scribo ergo sum もの書き・八少女 夕のブログ Since March 2012


Posted by 八少女 夕

美酒に酔うといっても

今日は「美味しい話」カテゴリーですが、美味しかったものの話ではなくて、お酒について考えた事などを。そういっている横から、きっと私は飲んでいる事でしょう。再びポルトにおります。

自宅でティント・デ・ベラーノ

先日発表した小説「大道芸人たち 番外編 ~ 郷愁 - Su patria que ya no existe」の中でもちょっと触れたのですが、お酒の飲み方に日本とヨーロッパでは違いがあるように思うのです。

日本人である稔は、その日本式の飲み方とヨーロッパ式の飲み方を自然に使い分けている、つまりそれも彼の順応の一つとして描写したわけですが、私もそれを意識しています。

具体的にどう違うか。日本では酒は酔うために飲むもの、ヨーロッパでは楽しんでもいいが酔ってはならない、という意識を持って飲むものと大ざっぱに分けられると思います。ここで大雑把と言っているのは、当然ながら「全ての日本人」「全てのヨーロッパ人」とはくくれないからです。

ヨーロッパでは「酔っぱらう」というのは恥ずべき事に数えられます。例えば、東京の深夜、正体もなく酔っぱらったスーツを着た男性が路上に横たわっていたりしますが、それはあまり珍しい事とも言えないし、その男性がアルコール依存症で治療を必要とすると思う人は少ないでしょう。「まあ、酔っぱらいたい時もあるよね」と勝手に理解してあげてそっとしておく、それが日本の社会における酔っぱらいの地位ではないかと思います。

アルコールハラスメントのことがしばしば話題になるのも、そもそも日本人に「人を酔わせて何が悪い」と思う人が多いからだと思います。自分が酔っぱらうのを恥ずべき事だと考えているヨーロッパでは、それを人に強要するのはそうとう問題のある思考回路とみなされます。

だからといって日本人が恥ずべき精神構造を持っていると言いたいわけではないのです。なぜこうなってしまうのかというと、もともと日本人の多くはお酒に弱いのです。身体の中にはアルコールを分解する酵素があるのですが、その型が人によって違います。詳しい事は割愛しますが、酵素の方によってお酒の強い人と弱い人がいるのです。そして欧米人はほとんどが強いタイプで、日本人には弱いタイプが多いんだそうです。これは遺伝によって決まっているので、鍛えても酵素が増える事はないでしょう。

そういう弱い人が強い人と同じように飲むと酔ってしまう。でも、それは珍しい事ではないので日本では「酔っぱらってもしようがないよね」の認識が広まってしまったのだと思います。弱い人をほとんど見た事がない欧米人にしたら「あんなになるまで飲むなんて、どういうことだ」なんですよね。そうです、お酒に強い欧米人だって量が過ぎれば酔います。でも、そこまで飲むのはアルコール依存症かその予備軍でしかないわけです。

一杯や二杯のワインではまったく酔わないから、ランチにワインを飲むのも当たり前だし、ワインを一杯飲んで車の運転をするのも違法ではないのです。ただし、飲めない体質の人が飲んで運転するのは危険行為なので、そのばあいは自分で断るのが常識。そして、それを強要するような人もいません。

私はごく普通に飲める方ですが、ヨーロッパでは酔う前に自分で止めます。それは自宅でも同じ。ワインだと二杯か三杯まで。カクテルやウィスキーでも自分の状態を観察しながら、飲みます。日本に帰って、周りが酔って騒いでいる時には、そりゃ普通に飲みます。一人だけ醒めていても場違いなだけですから。ただし、誰かのお世話になるほどたくさんは飲みません。お世話してくれる人もいませんしね。

関連記事 (Category: 美味しい話)
  0 trackback
Category : 美味しい話

Comment

says...
おはようございます!
健康上の理由でお酒を飲まなくなってもう6年以上になります。
お酒を飲む席は好きなんですけどね。
海外と日本との違いは参考になりますね。
私も昔はずいぶん迷惑をかけたと思っています。

大変面白く、興味深い話でした。
ではでは!
2014.03.22 01:05 | URL | #- [edit]
says...
八少女さんこんにちわ~(*´∀`*)

試したことがないので自分の限界は知らないですが、日本酒大瓶1本ぶん飲んだ程度では意識がぶっ飛びへべれけになることはナイです。途中眠くはなるけど峠を超えると意識が冴えてくるせい?

