FC2ブログ

scribo ergo sum もの書き・八少女 夕のブログ Since March 2012


Posted by 八少女 夕

創作に関するバトン、ですって

今日は、ホワイトデー。(六甲山ホテルで驕ってもらった誰かさんは、どんなお返しをしたのだろう……。すみません、内輪受けなことを書いています)

さて、ブログのお友だちのTOM-Fさんと山西左紀さんがほぼ同時にやっていらっしゃっていたんで、急遽、私もやることにしちゃいました。



1、小説を書く際、資料などは使いますか?
 使いますねぇ。普段はネットが基本ですが、大きな小説の場合は日本から資料となる本を取り寄せることもあります。

2、プロットやフローを用意しますか?
 長編はね。でも、主要シーンから突然書いて間を埋めるなんて事もします。作品によりけりです。「樋水龍神縁起」は詳細にわたって用意しましたが、「大道芸人たち」は、かなり適当に……。

3、小説をどこかに投稿したことはありますか? 
 昔は同人誌、今は商業誌である「Seasons」、それからWEB月刊誌の「Stella」に出しています。

4、あなたの小説(文章)で一番影響を受けている作家様は誰ですか?
 ヘルマン・ヘッセでしょうね。

5、あなたの書いた情景描写。そのなかで一番好きなものを一つ。(ネタバレなどは伏せ字でかまいません)

 空は燃えていた。丘の上に立ち、初めてみるこの広大な朝焼けに立ちすくむ。樋水の東にはいつも山が控えていた。瑠璃媛は朝焼けを見た事がなかった。これほど広い地平線も見た事がなかった。向こうに遠く村が見える。今まで一度も行ったことのない村。一度も会ったことのない人たち。そしてもっと遠くには春昌の帰りたがる京がある。瑠璃媛にとって京とは極楽や涅槃と同じくらいに遠いところだった。そこに誰かが住んでいることは聞いた事があっても自分とは縁のないところであった。瑠璃媛にとって世界とは樋水の神域の内と外、奥出雲の森林の中だけであった。そこは瑠璃媛にとって安全で幸福に満ちた場所だった。
 安達春昌に遭い、瑠璃媛はまず心の神域を失った。龍王とのつながりを失った。場としての神域と奥出雲を出ることで、氣の神域を失った。そして、安達春昌にすべてを与えたことで肉体の神域も失った。瑠璃媛は今、あらゆる意味での神域から無力にさまよい出た一人の女に過ぎなかった。その類い稀なる能力をすべて持ったまま、それをまったく使うことのできない裸の女に変貌していた。その心もちで、朱、茜、蘇芳、ゆるし色、深緋、ざくろ色、紫紺、浅縹、鈍色と色を変えて広がる鮮やかな空と雲を眺めて立ち尽くした。

「樋水龍神縁起 第一部 夏、朱雀」より



6、上記の心理描写verをお願いします。

 ゆりの魂が夢に見て、朗が感じ取ることができるのは悦びとともに受ける風だった。馬の上での、Kawasakiの後ろでの。苦しみや不安が押し寄せる前の、至福の時間だった。それは当時の朗の魂も同じように共鳴した悦びでもあった。肉体が消え去り、言葉や概念が届かなくなっても、まだ残る輝かしい想い。二人の体は乳白色に輝いていた。
 そして朗の心には次々と忘れられない光景が去来していった。蝉時雨の降り注ぐ丘の上の抱擁、泡雪の降りかかる満面の笑顔、十二単姿で翡翠の勾玉を差し出す真剣な表情、魂がもどり開かれたアーモンド型の双眸、菩提樹の黄葉が降りしきる下のはにかんだ微笑み。朗と一緒に紡いで来たゆりの時間だった。
 蜻蛉の薄羽色の被衣を持ち上げてこちらを見る女は、もはや瑠璃媛ではなかった。それは今のゆりでも過去のゆりでもなかった。肉体が代わり変わろうとも全く変わらない魂の顔をしていた。月夜に浮かび上がる濡れた白いからだもゆりの肉体ではなかった。体の奥に潜む、薔薇色の輝きを放つ魂そのものだった。
 常に側にいられる郎党の次郎に、一緒に笑い転げている高橋一に、当たり前のように共に泳ぐ龍王に対して燃やした激しい嫉妬の炎がようやく鎮まっていった。奪っても、力の限り抱いても決して満たされることのなかった渇きもようやく癒されていった。
 それはお互いの肉体の中にはなかった。共に過ごした短い時間の中にもなかった。けれど二人の内に常に存在していた。太古、二つの魂は一つだった。そして、二つに別れた一つの魂は、再び一つになることを熱望していた。その願いは叶い、いまようやく一つになれたのだ。風は悦びを載せて走っていく。
 部屋の奥まで差し込む明るい月の光に照らされて、みじんも動いていない二人の周りを、至福の風が通り過ぎていく。広縁の向こうでは、春の訪れを報せるレンギョウの葩が緩やかに舞っていた。動くものはそれだけだった。

