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scribo ergo sum もの書き・八少女 夕のブログ Since March 2012


Posted by 八少女 夕

【小説】完璧な美の中に

今日の小説は『12か月の建築』10月分です。このシリーズは、建築をテーマに小さなストーリーを散りばめています。

今月のテーマは、インドのタージ・マハルです。わたしはまだインドに行ったことがなく、この有名な霊廟も行ったことはないのです。なので、イメージはすべて動画を観ながら育てました。

ムガール帝国も、同じ「12か月の建築」で紹介したカンボジアのクメール王朝と同様、凄まじい権力争いで皇帝位を維持してきたらしいのですが、クメール王朝よりもっとすごいのは、実の兄弟を毎回皆殺しにして帝位に就いているってことなんですよね。そうした壮絶な背景のもと続いた王朝の最盛期とも言われる親子姉弟の愛憎をイメージしながら作られた物語です。

ちなみに両腕を切り取られた工匠の伝説は、おそらく史実ではないとされています。とはいえ、これまた興味深い人間関係を想像させたので、登場させてみました。


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完璧な美の中に

 赤砂石でできた正門建築の中に入るとアーチの向こうに白い大理石に覆われた「貴婦人の廟園」が浮かび上がる。ムガール帝国第6代皇帝アウラングゼーブは、ふと視線を隣の輿に乗る姉に向けた。

 長い確執の果て、再びその名誉を回復して帝国第一の貴婦人として遇することにした皇女ジャハーナーラー・ベーグムは、かつてと変わらぬ美しさと威厳を保っていた。

 幽閉されたまま失意のうちにこの世を去った父、第5代皇帝シャー・ジャハーンの最後の栄誉の完成を見るために、アウラングゼーブとジャハーナーラーは、この白亜の霊廟を訪れた。先帝の遺体は、伝統に従いアグラ城の壁を破り、ヤムナー川を渡る船に乗り、幽閉中に眺め続けたこの霊廟の地下玄室、誰よりも愛した妻の隣に葬られた。

 ここは、シャー・ジャハーンの妃アルジュマンド・バーヌー・ベーグムのために建立した墓廟である。「愛でられし王宮の光彩」を意味するムムターズ・マハルの称号を持つ彼女は、ヒジュラ歴1040年ズルカイダの月に、皇帝に伴われてデカンに遠征中に第14子である皇女ガウハーラーラー・ベーグムを産んだ後に産褥死した。

 彼女を深く愛した皇帝は、その遺言の1つに従い、「後世に残る墓廟」の建設を決めた。そして、霊廟、付随する4本の尖塔、向かい合うモスクと集会場、そして大楼門が完成するまでに17年、縁者の墓などの周囲付帯施設の完成まで含めれば22年という月日と、莫大な費用をかけて完成させた。

 母親が亡くなったとき、アウラングゼーブはまだ13歳だった。彼自身には母親との思い出はほとんどない。父親がフッラム皇子と呼ばれていた頃、祖父である皇帝ジャハーンギールに反乱を起こし敗北したために、2歳のアウラングゼーブは兄とともに人質としてジャハーンギールのもとに送られた。父が他の兄弟たちを殺害し皇帝となったために9歳の時に解放されたが、諸地方へ遠征する父皇帝に常に同行する母親と過ごす時間はほとんどなかった。

 姉と並んでここを訪れたのは初めてだ。50歳を超えても、10年近い幽閉を経ても変わらぬ美貌を保つジャハーナーラーの横顔には、ほとんど何の表情も浮かんでいない。

「姉上。父上の平和な崩御へのご尽力に感謝申し上げます」
そうアウラングゼーブが低い声で言うと、彼女ははじめて謎めいた微笑を見せた。

 病床の父を説得し、皇位を簒奪したアウラングゼーブを許すという文書に署名をさせることができたのは、彼女だけだった。

 誰よりも愛した長男ダラー・シコーの首を送りつけられ、その長兄を偏愛したことへの不平の手紙ばかりを送られ、個人の財産も取りあげられて上履きすら新調できぬ苦境に立たされた廃帝が、心の底から3男アウラングゼーブを許したかどうか、今となっては知る術もない。だが、アウラングゼーブにとっては、謀反を企てる臣下への牽制として、書面への署名こそが重要だった。

