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scribo ergo sum もの書き・八少女 夕のブログ Since March 2012


Posted by 八少女 夕

日本に憧れる外国人の住まい

今日は、なんとなくの雑記です。カテゴリーも困りました。「思う事」なのか「構想・テーマ」なのか。で、迷ったあげくに「写真」。いいのか、それで。

小泉八雲記念館にて

海外に住んでいる日本人という立ち位置から、私はたぶん平均的日本人よりも外国人と接する機会が多いです。そして、異文化交流という視点が自分の中で常に流れるテーマになってしまっていて、作品の中にも良く登場する事になります。

で、外国人にとっての日本なんですが。日本人にとって日本は生活の場であり、歴史は歴史、文化も文化、それと別にまず生活があるという立場に立たれる方が多いのではないでしょうか。それと比較すると日本の事を好きな(もしくは好きでもないけれど関わらざるを得ない)外国人にとっては日本は特別な場所で、だからどこでどんな風に暮らすかがとても大きなテーマになっていると思うのですよ。

わかりやすくするために逆のパターンで話をしましょう。平均的日本人であるAさんが例えばモロッコに住む事にしました。Aさんにとっては映画「カサブランカ」のイメージこそが正しいモロッコです。だからエキゾティックな迷路のごとき旧市街のなかの植民地時代から変わらないオリエンタルな住まいで、オリエンタルな調度に囲まれて暮らしたいと、自宅に車を停められないような部屋を借りるなんてこともあるでしょう。

日本好きの外国人にもいろいろなパターンがあるのですが、大別すると「日本の伝統文化大好き」と「アニメやマンガ大好き」に別れると思います。もちろんこれ以外の人たちもいますが、あまり細かく話しても意味ないし。

で、「日本の伝統文化大好き」の外国人は、頑張って伝統的家屋に住んじゃったりするわけです。日本人だったら「お風呂が自動給水できて、クーラー完備で、床暖房があって、コンビに近くて、宅配便ポストあり」な住まいの方が便利だと思うでしょうが、「檜のお風呂につかり、浴衣姿となり畳の部屋から庭を眺めて、鉄瓶で湧かしたお湯でお茶を飲む」生活を夢みたりしているわけです。

で、そういう方々は東京よりは地方を好む傾向もあります。「アニメ・マンガ・日本のサブカル大好き」外国人は都会を好むのと対照的で。地方の方が伝統的な日本の美がたくさん残っていますから。

私の書いている小説では、先日登場させた和菓子職人ルドヴィコというイタリア人がこのパターンです。どこに住んでいるのかははっきりとは書きませんでしたが、ココうささんにしっかり見破られてしまったようにイメージは松江です。松江にある小泉八雲記念館(上の写真)は、彼が住んでいた家屋をそのまま公開しているのですが、私の中ではルドヴィコはこういう家に住んでいます。プラスチックはこういうインテリアと彼の美意識に合わないので一切使わないという偏屈ものです。

別に外国人でなくても、日本の古来の建築様式や暮らし方をしっかり守られている方もいられるでしょうが、実は私の周りにはいなくてイメージがつかみにくいのです。というわけでこの手のテーマには「日本大好きガイジン」に出没してもらっています。
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Comment

says...
 こんにちは。
はいはい いますねーーー 妙に 日本文化に詳しい外国の方!!!!
そして 妙に情熱的だったりするのですよーー 
日本語を学習している外国の方の かなりの割合が 日本のアニメを其の儘見たい だったりしますからね。
日本語学習中の外国の方が 漢字には 何故 何種類もの読み方があるんだぁ と嘆いていたり…

一人 イギリス人の方で… 元々は アニメ大好きで 日本にやって来て 英語を教えていた方なのですが
其の教え子と結婚して… 問題は 教え子の実家が杜氏…
見事に 必要以上に 日本にかぶれた外人になってしまいましたね… 
2013.06.11 06:46 | URL | #- [edit]
says...
私もこんな生活をしてる日本人なんて
おどろおどろしい推理小説ぐらいでしか想像できない
(最初に思いつくのがこんなのもどうかだけど)

維持費も大変らしく古くからの家は
売られて観光施設になってたりしてますです
日本人の成金ならこんなところには住まないだろうし
2013.06.11 09:22 | URL | #- [edit]
says...
コメントお久しぶりで失礼致します。
確かに、その国に憧れての住まいだと、「モロッコ」のくだりは
まさしく!ですね。
ルドヴィコは松江の堀川が好きで、きっと結婚するとき、堀川めぐりの船に
乗りますね。新郎新婦として、彼女は綿帽子より角隠しが似合うと思うのです。
あー、やっぱり夕さんの小説は登場人物が本当に「そこにいる!」みたいww
2013.06.11 13:21 | URL | #- [edit]
says...
古き良き日本ってよう言いますけど、
外国から見ると日本=和であってそのイメージが濃い一方で、
逆に日本人も映画とかそういう影響で
「あの国はこんな感じ!」
って理想を抱くんだと思います。

