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scribo ergo sum もの書き・八少女 夕のブログ Since March 2012


Posted by 八少女 夕

ヒヒが座っていた場所

これは南アフリカのカルーの夕陽


思い出した光景があります。

ケニアのマサイ・マラ国立公園に三週間ほど滞在した事があります。ムパタ・サファリ・クラブという、日本人の経営するホテルに滞在しながら環境と自然について考えるムパタ塾に参加したのです。ムパタ塾の事は話すと長くなるので、今回はこれまで。

で、その中央棟の前にバブーン・バーと呼ばれていた場所がありました。テラスに大きな石でバーを作っていたのですが、誰もいない時にバブーンがぽつんと座って夕陽を眺めているのだそうです。

そこから見る夕陽の壮大さは、なんとも言葉を失うものでした。見渡す限りの草原に、点のように小さく見える草食獣たちの群れがいて、そのずっと先に地球が本当に丸いのだとわかる地平線が広がっているのです。そして、そのすべてが真っ赤に染まっていきます。赤く、赤く、暖かい色なのに、苦しくなるほどの切なさが胸に迫る色です。

あの時、私はまだ現在の夫に出会っていませんでした。彼に初めて会う、一ヶ月ほど前の事だったのです。ずっと一人だったし、これからも一人なのだと思っていました。しっぽは出さないように慎重にしていましたが、たぶん多くの人に見破られていたように、社会から浮いていました。無理矢理合わせて生きるには、違和感が大きくなりすぎていました。どこに行っていいのか、何をすればいいのか、わからなくなっていました。

群れから離れて、ぽつんと夕陽を眺めているというバブーンの話が、自分に重なりました。

日本に帰ってから、新しく学校に通って、再び食べていける職に就きましたが、たぶん心はまだあのバブーン・バーで夕陽を眺め続けていたのだと思うのです。彼から、最初の手紙が着くまで。

型破りな人で、たぶん99%の女性は、彼のような伴侶は絶対に選ばないと思います。現実に、私にはライヴァルの女性はまったくいません。(男性にはとてももてるのですが)
でも、たぶん、私と一緒にバブーン・バーに黙って座ってくれる、たった一人の人です。

この世は不思議に満ちています。あり得ないと思っていたことが起こりました。探していたものが見つかりました。私は、あまり信心深い方ではありませんが、ある聖書の言葉が心にしみます。「求めよ、さらば与えられん」
関連記事 (Category: アフリカの話)
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Category : アフリカの話

Comment

says...
あら、いい話とはこのことなのでしょうかwwケニア……マラソン大国という印象しかないですが、その夕陽惹かれました。

リクエスト記事が決まりました。
>環境と自然について考えるムパタ塾
その塾、なんぞや、ですww
2012.11.13 06:52 | URL | #- [edit]
says...
胸に染みる程いいお話しですね・・・
素敵なお話しであるのと同時に、今の旦那様に出逢われる前の八少女さんの寄辺ない心も伝わってくるようでした・・・
心の居場所というのでしょうか、その人がいて初めて「自分がここに在る」と実感出来るような・・・
八少女さんの作品に登場する人物達と、このお話しが不思議と優しく重なるような気がしました。
男性にもてる男性って、最高だと思います!!
純粋に人間的な魅力を兼ね備えていらっしゃるのだと思います^^
夕陽の写真も、すごく綺麗です・・・この世界にこんな風景があるんだ・・・って思いました!
2012.11.13 12:20 | URL | #- [edit]
says...
私にも…私にも…求めれば彼女が出来るのでしょうか…

最近本気で怖くなりつつあります。
この歳まで、恋愛に無関心だったのが、仇になりました(。・ω・。)
2012.11.13 12:42 | URL | #SIR.BgG2 [edit]
says...
おじゃまします

あぁ!まずい
羨ましいのを飛び越えて
妬ましい気持ちになりそう

なんてね、私人の幸せ話大好きです
(本当ですよ)

私の場合うまくいかないのは
求める気持ちが甘いからかしら(笑)

能が恋人になりそうで怖い、今日この頃なので、
この話ツボでした(笑)
(絶対進展しそうに無い女友達は多いのですが・・・)