 彼自身も憎み続けた父が、自分を許すかどうかということは、大して重要ではなかった。横に並ぶ姉が、自分に対して昔と変わらぬ愛情を持ち続けているかも知りたくはなかった。父を愛し、ダラー・シコーをも愛した姉が、自分を完全に愛せるはずがない。

 それでも、スーフィズムに傾倒する姉は、家族の他の誰よりも彼の理想とするイスラム法による帝国支配の理解者だった。博学で有能、比類無き美貌、そして、親子兄弟姉妹間で幾たびも起こった裏切りと策略の合間を泳ぎ、誰の権能の下でもその地位を守り抜くしたたかさを持っている。ムガール帝国の皇女である彼女が、現在まで生き続けていることこそが、油断ならぬ女性である何よりもの証拠だ。

 正門から出ると、アーチからは見えなかった4本の尖塔を従えた堂々とした霊廟と庭園が全貌を現す。強い陽光が、白亜の大理石に反射して見る者の眼を射る。そして、庭園のかなりの距離を進み、人の3倍近い高さの基壇の上に霊廟がそびえている。

 方形の四隅を切った八角形の建物は、どこから見ても同じように見える対称に作られている。

 さらに近寄れば、工匠たちが技術と芸術の粋を尽くした偉大なる細部が見えてくる。

 その廟は、単なる権力者の愛する妻の墓というだけでなく、「夫への愛を貫き、多くの子をなす偉業を成し遂げ、男性の聖戦と同義と見做される産褥によって命を失った」という理由で殉教した聖者として巡礼されるべき宗教施設としての性格も兼ね備えていた。

 建物はラージャスターン地方の白い大理石、ファテープル・シークリーの赤砂石で覆われ、ブンデールカンドのダイヤモンド、パンジャーブのジャスパー、スリランカのサファイア、中国の翡翠、エジプトのベリドット、ペルシャのアメシスト、アフガニスタンの瑠璃、アラビアの真珠と珊瑚など、既知の世界すべてから集められた宝石・宝玉がはめ込まれた。

 大理石に彫り込まれた唐草模様。貴石を使った象眼細工。シリアやペルシャの書家が刻んだクルアーンの聖句。トルコの設計師が指導した堂々たる丸屋根。

 入り口は、むしろ小さく見える。中に入れば、扉の蜂の巣構造から差し込む光が象眼細工を美しく照らす。輿から降りて、姉と共に霊廟に入ったアウラングゼーブは、内部をぐるりと見回した。

 母ムムターズ・マハルを讃える慰霊碑が完璧な八角形の2階建てドーム型の部屋の中央にある。そして、その脇に、シャー・ジャハーンの慰霊碑がひとまわり大きく作られた。

 ジャハーナーラーは、思わず息を飲んだ。

 アウラングゼーブはその姉の様子を見て、わずかに口髭の下で唇を歪ませた。
「誰よりも愛された母上の隣に眠られたこと、父上はさぞお喜びでしょう」

 その心にもない詭弁に、姉は反応しなかった。父はイスラムの伝統に従い、この霊廟に完全な対称性を持たせることを望んでいた。東西だけでなく南北にも対象にするために、ヤムナー川の対岸に黒いもう1つの霊廟を建てて、死後はそこに眠ることを切望していた。

 それに対し、アウラングゼーブは、黒い霊廟を建てることを拒否しただけでなく、母親の霊廟の心臓にあたる慰霊碑の空間に、父親の慰霊碑を無様な位置に割り込ませることで、その対称性を壊したのだ。

「そこにいるはウマーか」
アウラングゼーブの言葉に、ジャハーナーラーは足下に畏まる1人の工匠の姿を目に留めた。

「はい」
「ご苦労であった。いい仕事をした。父上の慰霊碑の象嵌は、母上のそれと見分けがつかぬほどの出来だ」

 ジャハーナーラーは工匠の顔をじっと見た。よく似た顔をどこかで見た記憶があった。

「この植物の象嵌をしてくれる腕のいい工匠がなかなかみつからなくてな」
弟帝の言葉に、皇女は眉をひそめた。

 この霊廟の建設は、多くの工匠たちを富ませた。厳格なスンニ派で、自身のためは決してこのような豪奢な墓を建てさせることはないであろう新帝が、今後はないであろう高額な工賃を払うとわかっているのに、この仕事を工匠たちが好まないとは考えにくい。

