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scribo ergo sum もの書き・八少女 夕のブログ Since March 2012


Posted by 八少女 夕

【小説】毒蛇

scriviamo!


今週の小説は、「scriviamo! 2024」の第3弾です。山西 左紀さんは、連載作品の最新話でご参加くださいました。ありがとうございます!

 山西 左紀さんの『白火盗 第五話』

山西左紀さんは、SFを得意としていらっしゃる創作ブロガーさん。お付き合いのもっとも長いブログのお友だちの一人で、このscriviamo!も皆勤してくださっています。

今年書いてくださった作品は、左紀さんにとってはじめての時代小説「白火盗」の新作です。独自設定のもと、不思議な力を持つヒロインと、彼女にひかれる浪人の物語です。

お返しの作品は、もちろん左紀さんのお話の本編には絡めませんので、まったく関係のない話です。いちおう、お返しとして書きましたので「時代物(でも中世ヨーロッパ)」で、とあるシチュエーションだけまるまるいただいて書いてみました。

世界観は、現在連載中の『森の詩 Cantum Silvae - トリネアの真珠』のものですが、現在のストーリーとはまったく関係ありませんので、連載を読んでくださっている方も、未読の方も、前作をお読みになった方も等しく「?」となる話です。登場するオットーという人物は、これまで1度も出てきていません。それ以外の人物は、連載中の作品の主要登場人物の先祖です。


【参考】
《男姫》ジュリアとハンス=レギナルドについてはこちら
【断片小説】森の詩 Cantum Silvae I - 姫君遁走より
Virago Julia by ユズキさん
このイラストの著作権はユズキさんにあります。ユズキさんの許可のない使用は固くお断りします。

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毒蛇
——Special thanks to Yamanishi Saki-san


 オットーは、腕を組んで窓の方を見た。特に見たい物があるわけではなく、暗い部屋の中ではどうしても月明かりの差し込む窓に視線が向く。

 王都ヴェルドンの地を踏んだのは、2年ぶりだ。国王自身の婚礼がなければ、フルーヴルーウー辺境伯ハンス=レギナルドは、あと10年でも戻らなかったかもしれない。

 オットーは、「これまでに存在せず、今後も現れないであろう美しさ」と噂される花嫁、隣国ルーヴランのブランシュルーヴ王女にも、彼女が連れてきたという華やかな美女たちにも興味はなかったが、2年ぶりに国王に声をかけてもらい満足だった。

 それは異様な婚礼であった。花嫁とルーヴランから連れてきた4人の高貴なる乙女たちは、婚礼前だけでなく、婚姻の儀においても、その後のお披露目の宴でも濃いヴェールを外すことを許されなかった。

 それどころか、国王レオポルドは、新王妃を王城の王妃の間に住まわせることを拒んだのだ。本来、敵国から嫁いでくる花嫁を儀礼的に婚姻まで滞在させる西の塔に、そのまま厳しい見張りと共に置き、自らも塔で寝泊まりするようになった。

 はじめは、敵国による奇襲を警戒しているのではないかと噂した貴族たちも、やがて国王の怖れが自らの安全にはないことを理解しだした。彼は、新妻をほかの男に奪われることをなんとしてでも避けようとしているのだと。

 王朝史上もっとも大きな版図を拡大し、勇猛豪胆で、求心力のある国王には、決して拭えない大きな劣等意識がある。

 レオポルドは、異様に背が低く、オットーが立ち上がればその胸よりも下に頭が来る。また、細い目と低めの鼻に比べて口が大きい。敵国では《短軀王》または《醜王》と陰口を叩かれている。そうしたあだ名や容姿が劣ることを国王自身が氣に病んでいることは、側に仕える臣下たちはみな知っていた。

 おそらく、レオポルドが家臣としては誰よりも信頼する一方で、新妻の心を奪う可能性の存在としてもっとも警戒しているのがフルーヴルーウー辺境伯ハンス=レギナルドだろう。