おじゃましました
2012.11.13 12:53 | URL | #- [edit]
says...
 こんばんは。
エジプトで ナイル川の畔に 鳥の木と呼ばれている 木があったのですよ。
特別に その木に特徴があるわけでもないのに 何故か その木には
鳥が集り 止まっている。
黒い大きな からすの様な鳥でした。
地元の方も 何故 その木に鳥が集るのか 理由は解らないと言うのですが
その木を 鳥の木と呼び その木に鳥が集ることを 当然としていたのですよ。
其の鳥たち 夕日を見ていたのかなぁ と 八少女さんの話で 思い出しました。
2012.11.13 13:41 | URL | #- [edit]
says...
こんばんは。

アフリカはですね。一度行った人は必ず戻ってしまうと言われています。それで、アフリカリピーターはみな「里帰り」というのですよ。普通の社会人にはなかなか行ける所ではないので(期日に帰って来れる保証もない)、お金はなくても時間はある大学生のみなさんにはおすすめです。世界が変わります。もっとも、今どきの学生さんって私たちの頃より忙しいんですよね〜。

お! リクエストありがとうございます。このネタが興味を呼ぶとは。近日中に書きますね〜!

コメントありがとうございました。
2012.11.13 18:22 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんばんは。

本当はメインだったはずの「寄辺ない心」の話がいつの間にか……。
どきどきっ。さすが canariaさんは鋭いっ。そうなんです。そろそろ私の全小説の(先日、私の書いているものは正確には小説ではないらしいという事がわかったけれど、とりあえず小説という事にし続けます)メインテーマが言い当てられちゃうかもなあ。
うちの連れ合いは、ケイ様などのような麗しい男性とは真逆の、腹の出たオヤジですが、今後も仲良くしていきたいですね。私に合う人は他には見つからないでしょうから。

写真は南アフリカのカルーというところですが、この美しさと同時に想像を絶する世界でした。この話は、またいずれ記事のネタに(笑)

コメントありがとうございました。
2012.11.13 18:29 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんばんは。

「求めれば必ず与えられる」は保証できないんですが、逆は保証できます。「求めないと与えられない」ですね。私もすごく遅かったのですよ。「一人でもいいや」の時期が長くて。個人的には、たとえ40歳や60歳でも遅すぎるという事はないと思いますし、反対に、本当に合わない人と一緒になるくらいなら、一人の方がいいとも思ったりします。夢を壊して申し訳ないのですが、この歳になると、かつてラブラブであったカップルがどのように見事に崩壊するかもいろいろと目の当たりにしてしまっているので。

Fランナーさんはとても真摯で素敵な方ですから、きっといい出会いが待っているんじゃないでしょうか。

コメントありがとうございました。
2012.11.13 18:37 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんばんは。

どうでしょう。そうへいさんが本氣を出されたら、女性はわらわらと寄ってくると思いますが。
ティーンはともかく、ある程度人生を歩んだ女は、自分の世界を持っている男性に弱いですからね。ただ、寄ってくる女性がお好みかどうかはまた別問題。それと今は、オンリーワンの存在が必要とはしていらっしゃらないという事もありますよね。なんといっても、いろいろと面倒な事もありますし。
絶対に発展しそうにない女友達がいるってのは素晴らしいです。私もそういう存在になりたいです。

コメントありがとうございました。
2012.11.13 18:52 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんばんは。

ええ〜。ウゾさん、そういう木をご覧になったのですね。
それは羨ましい。
夕陽を眺めていたのかもしれませんし、特別な木で鳥が集まるのかもしれませんね。
そういう特別な光景を見るのはとても幸福な事ですよね。お父様と一緒にご覧になったんですよね。
その光景を想像してしまいました。

コメントありがとうございました。

2012.11.13 18:55 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2012.11.14 03:33 | | # [edit]
says...
こんばんは。

結局わかっていないのか、私? ですが、ひとまず、このまま続けてみようと思います。
せっかくなので、もう少しその辺の所を意識しながら書いてみますね。
かなり目から鱗でしたので。
いつも、ご指導ありがとうございます。
2012.11.14 18:24 | URL | #9yMhI49k [edit]

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