【小説】ウィーンの森 — 金と銀のワルツ
うわぁ、どうしよう。大好きな街です。合計で三回行っています。この街を舞台に使っている作品群もあります。でも、なんかふさわしくないし、掌編にするのに面白くない。というわけで、新たな物語を作りました。あたり前ですが、ほぼフィクションです。でも、飛行機に置いていかれてウィーン半日観光が出来たのは、私の実体験をもとに書いています。そして、TOM-Fさんも好きだといいな、レハールの『金と銀』を使わせていただきました。
(追記)TOM-Fさんが作品を発表してくださいました。それも、この作品に対するアンサー小説になっています。
TOM-Fさんの作品 「ウィーンの森」
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ウィーンの森 — 金と銀のワルツ
森というよりは、山なんだ。半日で観ようっていうのは無謀だったわね。ベートーヴェンが住んで『田園交響曲』の着想を得たというハイリゲンシュタット、ルドルフ皇太子の心中したマイヤーリンク、温泉保養地バーデン。『ウィーンの森』という名のテーマパークのような観光名所があるわけではないので、どこに行っていいのかわからないし、たぶん時間もそんなにない。
クロアチア出張の帰りだった。ドブロブニクの空港でエンジントラブルがあって二時間の遅延があった。ウィーンについた時には乗り継ぎ便はもう東京に向かって飛び立ってしまった後だった。いますぐインドのボンベイ経由で帰るのと、一泊して明日直行便で帰るのとどちらがいいかと訊かれて、真美は迷うことなく一泊二食付きのウィーン滞在を選んだ。
ウィーンは乗り継ぎだけのつもりだったから、観光地などは全く調べてこなかった。半日の自由時間を効率よく過ごすための情報は限られていた。でも、そんなことは構わない。真美はタブレットをバッグにしまうと、バスの窓から外を眺めた。
バスはちょうど街の中心へとさしかかっていた。18世紀を思わせる重厚な建築群が連なっていた。街路の栃の樹から枯葉が車道に降り注ぐ。そして、その上を黒い馬車がゆっくりと通り過ぎていった。その向こうに音楽の教科書の表紙になっていたモーツァルトの像が見えた。嘘みたい。私、本当のウィーンにいるんだ。
真美に一番近いウィーンはずっと日本の田舎町にあった。そこには十年以上行っていない。真美が十七歳の時に父親が東京に栄転したから。でも、まだ喫茶店『ウィーンの森』は変わらずに存在していて、人びとの憩いの場所になっていると風の便りに聞いている。
真美は近所の青年、吉崎護になついていた。彼は母親の親友の息子で、学生時代に『ウィーンの森』でバイトをしていたのだが、学校を卒業後オーナーに店を任された。真美は、高校の帰りによく店に行き、ミルクのたっぷり入ったコーヒーを飲みながら、他愛もない話をした。
それは、ウィーンのカフェハウスを模して、メニューにもウインナ・コーヒーではなくてアイシュペンナーと載せるようなこだわりの店だった。県内で唯一のドイツ系コンディトライからケーキを取り寄せていて、クーゲルホフやアプフェルシュトゥルーデル、そしてショコラーデ・トルテが真美にとっての馴染み深い菓子だった。
銀のお盆に載ったコーヒーには必ずグラスに入った水が添えられていて、それだけで特別な飲み物になった。ウィンナ・ワルツのかかっている店内は、ただの喫茶店とは格の違う空間だった。真美には護もまた特別な存在だった。白いシャツと黒いパンツに、ワインカラーのエプロンをして、客たちににこやかに話しかける彼のことが大好きだった。
道に面したドアと反対側には大きい窓と勝手口があり、その向こうには白樺の林があった。晩秋にはその葉は鮮やかな黄色に染まり、陽射しを受けて輝きながら舞い落ちていった。それはちょうどワルツに合わせて踊っているように見えた。
「ほら、あんまり見とれていると、コーヒーが冷めるぞ」
護が真美の側にやってきて、一緒に白樺の落葉を楽しんだ。
「うん。きれいねえ。秋っていいわね」
「ああ、俺も、この時期のこの光景が一番好きだな」
真美はカップを両手で包み込むようにして、香り高いコーヒーの湯氣を吸い込んだ。幸福が押し寄せてきた。