たいていお酒類は飲むと速攻眠くなり、そこから10分程度たつと、何を飲んでも、気持ちよ~くなる感覚が失せていく感じなので(眠気も冷めてしまっている)、ぶっ倒れたり意識が飛んだりっていうのは経験がナイです。

日本人と欧米人に、そんな酒に対する体質の違いがあったとは!

稔器用だなあ(*´∀`*)使い分けられる理性がしっかりしてるとは。
さすがリーダー♪
蝶子さんも使い分けるタイプでしょうか?
2014.03.22 08:13 | URL | #mQop/nM. [edit]
says...

ポルトからおはようございます。

飲めなくなられたというのは残念ですが、雰囲氣を楽しまれているのですね。私も弱くなりました。

日本では酔っても大丈夫と思う安心感があるんですよね。それはそれで、いい文化だと思います。強要はダメですが。

コメントありがとうございました。
2014.03.22 09:43 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
特に私のいる県ではそのういう飲み方の傾向が強いようで
東京人は飲み方が控えめすぎるのだとか…
日本はストレス発散する場が少ない(もしくは下手)
なのかなあと思ったりします
欧米でもアメリカは結構過激なイメージです
あとロシアとか
2014.03.22 12:15 | URL | #- [edit]
says...
確かにその辺は酒の嗜みですね。
私も酔っているところは人に見せません。
そういうところは嗜みと言ったところで、やらなければならないマナーかもしれませんね。勉強になります。
2014.03.22 12:30 | URL | #- [edit]
says...
“左紀”はお酒を嗜む(そういう設定になっています)のですが、実は“サキ”はほとんど飲みません。
チロッとなめる程度ですね。興味はありますが飲まない方が良いのです。
ですから飲んだらどれだけ強いのか、或いは弱いのか不明です。
“先”は結構飲むようです。家ではビールやワイン(特に赤)を飲んでいます。どれだけ強いかはわかりませんが、親戚には結構飲める人が多いです。
潰れているのをほとんど見たことがないので、ちゃんとセーブしているのかな。
一度だけ玄関で寝ているのを見たことがありますが、その時もちゃんと帰ってきてました。
お酒に飲まれない、これは大事な事だと思っています。
どうやら“先”はある程度これを守っているようですね。偉い偉い。
そして実際のところは“ママさん”が最強です。ガバガバ飲んでもほとんど変わりません。凄いです。

ポルトの休日羨ましいです。
ゆっくり過ごされていますか?
充分に英気を養ってください。
そして出来れば小説のネタも仕入れてきてくださいね。
ミクの話にも触れておられたので、ちょっと楽しみにしています。
でも休養最優先で楽しんでくださいネ!
では、ごゆっくり。
2014.03.22 13:46 | URL | #0t8Ai07g [edit]
says...
ヨーロッパのお酒の飲み方は、とても理性的ですね。
日本はまだまだ、お酒の強要や、飲めることがが美徳とされる考え、あるみたいです。
今でこそなくなりましたが、大学生のコンパの一気飲み、一時期流行りましたよね。新歓コンパで急性アルコール中毒になって命を落とす学生が相次いだこと、ヨーロッパの方は、驚かれるでしょう。(親にしたら、何でそんなことで・・・と、泣くに泣けないですよね)
私は、コップ一杯サワーを呑んだだけで酔ってしまうので、宴会でも絶対にそれ以上飲みません。二日酔い必至です(笑)
まあ、お酒を飲んでなくてもついついハイになって、「酔ってる?」って言われるので、必要ないかも・・・^^;
とても参考になる記事でした。
2014.03.22 13:50 | URL | #GCA3nAmE [edit]
says...
こんにちは〜。