 姉が理由を理解していないことを見て取って、アウラングゼーブは付け加えた。
「忘れたか。父上が象嵌を施した工匠の両腕を切り取ったことを」

 ジャハーナーラーは、息を飲んだ。そうだ、あれはここの象嵌を担当した男だった。完璧な仕上がりに満足した父帝が、褒美を授けるために王宮に呼び出した日のことを彼女はまだ覚えていた。

 ペルシャの血の入ったその男は、母ムムターズ・マハルの祖父イティマード・ウッダウラが、ムガール帝国に移住する際に連れてきた職人らの出身だった。

「慰霊碑は、そなたが担当したと聞いた。見事な細工だった。どのような褒美を望むのか」
シャー・ジャハーンは問うた。ジャハーナーラーは、その時に既に父の言葉に潜む棘に氣がついていた。

「なにも。亡き王妃様は、まだお嬢様であられた頃、わたくしの細工を愛で褒めてくださいました。あの方のための慰霊碑を完成できただけで、わたくしは満足でございます」
男はまっすぐに皇帝を見つめ帰した。

 妻を悼むため、白い服しか身につけなくなった父と、やはり全身を白で包む工匠の目が合い、ジャハーナーラーは、2人のあいだに物言わぬ戦いがあることを感じた。皇帝は、彼が出会う前の妻を知る男に対して激しい怒りを感じ、そして、工匠は14人もの子を産ませ、戦地にも連れ回したがために産褥死させることになった皇帝の后への独占欲に無言の抗議をしていた。

 いや、それは、ジャハーナーラーの思い込みかもしれない。何があったか、今となっては誰にもわからない。

 覚えているのは、父帝が立ち上がって言ったことだ。
「では、余からの褒美を与えよう。両手を前に出せ」

 工匠の白い服は父が切り落とした両腕の鮮血に染まり、ジャハーナーラーはショックで氣を失った。

 彼女は、兄に話しかけられて畏まる工匠ウマーをもう1度見つめた。誰かに似ていると思ったのは、あの両腕を失った工匠だ。瞳に宿る強い光も、あの男のものそのままだった。

 あれから、20年近く経っている。ここにいる男は、もしかしたらあの男の身内なのかもしれない。弟アウラングゼーブは、あの事件の時には王宮にはいなかったから、あの男の顔を知らないのだろう。

「誰もが嫌がる仕事に完璧に応えてくれたことに礼を言う。褒美は望むままに取らせよう。もちろん腕を切り取ったりはせぬぞ」
アウラングゼーブは笑って言った。

 男は、深く頭を下げた。
「わたくしめも、『何も望まぬ』などとは申しませぬ。妻と子が路頭に迷わぬよう、わたくしめの働きに応じた褒賞をいただければ幸いです」
 
 男が退出した姿を見送り、アウラングゼーブは姉を振り返った。ジャハーナーラーは、憂いの混じった顔つきで、並ぶ父母の慰霊碑を見つめていた。

「姉上。私をひどい男とお思いか」
その声に振り向き、弟がこちらを見ていることに氣がついた。

「何に対して? すべての潜在的な父上の後継者たちを倒さねばならなかったことですか? それとも、父上に許すことを強要しても、あなた自身が父上を許さなかったことですか?」
「そのどちらも」

 彼女は首を振った。
「兄弟を皆殺しにして即位したのは、父上も同じ。家族でありながら、完全に愛することができないのも、あなただけではありません。このように大きく壮麗な霊廟を作って、なんになるのでしょう。父上と母上がこの世にもたらしたのは、争いと死ばかりではありませんか」

 アウラングゼーブは、わずかにホッとした表情を見せた。
「姉上。わたしは偽善者にはなりたくなかった。悼んでもいない父上のために似たような黒い霊廟を建て、財政を悪化させ民を疲弊させることよりも、神の意にかなうイスラム法シャリーアによる政治に力を入れたい。それをあなたにだけは伝えたかった」

 ジャハーナーラーは、弟帝が「托鉢僧ダルヴィーシュ 」「祈りを捧げる人ナマーズィー」とあだ名をつけられていることを思いだした。実際に彼は、曾祖父アクバル大帝以来の宗教融和政策をイスラム法シャリーアで統治するよう大きく転換したのだ。それを彼女もまた評価していた。