 オットーの生まれ故郷ノルムは、グランドロン王国の北端にあるが、現在仕えているフルーヴルーウー辺境伯の領地は最南端にある。

 辺境伯爵領とは名前ばかり、実態は険しい山嶺《ケールム・アルバ》と広大な森《シルヴァ》の未開地だ。獰猛な動物と野蛮な周辺民の他には足を踏み入れる者もわずかしかいない。だが、《ケールム・アルバ》の南に広がるセンヴリ王国との交易や領土争いを有利にするためには、どうしても街道の整備をする必要がある。王国版図の拡大を目指すレオポルドが、着手した大事業だ。

 新たに設立されたフルーヴルーウー辺境伯爵領の領主となったのは、グランドロン王国ヴェルドン宮廷では特異な存在であった騎士ハンス=レギナルドだった。

 おそらく隣国ルーヴランの出身だと思われるこの男は、深い謎に包まれている。氣味が悪いほど整った容姿について、よくない噂をする者までいる。とある高貴な女が悪魔と交わって生まれた私生児だとか、いかがわしい男娼出身に違いないとか、ともかくその容姿について好意的な噂は聞いたことがない。とはいえ、女たちは噂には頓着せず、わずかでもこの男を振り向かせようとスダリウム布に高価な贈り物を忍ばせて手渡す。

 かつてのオットーは、他の騎士たち同様、この美丈夫に反感に近い感情しか持っていなかった。だがその自分に、国王はフルーヴルーウー伯爵の臣下になれと命じてきたのだ。2年前のことだった。

「このハンス=レギナルドの命令は、すなわち余の命令だ」
王は、オットーに言った。王の命令が絶対であるオットーは、かしこまって拝命した。

 ハンス=レギナルドを未開地に送り出したことを「厄介払い」と陰口を叩く者もいた。だが、そうではないことをオットーは知っている。オットーをはじめとする有力な騎士たちを何人も彼の助力になるようフルーヴルーウー辺境伯領へと送り出したのは、それだけこの事業が重要だからだ。憎み疎ましく思う男を、その要として選ぶはずがない。

 新たな主君は、レオポルドのようにわかりやすい尊崇は集めていなかった。国王の素早い決断と思慮深さ、辺りを払う威厳、忠臣をねぎらう公平な態度など、生まれながらの為政者として安定したありように心酔してきたオットーには、フルーヴルーウー辺境伯は奇異ですらあった。

 彼は、上に立つ者として育ってこなかったのだろう。命じることよりも自らが動こうとすることの方が多かった。恥や怖れを知らない。

 だが、不思議な魅力もある。部下たちの強みをよく見抜き、それぞれの得意な分野で活躍させる。異国の令嬢をたらし込み、軽率にも閨に連れ込むようなこともするが、諫言を口にしようとする部下に、悪びれもせずに女を通して手に入れたばかりの相手国の城門の鍵を渡してみせる。

 敵に奇襲をかける際の大胆不敵な発想や、寒く不快な野営でもへこたれぬ態度を見て、やがて臣下たちも新しい主君を認め、素直に従うようになった。

 とはいえ、フルーヴルーウー辺境伯の女に対する不品行ならびに女に対する影響力が衰えていないことは日の目を見るよりも明らかだったので、猜疑心にかられた国王は彼をはじめとする婚礼に集まった各地の有力貴族たちに、見張りの厳しい客間をあてがったのだろう。

 今宵のオットーは、そのハンス=レギナルドの戻りを待っていた。

 深夜に部屋を抜け出すと言いだした時には、ふざけているのかと思った。

「心配しなくとも王妃に興味があるんじゃないよ」
ハンス=レギナルドは笑って言った。王と共に西の塔にいるブランシュルーヴ王妃に夜這いをかけることは不可能だろうから、オットーもその心配はしていないが。

「じゃあ、お出かけはおやめになるべきではありませんか。ご婦人方は領地にもたくさんおられます」
オットーは控えめに言った。

「どうしても確認しなくてはいけないことがあるのだ。王妃が連れてきた4人の高貴なる乙女たちの名を聞いたか?」
主の言葉に、オットーは首を傾げた。
「ヴァレーズ、マール、アールヴァイル……それにバギュ・グリのご令嬢でしたか?」