「落ち葉も踊っているね。ねえ。これ、なんて曲?」
「フランツ・レハールの『金と銀』だよ。ウィンナ・ワルツの代表的作品だな」
秋の柔らかい光。黄葉の煌めき。『金と銀』……。
「いい曲ねぇ。これでダンスをするのね。ねえねえ、あれだよね。白いドレス着て、ティアラつけて宮殿で踊るの、デビュタントだっけ?」
護はちらりと真美を見て答えた。
「ああ、正月のオーペルンバルでやっているな」
「ねえねえ。私もデビュタントしたいな。護兄さん、一緒に行こうよ」
真美がそういうと彼は笑った。
「そういうのは彼氏と行くもんだろう」
彼女はふくれ面で答えた。
「私はもうじき16歳だよ。あと数年で大人の仲間入りだもん。そしたら、護兄さんの彼女にしてくれる?」
彼はそれを笑い飛ばした。ジョークだということにされてしまった。
それから一年もしないうちに護が結婚すると聞いて、真美は号泣した。その事実を認めまいと頑になり、披露パーティへの出席どころか『ウィーンの森』にすら行かなくなった。結婚式から帰って来た母親は「きれいなお嫁さんで、素晴らしいお式だったわ」と、報告した。心の整理がつく前に、父親の転勤で東京に越してきてしまい、それ以来護とは会っていない。
あの当時の彼の歳になった今なら真美にもわかる。仕事の責任があり、日々の生活を全て自らコントロールしている今だって、ちゃんとした大人とは言えない。何もできないのにロマンスだけは一人前にできるつもりでいたあの頃の自分を思うと確かに笑い飛ばしたくなる。それと同時に、あれは彼なりの優しさだったのだと思う。子供の憧れを利用したりせずに、その未来を大切にしてくれた、責任感のある大人、護兄さんはそういう人だった。真美はウィーンの街並を眺めながら思った。
空港の目の前にあるビジネスホテルに泊めてもらったのは正解だった。飛行機のチェックインまでの間、荷物を預けておき、身軽にウィーンの観光をすることができる。といっても時間がないので、たぶん二カ所ぐらいしか行けないだろう。森を諦めるとしたら……。決めた。カフェでショコラーデ・トルテを頼み、それから、よく映画でダンスシーンを撮影するシェーンブルン宮殿へ行こう。
アール・デコの美しいカフェに入り、真美は案内された席に座った。金髪のウェイトレスが明らかに日本人観光客である真美の顔を見て、英語で「英語のメニューですか?」と訊いてきた。真美は黙って頷いた。コーヒーにミルクの入ったものがブラウナーで、泡立てたホットミルクの入ったエスプレッソがメランジェ。ウィーンのカフェの専門用語は今でもスラスラ出てくる。それで注文には「メランジェ……ショコラーデ・トルテ」と中途半端にドイツ語で頼んでしまった。ウェイトレスは、「お願いします」もまともに言えないのに一人でカフェに入ってくる日本人観光客に慣れているらしく、頷くとさっとメニューを持って奥へ行ってしまった。
銀のお盆に、メランジェとグラスに入った水が載って出てきた。チョコレートケーキも、使われている食器も、『ウィーンの森』で護が出してくれたものとよく似ていた。ウェイトレスがそっけなく伝票をテーブルに置かれた銀の筒に丸めて突っ込み、去っていったのだけが違った。
「お待たせ」
そう言って護兄さんはいつも笑顔でお盆を置いてくれたよね。
トラムに乗ってシェーンブルン宮殿まで行った。駅から門まで、そして門から宮殿までもそれなりの距離があり、大きい宮殿、さらにその後ろの広大な庭園を眺めただけで、これはゆっくり見ている時間などないとわかった。
次の見学ツアーの出発は一時間後だった。それからのんびり見学などしていたら、また飛行機に乗り損ねてしまう。真美は宮殿内の見学を諦めて、庭園を歩くことにした。
宮殿正面のフランス式庭園は、写真で何度も見たことがあった。たくさんの観光客が記念写真を撮っていた。真美は先ほどから感じ続けている違和感について想いをめぐらせた。ウィーンに、そう本物のウィーンにいて、何もかも想像していた通りなのに何かが違う。その何かの正体がつかめない。