 皇女は、弟と別れ、霊廟から出て輿に乗った。振り向くと庭園の向こうに完璧な対称性を維持した白亜の霊廟が見える。帝国の権威を世に示し、イスラムの楽園をこの世に実現した完全な調和が広がって見える。

 その中心に、当の両親の眠る場所だけが、どうしても流しきれないわだかまりと同じように、深い沈黙の中、完全性からとり残されている。それは、彼女の弟に対する愛憎と同じであり、完全なイスラム精神に至れない自分自身の鏡でもある。

* * *


 ウマーは、黄金の入った袋を抱えて、帰路を急いだ。思っていたよりもずっと重かった。つらく苦しかった日々がようやく報われた。

 褒美をもらう代わりに両腕を失うことになった父親が、王宮で何をしでかしたのか知らない。家に運び込まれたとき、血を失いすぎて、父親はもう何かを語ることはできなかった。

 霊廟の象嵌が完成するまでの長い時間、彼の母親と子供たちがどれだけの者を犠牲にしてきたのか、父親は考えたのだろうかと、幾度も思った。働き盛りだった父親を失い、その後ウマーの一家は辛酸をなめた。

 彼は亡くなった父を悼む代わりに、その軽率さを憎み、やがて父が得るべきだった褒美を自分が代わりに得ることだけを励みにこれまで生きてきた。

 シャー・ジャハンの慰霊碑に彼は持てるすべての技術と知識を詰め込んだ。父親に報酬を与える代わりに、命を取った冷徹な皇帝は、我が子に幽閉され惨めな最後を遂げた。そして、彼に莫大な報酬を払ったのは、その簒奪者アウラングゼーブ帝だ。

 彼は、振り向き白亜の霊廟を見つめた。完璧な美が夕陽に浮かび上がる。その中心に、多くの聖句に囲まれて、2つの慰霊碑と2つの棺が眠っている。怒りと、無念と、許せぬ想いと、そして虚しさが、外からは誰にもわからぬような静けさのまま、ただ据わっている。
 
(初出:2023年10月 書き下ろし)

追記




India's Taj Mahal Is an Enduring Monument to Love | National Geographic
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Category : 短編小説集・12か月の建築

Comment

says...
更新、お疲れさまでした。

タージマハールもムガール帝国も、苦手な世界史で習ったなぁ程度の記憶でしたが、いやはや壮絶な歴史の産物ですね。このシリーズ、毎回勉強になります。
どこぞの連中もそうですが、帝位とか皇位の継承というのは、どうしても血を見る争いになっちゃうようですね。結局、殺しておかないと、あとで裏切られて奪われるというのが前提ですからね。やりきれません。
今回の主役のタージマハール。あの豪華で壮麗な建築物が、様々な人間の愛憎の産物というのも、すさまじい話です。
完璧な美の内側に、それと正反対の混沌とした人間の愛憎を孕んでいる。夕陽を浴びて佇むタージマハール、なにかすごく象徴的ですね。
2023.10.25 09:46 | URL | #V5TnqLKM [edit]
says...
こんばんは。

わたしも(もちろん)書くために調べて新しく知る歴史に毎回驚いています。
歴史の時間、年号だけじゃなくて、こういう強烈な背景を話してくれたら、もっと興味を持っただろうになと思いましたよ。

で、そうなんですよ。TOM−Fさんのところのあの方たちの話と被るので、狙ってこの話を盛ってきたわけではなくて、「おお、なんかリンクしたのが同時期に!」ってびっくりしていたんですよ。
あちらの方と同じく4兄弟の殺し合いだったのですが、おしとやかな日本国のお姫様方と違い、シャー・ジャハーンの娘たち3人中2人までがこの泥沼闘争に参戦していたらしいです。

ムムターズ・マハルは14人産んで、成人したのは半分の7人だったそうですが、男子は4人中3人がこの争いで殺され、最終的にはこの話に出てきた2人しか生き残らなかったとか。結婚後は亡くなるまでほぼ常に妊娠していた様な人生でしたが、いくら立派なお墓があっても、命をかけて産んだ子供たちがああなっちゃ「なんだかなあ」ですよね。