 ハンス=レギナルドは頷いた。
「そうだ。あり得ない名前がある」
「とおっしゃると?」

 オットーの質問をハンス=レギナルドは無視した。
「確かめなくてはならない」

 そう言って密やかに出ていった部屋の主は、予定の時間を過ぎても戻ってこない。見回りの騎士の問いかけに代返をすること3度。それ以外はすることもない。寝台で寝てもいいと言われていたが、「狼の皮を被る者ウルフヘジン 」の名をもらったことのある誇り高いノルムの戦士は、主君を待つ間にだらしなく眠りこけたりはしないものだ。

 彼の本来の名はオホトヘレといい、かつては存在したノルム国の高貴なる戦士の家系に生まれた。ノルム王ウィグラフに仕えていたが、王の甥スウェルティングによるクーデターに際して捕らえられ、奴隷としてタイファのカリフに売られた30人の戦士たちの1人だった。

 グランドロン王国が対タイファ戦の戦利品として受け取った宝物・賠償類の中に、ただ1人生き残った彼が含まれており、レオポルド1世に氣に入られて奴隷の身分から解放され、騎士に取り立てられた。その時に名をグランドロン風にオットーと改めた。

 それだけでなく、かつての主君を殺した簒奪王スウェルティングと戦い、ノルムをグランドロン領に編入したレオポルドは、憎きスウェルティング処刑の際に、オットーに刃を握らせてくれた。騙され両親と妹を殺されたオットーが復讐を誓っていることを考慮してくれたのだ。

 それ以来、オットーはノルムの戦士としてではなく、グランドロン王の騎士として生きることに心を決めた。

 オットーは、レオポルド自身から「クサリヘビオッター 」というあだ名をもらった。攻撃が執念深く、敵を倒すまで決してあきらめない。また、昼よりも夜の奇襲で真価を発揮するところが、怖れられる毒蛇を想起させるというのだ。または、単に近い音を用いた言葉遊びかもしれない。実際にオッターという響きは、彼の実名の響きに近かった。

 窓に月がさしかかり、やがて消えた。見回りももう回ってこない。明け方になるまでは静かなままだろう。いつになったら主は戻ってくるのだろうか。

 扉の向こうにわずかな物音がした。そして、小さなノックが聞こえた。すぐに扉を開けた。

 するりと入ってきたのは、ハンス=レギナルドではなかった。黒く長い髪、挑みかけるように鋭い双眸を持つ女だ。

 戸惑うオットーにかまわず、女は後ろ手で扉を閉めると小さい声で訊いた。
「ハンス=レギナルドはどこ?」

「いま、こちらにはいらっしゃいません……あなた様は?」

 女は、オットーの方をチラリと斜めから覗くように見ると、馬鹿にしたような顔をして質問を無視した。
「そう。……あいつ、あいかわらずお盛んなのね」

 そういうと、寝台にドカッと腰掛けた。
「それで、お前はハンス=レギナルドの部下なの?」

「はい。わたくしめは騎士オットー・ヴォルフペルツと申します。お見知りおきを」
オットーは、型破りな女の様子に内心驚きつつも、礼儀正しく膝をつき挨拶をした。女はそれを立って受けるどころか、手を差し出すことすらしない。

「あいつが伯爵ねぇ」
そう言うと、窓の外を眺めて、足を組みその膝で頬杖をついた。

 オットーは、尋ね人がいなくても帰る様相のない女に戸惑った。暗闇の中とはいえ、その衣擦れと焚きしめた香から、侍女や下女などではないことはわかる。そのような女性と密室に2人でいることはあまり好ましくない。国王が警戒したのは自分ではないと思いたいが、見回りに見つかったらただでは済まないだろう。