でも、日本の住まいって結構ようできてるんすよね。
その構造には海外の建築家からも高評価だそうで。
2013.06.11 15:09 | URL | #- [edit]
says...
いやもう、私も、行く前はイタリアって『マカロニ!』の世界でしたもの。
日本は特に、誤解されているのかもしれませんね。そもそも、宮本武蔵の五輪書を読んだ外国人の方などは、これがどの時代の本なのかって、あまり認識しておられないだろうし。ただ、三島由紀夫なんかは、それほど昔じゃないのに、ハラキリ事件として知られているから、いまでもサムライがいると思われたりするのでしょうか。でも、忍者はおらんよ!
ただ、その国や町を好きになって住むという時、生活のいささかの不自由は受け入れちゃおうという気持ちはある程度分かる気もします。私も、今でも、次京都に住むときは町屋に下宿、とか考えてたりして(下宿はもうさすがにないけど、貸家はある…)。暗くて狭くて、寒くて、不便で、さらにブームにかこつけて家賃は高いし、何もかも大変そうですけれど…
以前記事に書いた、ベナック城というお城を守っているおじいちゃんとか、アルベロベッロのトゥルッリとかサンジミニャーノの塔の家に住んでいる人たちは、そういう中に住んでいることに誇りを持っているんですよね、でなければとても住めないはず。文化とか芸術とかを守っているという誇り。
ルドちゃんの拘り、日本人として嬉しいし、好きです。
同じイタリア人の竹流も、京都に囲っている女性の家は古い京のお屋敷です。改修して、彼があちこちのお寺でもらってきた古いふすまとか欄間とかあれこれ、自分で修復して使っています。まさに、日本に憧れた、ちょっと勘違いの外国人パワーの結果、かもしれません。
この話題、とても面白いですね! 楽しませていただきました。
2013.06.11 15:45 | URL | #nLQskDKw [edit]
says...
こんばんは。

一度好きになるとハマるみたいですね。
ヨーロッパからも、アメリカからも、日本って遠いので、「それでも来る! 大好きだもの!」の方々の氣合はなかなかすごいものが。

杜氏かあ。継ぐのかなあ。それは大変。

コメントありがとうございました。
2013.06.11 20:29 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんばんは。

「鵺の鳴く夜は恐ろしい」みたいな?
そうですね。維持費、かかるでしょうね。文化財に指定されちゃったりすると、勝手に改築も出来ませんしね。
日本に帰国してもきっとこういう家には住まないと思うけれど、ちょっと憧れたりはします。
ずっと日本に住んでいたら、そういう事は思わなかっただろうな。

コメントありがとうございました。
2013.06.11 20:34 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんばんは。
こちらこそ、すっかりご無沙汰してしまい、さらに承諾なしにお名前も出してしまいました。

モロッコに移住したドイツ人の話をテレビで見たんですが、本当に「カサブランカ」と変わらないような状態で住んでいて、維持がものすごく大変だっていっていました(笑)

おお、あのお船、結婚式で乗れるんですね。角隠しと羽織袴! 風流ですね〜。いつかそのシーン書いてみたいなあ。って、まだそんなところまで全然行っていない二人。怜子の両親のところに頭下げにいくのかなあ……。素敵なアドバイス、ありがとうございます!

コメントありがとうございました。
2013.06.11 20:39 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんばんは。

日本にはたくさんヨーロッパの映画が来ているけれど、ヨーロッパだと結構に本の映画やドラマみたいなものを見る機会が少ないので黒澤映画のイメージを持っている方もいらしたり(笑)

日本の伝統的建築は、やはり日本の氣候や風土に合っているんだと思いますよ。それにお庭の緑や鹿威しのように、目や耳で凉をとるといった工夫もされていますよね。

コメントありがとうございました。
2013.06.11 20:44 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんばんは。

忍者はいないはずなのに、映画に出てきたりするので誤解されていますよね。
あと、映画『SAYURI』(Memoirs of a Geisha)で、いまいち違う芸者像が広まっちゃったりとか、花魁と芸者と舞妓がごっちゃにされているとか、やはり日本は遠いなあと思ってしまう事も。

誤解の別の例をいうと「カミカゼ」が自殺行為の事になってしまっている。神風特攻隊が省略された結果なんですけれど……。ああ、どんどん話がずれていく。

実はですね。スイスをはじめとするヨーロッパには、昔ながらの暮らしをわざわざする人がけっこういるんですよ。火を焚かないとお湯も沸かせない台所の、昔ながらの石の家をわざわざ買う人とか。だから、日本に行ったかぶれガイジンは、やっぱりそういう暮らしにこだわるだろうなというイメージ、あります。

ルドはただの和菓子職人だから、借りたままで細々と暮らしてそうですが、竹流の京都の別宅は、古ふすまといいつつよく見ると「え。これもしかして本物の狩野永徳?」みたいなのが平氣で置いてありそうです(笑)

コメントありがとうございました。
2013.06.11 20:58 | URL | #9yMhI49k [edit]

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