「樋水龍神縁起 第四部 春、青龍」より


情景描写と心理描写が全然書き分けられていないぞ……。

7、あなたが書いた小説で登場した台詞。好きなのを三つどうぞ

「ねえ。新堂さん」
「なんだ?」
「ちょっと、見直しちゃった。今回はゆりさんのために遠慮するけど、次に生まれ変わったら、猛アタックするから覚悟しておいてね」
「光栄だな」

「樋水龍神縁起 第四部 春、青龍」より


「聖ヴァレンタインの夜のディナーはあんたと一緒に食べたかったの」
それからちらっと壁時計を見てから付け加えた。
「あと40分しか残っていないから、早くして」

(出典はまだ内緒)


 電車は動き出した。ヴィルは蝶子の傍らに立った。そのヴィルを鬼のごとく睨みつけると騒音に負けないように蝶子は叫んだ。
「本氣の恋なんてまっぴらよ。それなのに、なんでよりにもよってあんたなのよ!」
 ヴィルは起こった奇跡を信じられないまま、列車が完全に過ぎ去るまで蝶子の泣きそうな美しい顔を見つめていた。それから、風に踊る蝶子の髪と頬の間にそっと手のひらを滑り込ませ、感無量の声にはまったくそぐわない、いつもの無表情で答えた。
「それはこっちの台詞だ」

「大道芸人たち Artistas callejeros」より


このバトン、傍目から見たら、そうとう痛いんじゃないかしら……。ええい、なんでもいいやい。本人は氣にいっているんです! (開き直り)

8、あなたが書いている小説の先の展開で、これは! と言う台詞をどうぞ。
 どこで、誰が、誰に言うかは、内緒。(って、なんとなく、わかるか)
 

「じゃあ、今夜くらいは、お互いにその忌々しい運命に休日をあげない?」

(出典はまだ内緒)



9、執筆中音楽の類いは聴きますか?
 執筆中というか、構想(妄想)段階で聴きまくります。好きな音楽で、作品ができます。

10、日々の生活で、「あのキャラならここはこうするだろう」「あのキャラならこれを選ぶだろう」といった妄想が展開されることはありますか?
 ありますかって、私の脳内は、ほぼそれだけで占領されております。

11、これから小説を書かれる方などに、アドバイスなどがあれば。
 まだ一度も書いたことのない方で、書いてみたいと思われていらっしゃる方がいたら。ええとですね。名作を書こうとしないで、とにかく完結させるのが第一だと思います。完結した後で、自分の作品が大好きだったら、もう、あなたもお仲間です。一緒に書いていきましょう!

12、バトンをよければ五人程に回していただければ……。
 まわすんですか? やってくれる人いるかなあ。よかったらやってみてくださいね。
関連記事 (Category: もの書きブログテーマ)
  0 trackback
Category : もの書きブログテーマ

Comment

says...
>ありますかって、私の脳内は、ほぼそれだけで占領されております。

メッチャうけてしまった。(笑)
あ~、でもそうだろうなぁっと。
何だか妙に納得してしまった^^
2013.03.14 08:29 | URL | #G5P3Ad7M [edit]
says...
 こんばんは。
ヘルマン ヘッセですか 何と無く ああっ と解りますね…

何か いいですねーー 八少女さんの雰囲気の一端に触れた様な気がします。
キャラの行動を妄想し 音楽を聴いて想像するーーー
僕も 数日のうちに やってみようかな。
2013.03.14 11:16 | URL | #- [edit]
says...
こんばんは、TOM-Fです。

情景描写、心理描写とも、情熱的ですね。しかも美しい。
書き分けなんて、いいんじゃないですか、「情景」なんですから。

八少女夕さんの小説を読んでいていつも思うんですが、セリフがかっこいいですね。洒落っ気もあって、映画のワンシーンを観てるみたいです。私のは力みすぎてて、野暮ったいな~。

バトン、受け取っていただいてありがとうございました。
2013.03.14 12:11 | URL | #- [edit]
says...
おぉ!そういえば今日はホワイトデーでしたね。
3人の男どもはどんなお返しをしたんでしょう?倍返しで……