私はウィーンに何を期待していたのだろう。ここに何があると思っていたんだろう。ここは普通の都会。オーストリアの首都で、私のトランジット先。それだけ。それ以上を期待するのが間違っている。ここはこんなに美しいじゃない。
庭園の中程まで歩いて、ふと横を見ると、広葉樹の木立が黄色に染まっていた。真美は思わず走り寄って、声をあげた。
「わあ」
宮殿の壁の色よりもひと回り鮮やかで深い色。なんてきれいなんだろう。真美は魅せられてその木立でできたアーチの中へと吸い込まれていった。
黄色い枯葉が陽の光を受けながら舞い落ちていく。葉の裏に秋の陽射しがオレンジに透けている。葉と葉の間を抜けて差してくる木漏れ陽の中で、細かい土ぼこりが銀色に反射しながら舞っている。それは寂しい秋の風景ではなくて、華やかで美しい色彩の舞踏会だった。
突然、真美の心の中に、レハールの『金と銀』が響いてきた。金管、弦楽、流れるハープ、それから輝きながらゆっくりと旋回していく木の葉たち。穏やかに語り合いながら歩いていくカップル。犬を連れて散歩をする老婦人、どこまでも続く黄色い木立のトンネル。
そうか。私が見たかったのは、聴きたかったのは、そして行きたかったのは、あそこだったんだ。『ウィーンの森』の光景。金と銀のワルツ。「いつかは行きたい憧れの街」と言いながら、一度も本当のウィーンを訪れようとしなかったのは、だからだったのね。
真美は彼がどれほどしつこく自分の心の奥に居座っていたのかに初めて氣がついた。初めての失恋から立ち直って、忘れて、全く違う人生を謳歌してきたはずだった。他の恋も普通にして、別れてを何度か繰り返した。護と彼らを比較したこともないと思っていた。友達の結婚式に招待されるたびに親からちくりと言われる「あなたもね」に「まだまだ仕事が楽しいし」と笑い飛ばしていても、彼のことは関係ないと自分に言い聞かせてきた。
護が離婚したと耳にした時、反応しないようにしたのも、その後にも故郷に行こうとしなかったのも、全て自分の信じていたことと正反対だったのだ。私は意固地になっていただけだ。認めたくなかったから。まだ同じ夢を追っていることを。
護兄さんにふさわしいパートナーになりたかった。一緒にこのウィーンでダンスを踊りたかった。もう、デビュタントにはとても加われない歳になってしまったし、それ自体が意味を持たなくなってしまったけれど。『ウィーンの森』で、そして、ここ本当のウィーンのカフェで注文したかったのはメランジェでもトルテでもなくて、彼の笑顔だったんだね。
真美は不意にあの時にどうやっても立てなかったスタートラインに立っていることに氣がついた。相手にしてもらえなかった子供ではなくなっている。ちゃんと自立して仕事もしている。ウィーンにも一人で来られて、世界と自分の過去を分析もできるようになっている。今なら、護兄さんにもちゃんと一人の人間として向き合えるかもしれない。
今度の休みには、久しぶりにあの街を訪れて『ウィーンの森』に行ってみよう。ウィーンに行ってきたことを彼に話してみよう。何かが始まるのか、それとも何かが終わるのかわからない。けれど、とにかく行ってみよう。私にとってのウィーンへ。真美はもう一度木の葉のダンスを見上げると、踵を返して空港へと戻っていった。
(初出:2014年10月 書き下ろし)
追記
超有名曲である『金と銀』は色々な演奏の動画があるのですが、ウィンナ・ワルツが映っているので、ちょっとポップスですがアンドレ・リュウのもので。Andre Rieu - Gold und Silber 2011
Waltz op. 79 Gold and Silver, a composition by Franz Lehar
live from Vienna
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Comment
音楽を聴くだけでロマンスを感じる・・・。
そんな気持ちにさせる小説です。
有体言えば、美しい小説な感じがしてとても良かったです。
そんな気持ちにさせる小説です。
有体言えば、美しい小説な感じがしてとても良かったです。
更新、お疲れ様です。
リクエストに応えていただいて、ありがとうございます。
ザッハトルテのように甘さと苦さが入り混じった、素敵なラブストーリーですね。