 それに、主が戻ってきたら、この状況をどう思うだろうか。できれば、この部屋から出て行きたいが、主の代わりに見回りに返答する務めがある以上、そうもいかない。

 半刻ほど、お互いに口もきかずにそうしていた。やがて女は寝台に横になった。暗い部屋の中、表情などは見えないが、静かな衣擦れと均整のとれた肢体がゆっくりと動く様子に、オットーは思わず息を飲んだ。

「ここでお休みになるのですか」
のどが渇いたのか、声が枯れてうわずる。

「そうよ。何度も出向くほど暇じゃないからね」
女の声には、含み笑いが混じっている。衣帯を緩め膝を動かしているのを見て、急いで後ろを向いた。よく見えているわけではないが、騎士たる者、貴婦人の寛ぐ姿を淫らな目で凝視していると思われてはならない。

 この女が誰だかわからないが、フルーヴルーウー辺境伯とただならぬ仲であることは間違いないだろう。あらぬ疑いをかけられると、陛下の命令を全うできなくなる。また、見回りの者が近くにいる時に、大声でも出されたら、もっと大変なことになる。オットーは、女などいないかのように過ごそうと心に決めた。

 長い夜だった。あれほど歩みの早かった月は、その動きを止めてしまったかのようだ。時おり女の寝息と衣擦れと共に、焚きしめられた香が漂ってくる。オットーは、まとわり付く魔力に取り込まれぬように身を硬くした。

 ハンス=レギナルドは帰ってこない。オットーは壁の方を向いて小さな腰掛けの上でひたすら事態が変わるのを待っていた。

 自らの首がガクッと落ちかけるのに反応して、はっと起きた。いつの間にかウトウトしていたらしい。あたりは白みかけており、窓の向こうは赤紫色になっていた。

 含み笑いが聞こえたので、思わず振り向くと、女が寝台の上に起き上がっていた。明るくなったことで、女の姿がはっきりと見えた。

 白く透き通る肌。黒曜石のように輝く瞳。血のように紅い唇。ぞっとするほど美しい女だ。一瞬だけ「これまでに存在せず、今後も現れないであろう美しさ」の持ち主かと疑ったが、すぐに思い直した。ブランシュルーヴ王女は日の光のような金髪のはずだ。見るからに上等の布地と手入れされた手肌を見て、もしかするとこの女は、王妃に傅く4人の高貴なる乙女の1人ではないかと思った。

 ということは、主君ハンス=レギナルドが確かめたいと言っていたのは、この女の事なのかもしれない。だが、高貴な乙女たちはみな錚々たる家系の姫君ばかりだ。男の部屋を訪ねて勝手に寝たりするだろうか。

 身につけているのは寝室で着るような黒の薄物で、そんな姿で王城内をうろつき回っているとは信じられなかった。

 彼は、急いで女から眼をそらした。すると、寝台の上、足元にいくつかの衣類が無造作に置かれているのが見えた。

 オットーの戸惑いを見透かしたかのように、女はあけすけな笑い方をした。
「お前は意氣地なしね」

 彼は、度肝を抜かれた。そして、心外な思いを堪えて返答した。
「わたくしめは、ハンス=レギナルド様の臣下にて、騎士でございます」

 彼女は、馬鹿にしたように鼻を鳴らした。
「人生は誰かが勝手に決めた手順に従ったり、他の者に遠慮して我慢するには、あまりにも短すぎるわ」

 女は恥じらう様子もなく、灰色の上着を身につけ、よく儀杖官が身につけるような黒い切れ込みのある立派な外套を鷹揚に羽織った。長い髪を器用に捻って角頭巾の中に押し込んだ。なるほど、見回りの兵士とすれ違っても、これならば高位の男と思われるだろう。

 その時、向こうから石の床を踏む金属的な足音が響いてきた。見回りだ。
「おはようございます。異常はございませんか、フルーヴルーウー伯爵様」

 オットーは、昨夜と同じように答えた。
「異常は無い。見回りご苦労である」

「はっ」
見回りは、次の部屋に向けて去って行った。

 女は、その足音が聞こえなくなると、扉を開けて、辺りを素早く見回した。
「ジュリアは待ちくたびれたと、ハンス=レギナルドに伝えるのよ、毒蛇オッター
女は笑った。血のように紅い唇が妖艶に広がる。そして、まだ暗い城内に消えていった。