シャー・ジャハーン、愛妻の最期の願いだからと、霊廟作りに夢中になったらしいですが、そもそも地盤が弱いところで基礎工事だけで大変だったみたいです。そして、あまりにお金を掛けすぎて、帝国が斜陽化するって……。

今ではインドを代表する名建築として日々観光客を集めていますが、ノイシュヴァンシュタイン城建設と同じく、当時の民にとったら「そっちはいいから、まともな政治してくれ」って思っていたかもしれませんね。

建築の技術面を調べようと思ったら、とんでもない愛憎劇と、当時の政治について学び、ずいぶんと考えさせられましたよ。

コメントありがとうございました。
2023.10.25 22:49 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
色々感じることが多い作品でした。
特に死生観というか、残された人の気持ちというか、
そういうものを感じる霊廟作りですね。
読ませて頂き、ありがとうございます。

こういうお墓というか、霊廟作りというか。
そういうのに拘る方は古今東西いらっしゃるんだなあ、
ということは率直に感じたことでございます。
日本でも古墳がたくさんありますしね。


そういうのは歴史的産物としては良いんでしょうけど、
夕さんもコメントしている通り、
当時の民衆はたまったもんじゃないな、これ(笑)。
2023.11.01 22:17 | URL | #- [edit]
says...
血で血を洗うというのはこういうことを言うんでしょうね。
TOM-Fさんのお話でもそうですが、人間の性というか、欲というか、酷いものです。
アウラングゼーブの言っていることも一見筋が通っているように見えて、最初から破綻しているように思います。あんたもどうなるかわかりませんよ。でも、現代の人もそれを笑うことはできないですね。
いくら美しい完璧な建造物を建てても、そこを自分の墓所と定めてそこに収まっても、安らぐことは無いように思います。ま、死んじゃってるんだからすべては無となってしまって、まったく関係ないかもしれないんだけど・・・。
そういう側面からこういう歴史的建造物を眺めると、虚しさだけを先に感じてしまうので、やっぱりそういう見方は捨てて、直感だけで圧倒されている方が正解なのかな。
ウマーの今が幸せそうなのがせめてもの救いでした。
2023.11.02 14:35 | URL | #0t8Ai07g [edit]
says...
こちらにもありがとうございます。

タージマハールとムガール帝国については、背景まで調べたことはこれまでなかったので、びっくりしました。
いやはや、あんな真っ白できれいな霊廟を作った人たちが、血みどろの争いばっかりしていたって……。
ムガール帝国は、イスラム国家なんですが、アラビア半島などとは違って、土着のヒンズー教徒の信じる信仰と、イスラム教を信じる人たちとを同時に支配しており、本来の厳格な宗教観だけでは政治的にうまくいかないという事情を抱えていたようです。それに、兄弟皆殺しにしないと権力を保持できないという事情もあったようで、14人もの子供を産んでも後で殺し合いをされたんじゃ、ご本人は立派な霊廟でゆっくり休めなそうですよね。

ちなみに、こういう世界的建築を作ると、お金がかかりすぎて国庫が空になり、国が没落していくというのは古今東西よくあるみたいで、ムガール帝国もこの後没落していったようです。

コメントありがとうございました。
2023.11.02 23:30 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんばんは。

このムガール帝国の皇帝は、代々これと同じような殺し合いばかりなのですよ。
サキさんもおっしゃっている通りアウラングゼーブの子供たちも、結局、彼の死後に血で血を争ったそうです。
タージマハールに祀られたムムターズ・マハルは14人子供を産み、7人は夭逝で、残りの7人のうち6人が争い、結局残ったのはアウラングゼーブとジャハーナーラーだけだったようです。この2人は、イスラム教への帰依が強く、なくなった後も珍しく質素なお墓に入ったとか。もっとも信仰心が強くても殺し合いは平気でしていたようですが。

個人のお墓、しかも皇帝自身のものではないものが、その国で一番有名な観光名所になるということも皮肉ですが、宗教を前面に押し出した建物の内部に、宗教とはかけ離れた血みどろの争いの影がやたらと見え隠れしているところも非常に逆説的でした。

コメントありがとうございました。

2023.11.03 00:38 | URL | #9yMhI49k [edit]

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