「ウィーンの森」から見えた落ち葉や、シェーンブルン宮殿の中庭の描写が、とにかく美しかったです。
恋に恋する少女から、いろんな経験を経て成長した真美。デビュタントにはもう出られないかもしれませんけど、護兄さんとの成熟したオトナの恋愛を、これから楽しんで欲しいです。
うん、東ヨーロッパの街には、やはり大人の恋愛が似合いますね。
喫茶「ウィーンの森」には、クスリとしてしまいました。最初にWebで「ウィーンの森」で検索したときに、まっさきに表示されましたからね、あのお店。残念ながら近所にはないので、まだ行ったことがないんですけどね。
そしてレハールの「金と銀」。恥ずかしながら、初めて聞きました。最近はウインナワルツ、とくにヨハン・シュトラウス漬けだったのに……こんなワルツがあったとは。動画も素敵でした。華麗だなぁ。
私も気合い入れて書きますので、しばしお待ちを。
リクエストに応えていただいて、ありがとうございます。
ザッハトルテのように甘さと苦さが入り混じった、素敵なラブストーリーですね。
「ウィーンの森」から見えた落ち葉や、シェーンブルン宮殿の中庭の描写が、とにかく美しかったです。
恋に恋する少女から、いろんな経験を経て成長した真美。デビュタントにはもう出られないかもしれませんけど、護兄さんとの成熟したオトナの恋愛を、これから楽しんで欲しいです。
うん、東ヨーロッパの街には、やはり大人の恋愛が似合いますね。
喫茶「ウィーンの森」には、クスリとしてしまいました。最初にWebで「ウィーンの森」で検索したときに、まっさきに表示されましたからね、あのお店。残念ながら近所にはないので、まだ行ったことがないんですけどね。
そしてレハールの「金と銀」。恥ずかしながら、初めて聞きました。最近はウインナワルツ、とくにヨハン・シュトラウス漬けだったのに……こんなワルツがあったとは。動画も素敵でした。華麗だなぁ。
私も気合い入れて書きますので、しばしお待ちを。
こんばんは。
お題が「ウィーンの森」だったので、とにかく何が何でもワルツを登場させたかったのです。
設定は全部つじつま合わせで、シェーンブルン宮殿の黄色い並木道と「金と銀」だけのために書いてしまいました。音楽とロマンスの関係を感じていただいて嬉しかったです。
コメントありがとうございました。
お題が「ウィーンの森」だったので、とにかく何が何でもワルツを登場させたかったのです。
設定は全部つじつま合わせで、シェーンブルン宮殿の黄色い並木道と「金と銀」だけのために書いてしまいました。音楽とロマンスの関係を感じていただいて嬉しかったです。
コメントありがとうございました。
こんばんは。
トップバッターのリクエストをありがとうございました。
大好きなウィーンでしたので、思いっきり好きなものを詰め込みました。
ザッハトルテ、美味しいですよね。
私が初めてのウィーンで食べたのはインペリアル・トルテでしたが。(味は一緒?)
お題をいただいてから、けっこう悩みまして。「ウィーンの森」って、本物のウィーンだけの物語にすると、かなり難しいんですよ。シュトラウス絡みならいけそうだけれど、そうすると物語が浮かんでこなかったし。だから、どこかに日本から見たウィーン的な視点を入れようと思って、それで喫茶店にしたんです。が。えええっ、いつの間にそんなフランチャイズ・チェーンが! 知りませんでした(orz)ま、いいことにしましょう。きっとそういう名前の喫茶店はもっと前からあったはずだし。(たぶん)
真美、故郷に行ったら、また護に袖にされるかもしれませんが、ステラ並のしつこさで頑張ってほしいところです。
。
そして、TOM-Fさんにも知らない曲が? 日本だとそんなによくかからないんでしたっけ? シュトラウスは有名ですけれど。この「金と銀」はめでたい感じがするせいか、こちらではお正月前後によく耳にするのですよ。お氣に召していただいたでしょうか。シュトラウスを聴きまくっていらっしゃるということは……かえって重ならなくてよかったかもしれませんね。TOM-Fさんの「ウィーンの森」、楽しみにさせていただきますね。ごゆっくりどうぞ!