 どっちが毒蛇だ。背筋に冷たい汗が流れた。

(初出:2024年1月 書き下ろし)
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Tag : 小説 読み切り小説

Comment

says...
執筆、お疲れさまでした。

これは、ジュリアのプロフィールに書かれていた、グランドロンに入国したときのお話しですね。
なかなかにドキドキハラハラの展開で、オットーもそうでしょうけど、「長い一夜」という読後感でした。ここらへんのシチュエーションは、山西サキさんの作品への「お返し」として、上手く構成されたなぁと感心しました。
ジュリアは「意気地なし」とか言ってますけど、状況を考えたらオットーは手出しできないですよね。いつ主人が返ってくるかわからないし、闖入者の正体だって読者には想像できますけど、下手したら美人局の可能性もあるわけで。オットーはよく自制したなと思います。
ハンス=レギナルドは、どこをほっつき歩いていたんでしょうね。ジュリアを探しに出たのは間違いないでしょうけど、結局どこぞの女性と……的なことになってたんでしょうか。さすがに、それはないか(笑)
あいかわらず破天荒なジュリアと、堅物オットーとの奇妙な一夜のお話。楽しませていただきました。
2024.02.07 07:14 | URL | #V5TnqLKM [edit]
says...
いやいや相変わらずな破天荒姫だなぁ。(エレオノーラ、こんなのに憧れてほんとうに大丈夫?)
この時代ですから道徳観も違うのでしょうが、一応お姫様、ですからねぇ。
現代的な観点からですが、サキは感染症の心配もしてしまいますね。
ま、丈夫な体と運で切り抜けて最終的にはちゃんと生き延びていますから、終わりよければ・・・なんでしょうけれど。
それにしてもハンス=レギナルド、面倒はオットーに押し付けてどこをほっつき歩いているんでしょう。成り行きからしてジュリアを求めて出ていったことは間違いないと思うのですが、これ絶対他所でしっぽり・・・ですよね。オットー必死で耐えましたが、これなら先へ進んでしまっても許されたんじゃぁ・・・なんてことまで思ってしまいました。
ジュリア、最後に名乗ったうえで「オッター」なんて呼びかけていますが、彼のことをすでに知っていたのでしょうか?戻ってきたハンス=レギナルドが彼の報告を聞いてどのように反応するのか(報告できるかどうかは別の問題として)、想像すると楽しいですね。
たしかにこの作品には白火盗と同じシチュエーションが使われていますが、サキの作品とは違ってしっかりとした考察で作られた土台の上に書かれていますから、短いお話でも全然深みが違うと感じました。

追い詰められてその場で書き上がった作品を投稿させていただきましたが、これはけがの功名?(ちょっと意味が違う?)
とにかくサキの大暴投?の断片作品が、この掌編執筆のきっかけになったのなら、これは大金星と言ってもいいんじゃないでしょうか?
素敵なお返し作品、ありがとうございました。
2024.02.07 12:19 | URL | #0t8Ai07g [edit]
says...
あー……こういう……
サキさんの白火盗も良かったですが、こちらも背筋がゾクゾクする妖しさですね。
オッターは意気地なしなんて言われていますけれど、こんな時にホイホイ誘惑に乗る男じゃ、この怖さは出ないと思います。
立場や状況など絶対に手を出してはいけないのが明白な状況に、餌に釣られる愚かしさを嘲笑う判断力もプライドもある。
それでも理性を揺さぶる美しさ、があっさり手に入っても面白くないと言うか、手に入ってしまったら、その辺りに幾らでもいる凡庸な美女になってしまう気もします。
同時に、本来決して手が届かない高嶺の花が手に入る一世一代のチャンス。でも、ものにしてしまった後の祭りを想像するだに、嗚呼、胃が痛い……!