強っ‼︎
酒豪認定ですよ。

欧米人は自分たちを基準にものを考えるので、日本の酔っぱらいの評判は悪いです。

稔に限らずヨーロッパにいると周りの反応が違うので酔っ払わなくなりましすね。
それにヨーロッパで酔っぱらいは治安から言っても危険かも。

蝶子は酒豪体質に加えて、教授のしつけでエレガントな酒豪になりました^^;

コメントありがとうございました。
2014.03.22 17:55 | URL | #- [edit]
says...
こんにちは。

あ、酒豪な県にいらっしゃるのですね。
飲ませ方も違ったりしますか。下戸にはキツそうです。

アメリカはヤバい飲み方をする階級、って感じに別れてそうです。
ロシアは、あそこは男はウォッカ漬けかも。

平均寿命が短いらしいです。

コメントありがとうございました。
2014.03.22 18:03 | URL | #- [edit]
says...
こんにちは。

その社会で、それぞれが楽しく飲めればそれでいいとおもうんですよね。
強要は良くないしルール違反だと思います。
あとは郷に行ったら郷に従うで、自分で自分に責任を持って飲むのが一番かと思います。

コメントありがとうございました。
2014.03.22 18:09 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんにちは。

大体は、失敗して自分の限界を知るのですが、一番いいのは安全なご自宅でトライすることでしょう(^^)

先さんの嗜み方も、ママさんの実は強いけれど普段は飲兵衛ではないというのも、まさに理想のお手本ですよね。
きっとサキさんもお二人のようになるでしょう。

今日、予報では雨だったのがステキに晴れています。
肌寒いですが、楽しんでいます。
また写真撮りまくってますよ。

戻ったらご報告しますね。

コメントありがとうございました。
2014.03.22 18:20 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんにちは。

体質の問題に加えて、日本の「皆に合わせる」という考え方も関係しているように感じます。
「俺が飲んでいるんだからお前も飲め」という論理は日本特有かも。健康に関することなのに断れないというのも驚かれます。ヨーロッパ人断るのへっちゃらです。

お酒入っていないのにテンションだけ上がるのは素晴らしいテクですよ。
みんなで楽しいのが一番ですから。

コメントありがとうございました。
2014.03.22 18:28 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
昔は無謀な飲み方をしておりましたが、今はすっかり大人しくなっております。多分、今の日本の若者は、一部を除いて、酔っ払うまで飲む人は減っているような気がします。飲み会でも断る人が多いし。逆に、中年くらいの年齢の人が、文化的に酔いつぶれる傾向にあるのでしょうか。時代かしら?
仕事がしんどい、気持ちを押さえつけている、気候が寒すぎる(それはロシア?)などなど、いろいろ理由があるのでしょうね。
アルコール分解酵素が民族的に少ない日本人は、やっぱり気を付けねきゃいけませんね。
私は20代に飲みすぎましたので、今はすっかり弱っています(*^_^*)
あの頃、なぜあんなに強かったのかしら? 今でも普通には飲みますが、壊れたことはありません。18年ぶりの阪神優勝の日以外は……^^;
2014.03.23 07:21 | URL | #- [edit]
says...
こんばんは。

ああ、わかる氣がします。
自分を抑えつけている人、我慢してきた人の捌け口としての泥酔。
最近の若い人は、そういう生き方はしないのかもしれませんね。

私も二十代後半はよく飲みました。夜更かしも。体力あったんでしょうね。
今は平日は一切無茶しません。

でも、阪神優勝がそこまで特別なのですね。
やっぱり関西人ですね(^o^)/

コメントありがとうございました。
2014.03.23 20:09 | URL | #9yMhI49k [edit]

Post comment

管理者にだけ表示を許可する

Trackback

trackbackURL:https://yaotomeyu.blog.fc2.com/tb.php/787-2513502f