素敵なリクエストと、コメントありがとうございました。
トップバッターのリクエストをありがとうございました。
大好きなウィーンでしたので、思いっきり好きなものを詰め込みました。
ザッハトルテ、美味しいですよね。
私が初めてのウィーンで食べたのはインペリアル・トルテでしたが。(味は一緒?)
お題をいただいてから、けっこう悩みまして。「ウィーンの森」って、本物のウィーンだけの物語にすると、かなり難しいんですよ。シュトラウス絡みならいけそうだけれど、そうすると物語が浮かんでこなかったし。だから、どこかに日本から見たウィーン的な視点を入れようと思って、それで喫茶店にしたんです。が。えええっ、いつの間にそんなフランチャイズ・チェーンが! 知りませんでした(orz)ま、いいことにしましょう。きっとそういう名前の喫茶店はもっと前からあったはずだし。(たぶん)
真美、故郷に行ったら、また護に袖にされるかもしれませんが、ステラ並のしつこさで頑張ってほしいところです。
。
そして、TOM-Fさんにも知らない曲が? 日本だとそんなによくかからないんでしたっけ? シュトラウスは有名ですけれど。この「金と銀」はめでたい感じがするせいか、こちらではお正月前後によく耳にするのですよ。お氣に召していただいたでしょうか。シュトラウスを聴きまくっていらっしゃるということは……かえって重ならなくてよかったかもしれませんね。TOM-Fさんの「ウィーンの森」、楽しみにさせていただきますね。ごゆっくりどうぞ!
素敵なリクエストと、コメントありがとうございました。
本当にあるんですね、「ウィーンの森」って喫茶店。夕さんは何となくあの時代のイメージ、って感じでつけられたんですよね。そうそう、「モーツァルト」って喫茶店(ザッハトルテがおいしいけれど、妙に甘かった記憶が)もありましたが、あの頃は何となくヨーロッパに憧れる風潮があって、こんな名前のお店、結構あったような。
だから店名だけでちょっと時代感というのか(主人公にとっては思い出感というのか)が出てきて、すぐに世界に入り込めました。
とは言え、今回、タブレットを忘れて行ったので携帯の小さい字でちまちま読んでいたから、離婚というキーワードが見えなくて……^^; さっき改めて拝読して、あ! そうか、それなら何かが始まるよきっと、と安心しました。
こうしたお店とか、いつもそこにある思い出の場所とか、大事ですよね。旅の先ではいま旅行をしている場所のことに夢中になる一方で、いつも自分が帰属する場所を探している、そんな気がしていました。真美もきっとそうだったんですね。
そう言えば私も若い頃、トランジットが上手くいかなくてコペンハーゲンで一晩過ごしたことを思い出しました。一人ですることもなかったので、とりあえず夜間営業をやっていたチボリ(公園)で遊んだんでした。確かに調べていったわけじゃなかったので、何だか不思議な異次元感があったのを覚えています。
何はともあれ、この先がどうあれ、人生が動くきっかけとなった2つのウィーンの景色、シェーンブルン宮殿のダンスと木の葉のダンスの重なり、素敵な小説世界を楽しませていただきました。
だから店名だけでちょっと時代感というのか(主人公にとっては思い出感というのか)が出てきて、すぐに世界に入り込めました。
とは言え、今回、タブレットを忘れて行ったので携帯の小さい字でちまちま読んでいたから、離婚というキーワードが見えなくて……^^; さっき改めて拝読して、あ! そうか、それなら何かが始まるよきっと、と安心しました。
こうしたお店とか、いつもそこにある思い出の場所とか、大事ですよね。旅の先ではいま旅行をしている場所のことに夢中になる一方で、いつも自分が帰属する場所を探している、そんな気がしていました。真美もきっとそうだったんですね。