取り敢えず、出された餌全てに食いつくのが男らしさでもなく。
挑発への怒りがまたいいスパイスになっています。
毒蛇だって分かるのに手を出す奴は居ない。負け惜しみじゃない。

作品自体が面白いのもですが、真似したくなりますね。
ただ、うちには適当なのが居ない。見た目だけじゃないから、条件が厳しい。

執筆お疲れさまでした。
2024.02.08 06:47 | URL | #yl2HcnkM [edit]
says...
こんばんは。

そうです。ブランシュルーヴ王女にひっついて、グランドロンにやって来て、ハンス=レギナルドと再会するという辺りの話ですね。
今回、ハンス=レギナルドではなくてオットーという人物を登場させたのは、サキさんの作品と状況を合わせるためでした。
ハンス=レギナルドだったら、手を出さずに朝まで我慢なんてあり得ませんし(笑)

オットーは、そりゃ手は出せません。そもそもここは自分にあてがわれた部屋じゃないし。
ジプシーに加わって出奔するようなとんでもない侯爵令嬢がいるなんて想像もできないでしょうし、なんの罠かと疑っても当然の状況ですよね。
ハンス=レギナルドは……いやあ、あるかも。朝まで戻ってこなかったということは、どっかのお姉さんのお褥に潜り込んじゃったのでは。
オットーは本当に踏んだり蹴ったりですよ。
しかも後にこの女が女主人になるって(笑)

コメントありがとうございました。
2024.02.08 22:28 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんばんは。

ほんとうにろくでもないお姫様ですよね。
エレオノーラは、ここまでひどいと分かっていないのかも(笑)

感染症の心配は、このフルーヴルーウー夫妻に関しては「どっちもどっち」でしょう。
ま、無事に子孫ができて、マックスにいたるわけですが。

ハンス=レギナルドは、朝まで戻ってこなかったということは、たぶん目的とは違うお嬢さんか奥さんのところで一夜を明かしちゃったんでしょう。オットーは踏んだり蹴ったりですよ。

ジュリアは、婚姻の儀に新王妃と一緒に参列していましたので、レオポルドがオットーに親しく声をかけているときに、話を聞いていたと思います。オットーの方からはヴェールを被っている女たちの顔は見えないのですが、ジュリアの方からはハンス=レギナルドもオットーもバッチリ見えていたはずです。それでオッターと呼ばれていることはわかっていたのですね。

オットーは、戻ってきたハンス=レギナルドに真面目に報告すると思います。「意氣地なし」と言われてしまいましたが、立派な騎士らしく主の帰りを待ったと文句たらたらで報告したんじゃないかしら。

さて、この作品、これまで存在しなかったオットーという人物をわざわざ創作してまで書いたのは、ヒトリがしたみたいに男の部屋にやって来て危険も顧みずに寝ちゃうようなキャラがジュリアしかいなかった、そして、ハンス=レギナルドだったら、絶対我慢なんかしないから、だったのです。

サキさんのところのお2人とは、状況もキャラクターの性格もまったく違うのですが、ごく普通の女性はあまりしない特別な、しかも男性が我慢している謎の一夜、書けて楽しかったです。

今年も素晴らしい作品でのご参加、ありがとうございました!
2024.02.08 22:46 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんばんは。

出発点が「よく知らない男の部屋で、寝ちゃうふつうはあり得ない行動」だったので、「ちゃんとした女が、何らかの理由でそうなった」じゃなくて「ろくでもないあばずれ女に真面目で理性もある男が面食らう話」で組み立ててみることにしました。

オッター、そりゃ手は出せませんよ。
どこの誰かわからないし、とんでもないことになる可能性大きそうですし。
ま、誰だかわかっても手は出さないかも。
分別あるののどこが悪いってところでしょうか。
ジュリアみたいな破天荒な人間と関わると、ろくでもないことが待っていそうですよね。

キャラクターはいっぱいいるわたしの小説界でも、ここまでとんでもない女はこの人だけですので、書くときにはそれなりに楽しんでいます。

コメントありがとうございました。
2024.02.08 23:02 | URL | #9yMhI49k [edit]

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