夕さんは短いものはプロットやフロー(この言葉も使うんですね。知らなかった)を用意しないときもあるんですか?
そうなんだ。それも有りなんですね。
情景や心理の描写はやはり山西とは違いますね。
構成に旨味を感じます。いろんな表現が出来る夕さんを羨ましく思っています。
艶っぽいし。
バトンが渡って嬉しいです。
2013.03.14 14:21 | URL | #0t8Ai07g [edit]
says...
こんばんは。

そうなんです。周りがドイツ語で語り合っている時に、飽きちゃって、一人で別世界にトリップしたりしています。
日本人といる時にも、それをやったりして「失敗、失敗」なんてことも……。

コメントありがとうございました。
2013.03.14 20:55 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんばんは。

私のバイブルは「デミアン」ですから(笑)

そうそう。音楽聴いて、妄想しています。もうじき休暇だから、再び妄想モードに入ります。

ウゾさんも是非やってください。楽しみにしていますよ〜。

コメントありがとうございました。
2013.03.14 20:58 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんばんは。

えへへ。褒められると木に登ります。
小説の書き方とか、ちゃんと勉強したことがないので、あまり考えたことがないのです。
たぶん、客観的に書いていないかもしれませんね。

セリフ、かっこいいですか? かっこいい人に憧れているからかなあ? こういう人は、こういう風に話すかなと思って書いています。TOM-Fさんのところの登場人物たちも、とっても「らしく」話されていますけれどね。

楽しいバトンをありがとうございました。
2013.03.14 21:06 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんばんは。

言い出しっぺの稔はしぶしぶ、レネは心を込めて、倍返しをして、ヴィルは「俺は日本人じゃないから知らん」とか言っていそうです。本命のくせに。

プロットを書くより先に本分が書き終わっていることもあります。scriviamo!はたいてい、お題をいただいてから二日で書いているのでプロットを書かなくても忘れないし。フローは書いたことありません。

私も左紀さんの繊細で丁寧な表現に憧れるんですが、私の場合、いくら時間をかけても何も変わらないんですよね。なんでだろう。

楽しいバトンをありがとうございました。
2013.03.14 21:20 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
コンパクトにきゅっと詰まっているみたいな、素敵なバトン、楽しませていただきました。
まだ私は夕さんの世界に片足を入れかかっている?初心者の段階なので(打ち間違えたら、初心者の檀家ってなってびっくり。でもいい得て妙…)、皆さんと違って『入門書的感じ方』をしたかもしれませんが…
色々ちら見ができて、すごくおいしいバトンでした(^^)

台詞、粋ですね。何だか江戸っ子チックな?勢いのある、私にとっては琴線に触れる言葉ばかりでした。
これから夕さんの物語をひとつひとつ読んでいくのがますます楽しみになりました。
わたしもバトン、してみようかな。
こんなに素敵じゃないけど…
2013.03.15 03:57 | URL | #XbDIe7/I [edit]
says...
こんばんは。

バトンを渡してくださった、TOM-Fさんと山西左紀さんの所でも思ったのですけれど、個性がどどって現われるバトンみたいです。

私の小説は、かなりの確率で脳内妄想から生まれるので、妄想中にキャラが喋ったことがみなセリフになってきます。じゃじゃ馬なキャラが多めかもしれません。

彩洋さんのも読みたいです。ぜひぜひ、やってみてくださいませ。

コメントありがとうございました。
2013.03.15 19:07 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
おはようございます^^

いいですね~~このバトン^^
あらためて八少女さんの描写も読ませて頂きましたが
カッコ良くて、悶えました。
セリフに登場人物たちの性格が映し出されているようです。

出店未定の部分はどこで使うのかしらとドキドキですし
大道芸人達のあの場面は、ぱっと脳裏に浮かびました!!

私もやってみたいです^^
持ち帰って挑戦しようかしら。
楽しませて頂きました♪
創作系の面白いバトンの紹介、ありがとうございました^^
2013.03.15 22:55 | URL | #GWG7oyQ. [edit]
says...
こんばんは。

いいでしょう、このバトン。TOM-Fさんと左紀さんのところで見たら、うずうずしてやりたくなってしまいました。

YUKAさんのもぜひぜひ読みたいです〜。バトン受け取ってくださいませ! 読ませていただいたコラボ小説の感想もまだ書きにいっていなくてごめんなさいね。明日から海外旅行なのに、いまごろ荷物詰めているのです。帰って来たら、かならず感想書きに伺いますので! それまでにゆなさんがケイ様に心さらわれちゃわないか、心配!

コメントありがとうございました。
2013.03.15 23:13 | URL | #9yMhI49k [edit]

Post comment

管理者にだけ表示を許可する

Trackback

trackbackURL:https://yaotomeyu.blog.fc2.com/tb.php/509-c75474d3