そう言えば私も若い頃、トランジットが上手くいかなくてコペンハーゲンで一晩過ごしたことを思い出しました。一人ですることもなかったので、とりあえず夜間営業をやっていたチボリ(公園)で遊んだんでした。確かに調べていったわけじゃなかったので、何だか不思議な異次元感があったのを覚えています。
何はともあれ、この先がどうあれ、人生が動くきっかけとなった2つのウィーンの景色、シェーンブルン宮殿のダンスと木の葉のダンスの重なり、素敵な小説世界を楽しませていただきました。
こちらにもありがとうございます。
そうなんです。TOM-Fさんのご指摘でわかったんですが、フランチャイズなんですね。で、私がイメージしていたのは、内装としては彩洋さんのおっしゃる「モーツァルト」や三越に入っている「カフェ・ウィーン」などのちょっと敷居の高い感じで、経営的には「趣味に走るにも程があるだろう」な喫茶店だったんですが、まあ、いいことにしましょう。
離婚は、ええと、つじつま合わせです。私、基本的には「婚外恋愛なんかしてもいいことないよ」という思想の持ち主なんで。その一方で、全く女の影も形もない男って、ご都合主義で嘘っぽい(もしくは女性に興味のない男性になっちゃう)ですよね。でも短い話なので数行で済ませるためにこうしました。
何かが始まっても、終わってもいいんですよね。心の中に氷漬けになっていると、思い出だけが美しく肥大化しちゃうので、何かアクションが必要なんだよなと思うこの頃です。
トランジットって、不思議な滞在ですよね。何も調べていないからこその発見があって、かなり忘れられない旅になりますよね。私の行った半日ウィーンは真冬でした。後で真夏に行ったときと、全く違う印象で、行けてよかったなと思いました。
お忙しい出張直後に、コメントをいただけて嬉しいです。
ありがとうございました。
そうなんです。TOM-Fさんのご指摘でわかったんですが、フランチャイズなんですね。で、私がイメージしていたのは、内装としては彩洋さんのおっしゃる「モーツァルト」や三越に入っている「カフェ・ウィーン」などのちょっと敷居の高い感じで、経営的には「趣味に走るにも程があるだろう」な喫茶店だったんですが、まあ、いいことにしましょう。
離婚は、ええと、つじつま合わせです。私、基本的には「婚外恋愛なんかしてもいいことないよ」という思想の持ち主なんで。その一方で、全く女の影も形もない男って、ご都合主義で嘘っぽい(もしくは女性に興味のない男性になっちゃう)ですよね。でも短い話なので数行で済ませるためにこうしました。
何かが始まっても、終わってもいいんですよね。心の中に氷漬けになっていると、思い出だけが美しく肥大化しちゃうので、何かアクションが必要なんだよなと思うこの頃です。
トランジットって、不思議な滞在ですよね。何も調べていないからこその発見があって、かなり忘れられない旅になりますよね。私の行った半日ウィーンは真冬でした。後で真夏に行ったときと、全く違う印象で、行けてよかったなと思いました。
お忙しい出張直後に、コメントをいただけて嬉しいです。
ありがとうございました。
なんてオシャレな大人な雰囲気
私もいつかこんな風になれるんだろうか
でも真美さんは16歳の頃からオシャレなウィーンの森になじんでいるのに対して
私はフランチャイズのウィーンの森にすら入れなさそう…
私もいつかこんな風になれるんだろうか
でも真美さんは16歳の頃からオシャレなウィーンの森になじんでいるのに対して
私はフランチャイズのウィーンの森にすら入れなさそう…
真美はなんの仕事をしてるんでしょうね?
