今は卒業&桜ソングですかね。
季節は巡りますねぇ。

コメントありがとうございました。
2022.03.26 12:25 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
クラシック音楽で追慕って、なんだか素敵ですね。お墓参りもいいですけど、こういう悼み方というのもありかなと思います。
さて。サン=サーンスというと、『動物の謝肉祭』の『白鳥』か、『序奏とロンド・カプリチオーソ』くらいしか知りませんでしたが、こんなすごい交響曲を書いていたんですね。しかしパイプオルガンを組み込むなんて、発想がぶっ飛んでるなぁ。チャイコフスキーの『大序曲1812年』ほどじゃないですけど、演奏も録音も難しかっただろうなぁ。
ミュンシュとボストン響の演奏、迫力がありますね。やはりパイプオルガンの存在感が、ハンパない(笑)
2022.03.29 08:22 | URL | #V5TnqLKM [edit]
says...
こんばんは。

そう言えば私は帰国してもあまり墓参りに行かないんですよね。京都の祖父のお墓は他に行く人がいなくなったので、いくときには立ち寄りますけれど。両親のお墓参りって全然しないぞ。まあ、自宅に写真があるのでそれでいいかな状態。義父のお墓参りもいかないなあ。隣の村だけど。

さて。父親繋がりでほぼ毎年聴いているサン=サーンスの「オルガンつき」ですが、これね、本当に「アガる」シンフォニーなんですよ。
また「ディエス・イレ」の旋律の使い方も見事ですよね。
「オルガンつき」なのでオルガンがないと演奏できず、だから日本ではあまり演奏されないのかなと思っていましたが、よくかんがえたら「1812年」はもっとヤバいですよね。下手したら大惨事になるぞ……。
あと、ああいうのって国によって演奏できないこともあるようですよね。今はどこも「1812年」はタブーみたいですけれど(それも納得いかないけれど)、フランスで好まれないとか、ワーグナーがイスラエルでタブーとか、まあ、いろいろあるようです。

個人的には『動物の謝肉祭』は大好きです。「化石」っていうのが、本人の「死の舞踏」をパロった曲なので、私の脳内では骸骨がユーモラスにダンスしています。あと、「白鳥」も素敵なんですけれど「水族館」が子供の頃から大好きで。

サン=サーンス、本当に多才ですごい人だったようですが、調べた中にあったのは、「ひとこと多い人」で才能のわりに助けてくれる人は少なかったとか。いまは、ずいぶんと名声は回復しているのかもしれませんね。

コメントありがとうござ゜いました。

2022.03.29 22:18 | URL | #9yMhI49k [edit]

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