FC2ブログ

scribo ergo sum もの書き・八少女 夕のブログ Since March 2012


Posted by 八少女 夕

ムパタ塾のこと - 7 -

サイ

このクロサイは水辺にひっそりと佇んでいました。他の草食動物たちは、群れになって、いつも肉食獣たちに狙われているにもかかわらず楽天的な顔つきをしているのに、サイは世をはかなんでいるようでした。

保護政策によりわずかに生息数が増えているとはいえ、あいかわらず絶滅の危機にさらされているクロサイ。絶滅の危機にさらされるのは、密猟が後を絶たないからです。犀角という漢方薬にするために主に韓国人が血眼で買いあさっていると現地では言っていました。もちろん密猟をするのは現地の人間です。角一本で彼らの一年分の収入にも当たる金額を出すというのです。

自分が殺している動物が絶滅の危機にあるということを、密猟者たちは意に介しません。動物の絶滅の危機、人間のエゴによって他の生物が永遠に失われるというような概念に対して、まったく意味を見いださないのです。それは、単純に「教育の問題」と片付けることは出来ません。彼らがどれだけ貧しく、搾取され、密猟でも盗みでも構わないと思うほどの、むしろそれを悪く言う白い裕福な人間たちの「ひとごと」に怒りを感じているか、それを理解しなければ、この問題は解決しません。もちろん、犀角で大もうけをしようとしてる依頼者と、絶滅危機にあるサイの角と知っていて買う消費者が悪いのです。

けれど、これは、サイだけの問題ではないでしょう。

クロマグロに話を置き換えて考えてみましょう。私はマグロが大好きです。美味しい大トロに、目がありません。けれど、価格が高騰したために乱獲が進み、絶滅が危惧されるという流れはサイと変わりません。誰かが大もうけするために、種の存続が危機にさらされる。これを止めるためには、消費者が高いお金を出して求めるのをやめ、儲からない生きものにするしかないのだと思うのです。

クジラを食べないようにするのは、私には難しいことではありません。子供の頃、給食に出てきたので食べましたが、死ぬまでに再び食べてみたいというものでもありませんでした。でも、日本に帰ったら、美味しいトロを食べてみたいという誘惑にはかられます。そういう時には、あの哀しいサイの立ち姿を思い出して、思いとどまろうと思います。幸い、日本では完全養殖に成功し、食卓にものぼるようになってきたとのこと、今後の普及に期待したい所ですね。

関連記事 (Category: アフリカの話)
  0 trackback
Category : アフリカの話

Comment

says...
世をはかなむクロサイ。
人って哀しいですね。
トロよりも赤身の方が好きな私ですが
私もこのクロサイの立ち姿を、深く胸に刻んでおこうと思います。
2013.02.02 07:27 | URL | #- [edit]
says...
 こんにちは。
大トロも 昔は 高級品ではなく 捨てていた部分で 貧乏人が安いから食べていたようなモノなのに
価値観が変わってしまって 今では すっかり高級品。

クジラは絶滅の危機でないですからねーー 何方かと言えば クジラが増える事により
クジラの消費する 小魚が莫大な量となり 生態系に影響を与えていると言う説もありますね。

日本のクジラ漁は 世界から不評ですからねーー
しかし 文楽とかは クジラが使われている どうするのかねーーー 
2013.02.02 09:49 | URL | #- [edit]
says...
こんにちは。
こちらでは、はじめまして、ですよね。

このムパタ塾では、いろいろな環境問題を学んだのですが、どれも他人事になってしまわないように、現実の世界に意味のあることを学ぼうとしてきました。どの国民の、誰か特別な人が悪いではなくて、自分の問題として行動に移すことが大切なのだと。

宣言倒れにならないように、これからも考え行動に移していこうと思っています。

コメントありがとうございました。これからもどうぞよろしくお願いいたします。

2013.02.02 11:49 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
おはようございます。

マグロもクジラも世界の多くの国の人たちにとっては「どうしても食べなくてはいけないもの」ではないからよけい騒がれるっていうのはあるんだけれどね。

でも、クロマグロに関していえば、日本は確かに消費し過ぎなんですよね。高級な和食というと必ず出てくる。ある種の宴会に行くと、常に舟盛りのお刺身が出てきて、そこには常にマグロが載っている。そして、年間で大変な量の魚が食べ残されて廃棄されている。マグロにかぎらず、ですけれど。この意味のない大量消費のサイクルは変えてしかるべきだと思うんですよね。大体、宴会で出て来る料理って、どう考えても食べられないとはじめからわかっている量だったりするのです。

基本的に、遠洋漁業で、ごっそりと海をさらうような欲張りなものの食べ方ではなくて、自分たちの周りで穫れる範囲の、しかも自然の迷惑にならない量を謙虚に食べる。そういう姿勢を持つべきだと思っています。

個人的には、文楽に使うくらいの量だったら、本当に「調査」で済む程度だろうから、別にいいと思うのですが。どうでしょう。

コメントありがとうございました。
2013.02.02 12:10 | URL | #9yMhI49k [edit]

Post comment

管理者にだけ表示を許可する

Trackback

trackbackURL:https://yaotomeyu.blog.fc2.com/tb.php/451-a31f9c1f