クロアチア、ドブロブニク、あまり日本人がホイホイと出張するような所ではないよう気がしています。
真美が日本のウィーンと本当のウィーンの違いに気がついていく様子は、甘くてそして苦くて、夕さんがたくさん登場させたお菓子の味と重なってとても素敵でした。あ、酸っぱくもあるのかもしれないけど、このに登場するお菓子からこの味が出てくるのかは、サキの知識からは分りませんでした。
真美はデビュタントのくだりなんかでまだまだ護兄さんに軽くあしらわれていますけれどもね。
真美の高校時代の頑なな様子や、時間が経過し大人になって真美が素直になっていく様子は、彼女の成長を横からそっと眺めているようで楽しかったです。
この偶然100%のウィーン滞在のお陰なのかな。
真美は本当ならば立ち寄ることの無かった本物のウィーンに来て、自分の成長と変化に気がついたのですね。
そして、あ!護兄さんちゃんと離婚してる。
真美に何が始まるのかな。そうだなぁ。少なくとも挫折では無いような気がします。
真美の新しい出発に、ちょっとウキウキした気持ちになりました。
『金と銀』って?あぁ、この曲でしたか~。
知っていましたし、納得です。
このゆったりとした流れるようなメロディー、真美のデビュタントにもピッタリですね。
クロアチア、ドブロブニク、あまり日本人がホイホイと出張するような所ではないよう気がしています。
真美が日本のウィーンと本当のウィーンの違いに気がついていく様子は、甘くてそして苦くて、夕さんがたくさん登場させたお菓子の味と重なってとても素敵でした。あ、酸っぱくもあるのかもしれないけど、このに登場するお菓子からこの味が出てくるのかは、サキの知識からは分りませんでした。
真美はデビュタントのくだりなんかでまだまだ護兄さんに軽くあしらわれていますけれどもね。
真美の高校時代の頑なな様子や、時間が経過し大人になって真美が素直になっていく様子は、彼女の成長を横からそっと眺めているようで楽しかったです。
この偶然100%のウィーン滞在のお陰なのかな。
真美は本当ならば立ち寄ることの無かった本物のウィーンに来て、自分の成長と変化に気がついたのですね。
そして、あ!護兄さんちゃんと離婚してる。
真美に何が始まるのかな。そうだなぁ。少なくとも挫折では無いような気がします。
真美の新しい出発に、ちょっとウキウキした気持ちになりました。
『金と銀』って?あぁ、この曲でしたか~。
知っていましたし、納得です。
このゆったりとした流れるようなメロディー、真美のデビュタントにもピッタリですね。
こんばんは。
おしゃれそうな言葉に騙されちゃいけません。
ただケーキ食べてコーヒー飲んで、近所の兄ちゃんにアタックしているだけですから(笑)
フランチャイズの「ウィーンの森」はどんななんでしょうね。
私の好きなUCCの経営なので、きっとコーヒーは間違いなく美味しいに違いない(笑)
コメントありがとうございました。
おしゃれそうな言葉に騙されちゃいけません。
ただケーキ食べてコーヒー飲んで、近所の兄ちゃんにアタックしているだけですから(笑)
フランチャイズの「ウィーンの森」はどんななんでしょうね。
私の好きなUCCの経営なので、きっとコーヒーは間違いなく美味しいに違いない(笑)
コメントありがとうございました。
こんばんは。
私の時はチューリヒで今はなきスイスエアーが大雪のため遅れたんですが、この状況を作り出すために、むりやりクロアチアに……。そうじゃないと、航空業界の再編成でウィーン乗り換えってちょっと難しかったです。
ウィーンのお菓子は……頭痛がするくらい甘いものが多いのです。でも、ザッハトルテのように見かけは大人っぽいものが多いです。
15歳の頃はもちろんのこと、これから逢いに行っても軽くあしらわれるかもしれませんね。
真美にとっては、当時の護は大人で、欠点のない素晴らしい人に見えていますが、離婚の件でもわかるようにそんなわけはなくて、心の中で理想化しているだけでなく、ちゃんと逢いに行って、人間同士向き合うことが必要なのかなと思います。そのための一歩かな〜と。
『金と銀』ご存知でしたか。明るくて楽しくていい曲ですよね。大好きなのです。真美、デビュタント、できなかったけれど、曲自体が大事な思い出になっていましたね。
コメントありがとうございました。
私の時はチューリヒで今はなきスイスエアーが大雪のため遅れたんですが、この状況を作り出すために、むりやりクロアチアに……。そうじゃないと、航空業界の再編成でウィーン乗り換えってちょっと難しかったです。
ウィーンのお菓子は……頭痛がするくらい甘いものが多いのです。でも、ザッハトルテのように見かけは大人っぽいものが多いです。
15歳の頃はもちろんのこと、これから逢いに行っても軽くあしらわれるかもしれませんね。
真美にとっては、当時の護は大人で、欠点のない素晴らしい人に見えていますが、離婚の件でもわかるようにそんなわけはなくて、心の中で理想化しているだけでなく、ちゃんと逢いに行って、人間同士向き合うことが必要なのかなと思います。そのための一歩かな〜と。
『金と銀』ご存知でしたか。明るくて楽しくていい曲ですよね。大好きなのです。真美、デビュタント、できなかったけれど、曲自体が大事な思い出になっていましたね。
コメントありがとうございました。